どこへ向かう?! 岡山県政――「第3次おかやま夢づくりプラン」を斬る

         

                          日本共産党岡山県議団 森脇ひさき

 

岡山県政の総合施策となる次期プラン(第3次おかやま夢づくりプラン)の「素案」が8月に発表され、全員協議会、9月議会を経て12月議会で議決される運びとなっている。

「素案」作成にあたって、従前からおこなわれていた県民意識調査に加えて、今回新しく「おかやま発展戦略会議」が設置された。

「発展戦略会議」は県内外の経済界の代表、有識者等で構成するとともに、各分野の施策については、それを専門とする民間団体等の意見聴取もおこなうなど、幅広く意見をきく形をとっている。メインの会議はこの1年間に数回開かれ、今年6月に「提言」を発表した。そこでは、「中国をはじめとするアジア諸国が目覚ましい経済成長を続けている」なか、「新たな市場の開拓や、事業の展開、それらを支える人材育成が必要」と、産業分野を中心に4つの「戦略」と20のプロジェクトが提言された(表・左列:「提言」の抜粋)。

 

おかやま発展戦略会議「提言」

第3次おかやま夢づくりプラン(素案)

戦略T FTA・TPPの議論を真正面から捉え、産業のグローバル化をリード

 ・企業進出のサポート体制

 ・水島港や玉島ハーバーアイランドの整備

 ・産学官連携による開発研究

 ・グローバル化に対応できる農業 

   農地の利用集積、企業参入の促進 など

基本戦略V 発展につながる産業づくり

アジアへ!世界へ!産業グローバル戦略推進

水島コンビナートの国際競争力強化

海外進出の支援

県内企業の国際競争力、経営基盤の強化

水島港の機能強化

・成長につながる企業の誘致・集積

・新ビジネス育成

・儲かる産業に!攻めの農林水産業育成

  農地集積による規模拡大と法人化

   次代を担う「力強い」担い手の育成

                    など

 ・

 

戦略U 岡山の強みを生かした新たな産業の創出

 ・次世代(電気、燃料電池)自動車の開発

 ・アジアの富裕層を視野に入れた医療健康産業

 ・世界をリードする医療・福祉拠点

 ・中山間地域でのスモールビジネス など

戦略V 世界に通用する英語力を持ち世界に羽ばたく人材の育成

 ・小学校低学年からの英語教育

 ・世界を舞台にする著名人との交流

 ・中国語、韓国語を使いこなせる産業人材育成

 ・外国人医療従事者の受入促進 など

基本戦略U 将来を担う人づくり

 ・学校・家庭・地域の連携

全国学力・学習状況調査順位を10位以内に

・グローバル人材育成・誘致

  小学校低学年からの英語教育

中・高校理数科の英語による授業  など

 

中四国州推進プロジェクト

 

このたび発表された「第3次おかやま夢づくりプラン(素案)」には、県政全般にわたる基本的な施策が盛り込まれている。そのうち産業分野の「基本戦略」を発展戦略会議「提言」と対比する形で表の右列に記載した。両者は非常によく似ており、「夢づくりプラン」は経済界の要求「丸写し」と言っても過言でない。

問題はこれら産業分野の「戦略」の中身である。表に示したように、「TPP議論を据え」、「グローバル化への対応=アジアへの進出」としたものが中心となっている。また、そのような企業を支える「人材育成」として、教育のあり方にまで注文をつけるものとなっている。

東日本大震災を経験し、多くの国民は国づくりのあり方について、あらたな模索と探求をはじめている。その方向は、「絆」に象徴されるように、「自己責任」が押し付けられ「勝ち組・負け組」と競い合わせる社会ではなく、あたたかい社会的連帯を求める社会であると思う。一方、復興計画をめぐって財界・大企業本位の「復興」も叫ばれている。まさに「国民本位の国づくり」か「財界・大企業いいなり」かのせめぎあいである。

このようななか、岡山県知事が選択した県政運営の基本方向は、「財界・大企業いいなり」という性格が色濃いものとなった。さらに「夢づくりプラン(素案)」には、「道州制推進プロジェクト」として、「中四国州の実現をめざし、中四国地方における本県の拠点性を高める」との方向も示された。「拠点性を高める」事業に重点的に予算配分される危険もある。

 8月29日、「夢づくりプラン(素案)」について審議した県議会全員協議会で私は、福祉と暮らしを充実する県政への転換、TPP参加に反対し農林漁業や地場産業、中小企業を直接応援する産業政策への転換を求めた。また、教育を「経済界が求める人材育成」へと変質させられようとしている問題を指摘し、「学力向上」の指標を「全国学力・学習状況調査順位を10位以内に」としたことについて、「学力は点数だけで判断できるものではない」とその撤回を求めた。 

 

☆日本共産党県議団の提案

  ・県民のくらし応援への転換

     たとえば、全国最悪の障害者医療→無料化の復活を

・中小企業、地場産業、農林水産業支援への転換(地域に根ざした産業振興)

   たとえば、中小企業本位の振興計画、自然エネルギーによる地域の活性化

・TPP反対

   農林水産業、医療、雇用、食の安全、公共工事や公共調達での地元優先

・子どものための教育を

   たとえば、序列化に通じる学力テストの中止、ゆきすぎた英語教育の中止

正規教員を増員し、少人数学級や特別支援学級の増設

   ・安心して暮らせる、安心して働ける岡山への「基盤整備」 など

以上