2010年6月定例県議会


武田県議の一般質問と答弁(要旨)

森脇ひさき県議の討論



武田県議の一般質問と答弁(要旨)



武田県議の質問(第1回)

 通告に従い質問します。

 私はまず、「深刻な経済危機から県民の暮らしを守る」問題に関して、知事並びに担当部長に伺います。            

 まずは、景気の動向に関する知事の認識についてです。

 知事の提案説明のなかでも「雇用情勢の厳しさ」が指摘されていますが、この雇用情勢の悪化とそれに伴う雇用所得の低下こそ、景気の安定的な回復の障害となっていることは明らかです。

 岡山県県民経済計算によれば平成19年度の雇用者報酬は3兆6624億円で、10年前に比べて約3000億円10%も下がっているのです。

 その中でも、小泉内閣の「新自由主義路線の構造改革」によって生み出された「格差と貧困」は、「ワーキングプア・働く貧困層」を生み、それは「子どもの貧困」という社会問題にまで発展しているのです。

 それはもちろん国の責任によるものですが、現在では地方自治体が向き合わなくてはならない深刻なテーマとなっています。

 そこで、知事にお伺いですが、この「ワーキングプア・働く貧困層」「子どもの貧困」などの問題について、どのような認識と対策をお持ちなのでしょうか。

 さらに、全国的にも多発の傾向を見せている生活保護に絡んだ「貧困ビジネスの実態」に関しては、大阪市の呼びかけで全国30都市が集まり、対策協議を始めたと報じられています。県としても対策を始める時期かと思いますが、知事と警察本部長にお伺いします。

 さて、こうした中わが党は今年3月「経済危機から国民の暮らしを守るために政治は何をなすべきか」を発表しました。そこでは、@人間らしい雇用のルールの確立、A中小企業の振興、B農林水産業の再生、C社会保障の拡充、D財源問題の「5つの提言」を示しました。ここではその中心点について県行政に関わる提案をし、知事ならびに関係部長の見解を伺うものです。

 第1は、雇用問題について土木部長に伺います。

 先ほど指摘した「働く貧困層」問題などの解決には、「労働者派遣法を抜け穴だらけの改正に留めるではなく、抜本改正」すること、「全国一律時給1000円への最低賃金のアップ」と「労働者の暮らしを保障する公契約条例」の制定などが必要だと考えます。  

 知事は先の2月議会でのわが党森脇県議の「公契約条例」についての質問に対し、「県では、公共工事における最低制限価格の引き上げ等による労働条件の確保にも配慮している」と答弁されてきましたが、問題はその結果と実態です。実態調査をされてはいかがでしょうか。

 第2は、中小企業振興について産業労働部長に伺います。

 私はこの間、各中小企業団体や「ものづくりの現場」を訪ねて様々な要望を聞かせていただいてきました。

 そこでは、民主党政権の全く無きに等しい中小企業政策への批判、事業仕分けによる中小企業支援事業の削減への怒りの声が渦巻いていました。こうした中、わが党は、「下請2法の厳正な執行と法制強化」「中小企業を日本経済の根幹に位置づける中小企業憲章の制定」などを提案していますが、岡山県においても、中小企業家同友会などが提唱する「中小企業振興基本条例」の制定を提案しますがいかがでしょうか。まず、既に制定している千葉県など先行事例の研究から始めてはと考えますが、いかがでしょうか。

 また、「ものづくり支援」として、わが党の求めに応じて経済産業省がこの4月16日に発した「中小企業に対するリースの支払猶予について」の要請文に関して、県としてもその周知のために努力されることを望みますが、いかがでしょうか。

 「ものづくり支援」に関しては、岡山県工業技術センターが果たしている重要な役割についても触れておきたいと思います。県として産業振興における同センターの重要性を認識し、さらに機能強化を図るべきだと考えます。民主党政権の事業仕分けでこうした分野の予算が削減される動きの中だからこそ、県の力強い取組が求められると考えますが、いかがでしょうか。

 第3は、農林漁業の振興に関して伺います。

 まず、米の戸別所得補償制度について農林水産部長に伺います。地域の実情を無視した全国一律のこの制度がもつ様々な問題点が明らかになりつつあります。

 現在私たちに寄せられている課題の一つは、「交付対象面積の10e控除」の撤廃です。販売されない米も自給率向上に繋がらないとはいえませんし、何よりも耕作放棄地対策になります。また小規模農家の参加を促すことにもなります。県として国に改善を求めてはと考えますが、いかがでしょうか。

 次は、林業振興についてです。

 先日わが党は、県北の森林組合長をはじめ多くの森林・林業関係者に参加いただき、日本共産党岡山県委員会として初めて「森林・林業シンポ」を開催しました。そこでの、議論の中心点は、「立場の違いを超えて森林・林業政策を環境保持とともに地域産業の柱と位置づけ、国策としての森林・林業を振興する」ということでした。

 この場では、国政の議論をする時間がありませんので、シンポで出された意見のうち、県政に関わる点に絞って「4つの提案」をさせていただきます。

 その1.何よりも森林・林業の役割に関する「啓発・普及」が肝心だということです。県としても様々な努力をされているわけですが、学校現場も含めて、いっそう強化すべきだと考えますが、農林水産部長いかがでしょうか。

 その2.林道・作業道の整備の促進です。進捗状況と今後の計画を伺うとともに、補助制度の拡充を求めますが、農林水産部長いかがでしょうか。

 その3.国がこの度、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を制定しましたが、この新しい法律の具体化を県としてどう進めるかが肝心です。そのための、県庁職員の中での「木造建築」に関する技術向上と人材の確保が求められていると考えますが、土木部長いかがでしょうか。

 その4.県産材を使用した木造住宅への補助の増額についてです。県産材使用木造住宅に対する助成制度は、中国地方では岡山県が一番貧弱であると指摘せざるをえません。その額もそうですが、「新築」だけでなく「増改築」「修繕・模様替え」という対象の範囲も含めてです。私は、県産材使用促進・・「これこそエコ」の最先端だと考え、助成の対象も金額も増額すべきだと考えますが、農林水産部長いかがでしょうか。

 この項最後は、医療・福祉の拡充についてです。今日の「医療崩壊を建て直す」ために、わが党は@後期高齢者医療制度のすみやかな撤廃、A高すぎる医療費窓口負担の引下げ、B高すぎる国民健康保険料の引き下げ、C診療報酬の抜本的な引き上げ、を主張しています。ここでは県政に関することで2点だけ提案し、保健福祉部長の見解を伺うものです。

 その一つは、小学校6年生までの医療費の公費助成に関して、歯科だけでも「入院」だけでなく「外来」も対象にしたらどうかという提案です。

 歯科の疾患に罹りそれが放置されることが子どもの成長にとって深刻な事態をもたらすことは論を待ちません。特に、子どものう歯は2〜3歳の時点で増加が始まり小学校4年生頃にピークに達します。その時期の歯科外来の医療費助成は将来にわたる健康増進と、ひいては医療費全体の削減に大きな意味を持っていると考えます。全国に先駆けて、歯科外来の助成に踏み切ってはいかがでしょうか。

 二つ目は、深刻な市町村の国保会計への県費助成の増額についてです。国民健康保険は「いのちのパスポート」といわれ、国民皆保険制度の根幹をなすものであり、何よりも国の責任において改善されねばなりません。

 岡山県の市町村の国保会計への助成は,これまでは診療報酬審査支払手数料補助金として,そして平成20年度からは国保保険者が行うこれら特定健診・特定保健指導の事業などに助成されています。その間1人当たり支出金が07年の82円が09年には31円に減少しており、これは全国平均257円の1割強という貧弱な状況です。

 私は、地方単独事業の国保波及分へのペナルティーに対する補助制度の創設を含め、その増額を求めますが、いかがでしょうか。

 さらに、国が地方単独事業を行っている自治体に対し、国庫補助を減らすペナルティーを科していることについて、国に中止を強く求めるよう望みますが、いかがでしょうか、併せて伺います。

 質問の次の柱は、「苫田ダムと広域水道企業団」について、知事に伺います。

 苫田ダムが完成して5年が経過しました。当時、「東の八ッ場ダム、西の苫田ダム」といわれたのは決してダムの大きさだけではありません。数百戸の住民に対しての国と県による強権的な仕打ち・・それは「苫田ダムには法もなく、理もなく、情もなし」と言われる程非道なものでした。

 500戸余りの住民が墳墓の地を追われ、2000億を越す巨費を投じて出来上がった苫田ダムが5年後の今どうなっているのか・・それは国だけでなく、推進した県当局とオール与党の県議会、推進の旗振り役をしたマスコミ含めて厳しく検証しなくてはならないものだと考えます。

 この度、国土交通省中国地方ダム等管理フォローアップ委員会が「苫田ダム建設事業事後評価」を発表しました。そこでは@環境の変化の調査範囲がダム湖周辺に狭く限定されており、河口部までを含む吉井川全体の環境調査は対象になっていない、A苫田ダム完成後の5年間、治水・利水の両面から大きな災害がないにもかかわらず「苫田ダム建設事業の効果が発現し、大きな社会情勢の変化がないことから、今後の事後評価の必要性はない」と締めくくっています。国の無責任な事後評価の姿勢に、私は憤りを禁じることができません。

 そこでお伺いしますが、苫田ダム完成後の「県管理部分の治水対策の進捗状況」「吉井川河口における環境調査の変化」「吉井川における漁獲量の変化」などはいかがでしょうか。この項は土木部長に伺います。

 昨年11月議会で取り上げた「吉井川河口での赤潮発生や海苔の色落ち」は、苫田ダムが原因と特定できませんが、逆に「苫田ダムは全く関係なし」との判断も不可能かと考えます。いかがでしょうか。

 なお、かつて苫田ダムの工事に関連して問題となったクマタカの生息調査はその後いかがでしょうか。伺っておきます。

 「苫田ダムと広域水道企業団」に関する次の問題は、「利水」問題です。

 第1は、岡山県の水需要予測とその実態の乖離についてです。

 平成8年に策定した「第3次岡山県水利用基本計画」によれば、一人一日平均給水量は平成4年の419gに対して平成17年には475gに上がる予測となっていますが、実際は381gに下がっています。また、平成14年に策定した「岡山県水道整備基本構想」では、平成22年には438gに上がる予想を立てています。しかし、実際には、平成20年には365g、予想の約8割台に下がっているのです。

 しかも、県の計画によれば、10年後には480g・現状の約3割増、平成37年には511g・約4割増の予測となっています。私は、知事がこの「予測と現実の乖離」を直視し、下方修正する時期が来ていると考えますが、いかがでしょうか。

 第2は「広域水道企業団」の「調整水量」とそれへの財政負担の問題です。

 苫田ダムで開発した日量40万dのうち日量10万dが売れ残り、そのために毎年6億円もの税金を「立替」していることは、本会議の場で何回も指摘してきたところです。改めて確認しておきますが、この「調整水量」・・私は「余剰水量」と呼んでいますが・・そのための財政負担は「これまでいくら」になるのでしょうか、「これからいつまでいくら」かかるのでしょうか。

 私は、昨年11月議会において、「見通しのない財政支出は止め、調整水量分を治水など他の目的に振り替える」ことを求めましたが、知事はそれに対して、「ダムの建設による水資源の開発には、長期間を要することから、将来の安定的な水道用水の供給のために、県全体の貴重な水源として調整水量を確保している」と答弁されました。

 そこでお伺いしますが、知事は今後水需要が増加するとお考えなのでしょうか。私は、万万が一の際にも、「調整水量」の必要はなく、「広域水道企業団の第2期計画」で十分可能なのではないでかと考えますがいかがでしょうか。

 さらに言えば私は、「第2期計画」さえ、将来必要かどうかさえ疑っているものですが、知事は「第2期計画」への着手が近い将来いつ頃必要になると予測しているのでしょうか。「テロ対策」とか一般的な可能性ではなく、現在の水需給の実態に即して、その可能性があるのかどうか、併せてお伺いしておきます。

 いずれにしても、県財政逼迫の折、いかなる理由をつけようが、返済の見通しのない財政支出を続けることは絶対にあってはなりません。私は、国による調整水量分の買い上げなどを求めるべきだと重ねて提起するものですが、知事、いかがでしょうか。

 国にも、過剰予測で巨大ダムを建設した責任があります。民主党政権のダム行政についての見直しが口先だけでないとするなら、当然検討されてしかるべき課題だと考えます。知事の見解を伺うものです。  

 次の質問は、民主党政権と県民の暮らし・地方自治について知事の見解を伺います。

 まず、昨年来の「陳情一元化」問題ですが、今年2月の「箇所付け問題」とあわせてその強権的、選挙誘導的なやり方は県民と自治体関係者の大きな批判の的となりました。「地域主権の時代にあっては、地方の出先機関は民主党の県連であるべき」といった前県連代表の恐怖政治的な意見は別にして、依然としてこの党のホームページには「知事が直接国に出向くのは逆効果」との文言が掲載されています。この問題から半年が経過し、来年度の予算の議論が始まろうとしている中、知事はどう総括し、今後どうしようとしているのでしょうか。見解を伺っておきます。

 さて、民主党政権の目玉政策である、「子ども手当」「高校無償化」ですが、それが逆に「低所得者層の負担増」のケースを生んでいることも指摘せざるを得ません。

 例えば「子ども手当」支給と抱き合わせで行われた扶養控除廃止に伴う増税や児童扶養手当の対象から排除など考えられない事態が起きようとしています。「高校無償化」によっても、私学の低所得者層への負担は、依然として重くのしかかります。

 私は、私学に通う低所得者への特別の支援策について考えるべきと思いますが、総務部長の見解を伺います。

 この項最後に、「地域主権」関連について2点、知事の見解を伺っておきます。

 私も地方自治の拡充を求める考えにはいささかも変わりないのですが、民主党政権の「地域主権」の考えの中に、「憲法25条に示された国の責任」・・この国のあり方に関わる重要な問題を指摘せざるをえません。

 その一つが、保育所の施設の基準等についてです。これは子どもの安全、子どもの発達保障という重大な問題について、国の責任で設置基準を定めそれに必要な財政保障をすることを放棄することに繋がるものではないでしょうか。知事の見解を伺っておきます。

 二つ目は、一括交付金における国の責任についてです。

 国の補助金制度には様々な改善点があることは確かですが、それは憲法に基づいて国民の生存権などの権利、ナショナルミニマムを国が保障するために、法律に基づいて国が責任を持って基準を決め財政保障をするうえで重要な意味を持っています。

 一括交付金化は、その金額の増減というより、その国の責任を放棄することに道を開く危険な狙いを感じざるを得ません。それは小泉内閣以降の悪しき規制緩和の地方版と言っても言い過ぎではないと思います。

 「地域主権」という理念の中で、ナショナルミニマムでの「国の責任」という角度から知事はこの一括交付金をどう考えるのか、見解を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

 次の質問の柱は、沖縄普天間問題と日本原演習場における日米共同訓練等についてです。

 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」に関する日米共同発表についての内閣官房長官の説明では、「日本本土の自衛隊基地への訓練移転については具体例として3週間くらいかけて本土の自衛隊基地に沖縄から出かけて訓練をする」とされています。この内容は2006年5月の米軍再編「ロードマップ」で合意された「本土の自衛隊基地への米軍機の訓練移転が最小で1日、最大でも2週間」とされていた自民党政治時代よりも危険な内容です。

 日本原演習場は日米地位協定第2条4項(b)に指定され、米軍が自由に使用できる道が開かれており、米軍機の訓練移転等の可能性を否定することは出来ません。奈義町は現在の日米共同訓練に対しても「米兵のホームビジットは受け入れない」とするなど不安をもっています。知事は現時点から「受け入れない」の態度を明確にすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 関連して米軍の低空飛行訓練ですが、最近その目撃回数が減少していますが、それは米軍戦闘機の訓練が都市部を対象にしたものに変化していることが一要因とされており、今後岡山県の何処でその危険が発生するかもしれませんし、民主党政府による日米合意により全国がその危険性にさらされる可能性は大きくなると考えられます。米軍の低空飛行訓練についての知事の見解を改めて確認しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。  

 質問の最後は、「公益法人と選挙活動」について保健福祉部長に伺っておきます。

 この間私は、「不特定多数の者の利益の実現を目的とする公益法人は、後援会等特定個人の精神的,経済的支援をしてはならない」という立場から、県の指導監督を求めてきました。そうした中、岡山県医師会など大幅な改善が見られてきたことも確かで、県当局のご苦労には敬意を表するものです。

 しかし、残念ながら現在でも、公益法人らしくない不正常な事態が続いていることも確かです。3年前の参議院選挙が行われた平成19年の政治団体の収支報告書の中には、例えば岡山県歯科医師連盟の収支報告書には自由民主党岡山県参議院選挙区第2支部に対して200万円の献金の記載があるにもかかわらず、一方の自由民主党岡山県参議院選挙区第2支部にはその記載がないなど不適正な問題が見受けられるのです。  

 一方、先日辞任した民主党前小沢幹事長はこうした公益法人に対して利益誘導的な選挙の押し付けをしてきました。極めて遺憾なことが起きようとしています。

 社団法人岡山県歯科医師会と岡山県歯科医師連盟は別団体ですが、密接につながりをもっていることは、これまでも指摘してきたとおりです。私は改めて、県当局に要望します。このように政権政党などの圧力によって公益法人である岡山県歯科医師会が不正常な選挙支援などしないように厳正な指導監督を求めるものですが、いかがでしょうか。

 以上で質問を終わります。



第1回目の答弁

(知事答弁)

 ワーキングプア等についてであるが、国の19年の就業構造基本調査では、年収200万円以下の雇用者数は14年に比べ約16%増加し、県の毎月勤労統計調査結果では、21年の1人平均月間現金給与総額も17年に比べて約6%減少しており、これらは子どもの生活にも影響を与えていると考えている。

 この問題は、まずは国において対応されるべきものであるが、県としても、安定した就労の場の確保や技能の向上等を支援するため、岡山労働局等との連携の下、経済団体に対する雇用の拡大要請や、様々な職業訓練の実施、おかやま若者就職支援センターにおける就職支援等に取り組んでいるところである。

 貧困ビジネス対策についてであるが、本県では、問題の報道後直ちに、福祉事務所に対し、注意喚起を兼ねた調査を実施し、これまでのところ、生活保護に関わる問題事案は発生していないことを確認している。

 今後とも、福祉事務所等からの情報収集に努め、不審な業者や団体などの情報を関係者で.共有するなど、貧困ビジネスの未然防止に努めてまいりたい。



(土木部長答弁)

 労働条件の実態調査についてであるが、建設関係の企業は様々な工事を受注しており、県発注工事のみで各企業の労働条件の実態把握には限界があり、お話しの実態調査までは考えていないが、これまでも、全国調査に基づいた労務単価を用いて予定価格を積算するとともに、県独自の公共工事コスト調査結果を踏まえ、最低制限価格の引き上げを行ってきたところである。

 今後とも、必要に応じ、公共工事コスト調査を実施し、労働条件の確保に配慮してまいりたい。



(産業労働部長答弁)

 振興基本条例についてであるが、県内中小企業は本県経済の発展と県民生活の向上に大きな役割を果たしておりその振興は、県の産業政策の根幹をなす重要な課題と認識している。

 このため、県では、「新おかやま夢づくりプラン」の中で、中小企業の育成・振興に関する重点施策や具体的な数値目標を設定し、戦略的に取り組んでいるところであるが、条例の制定については、今後、他県の事例を調査し、その必要性等について研究してまいりたい。

 リースの支払猶予についてであるが、国では、中小企業金融円滑化法の趣旨を踏まえ、同法の対象とはなっていないリース事業者に対し、支払条件の変更等の柔軟かつ適切な対応を行うよう事業者団体を通じ文書で要請したところである。

 県としても、国と同様の周知に向け県内にあるリース事業関係団体等のきめ細かな洗い出しを行うなど、その準備を進めているところである。

 工業技術センターについてであるが、冠動脈用ステントや人工関節など画期的な新製品の研究開発や、年間約7千件の技術指導、企業による約9千件の設備利用などを通じ、県内中小企業の技術力向上に大きな役割を果たしているところであり、今後とも、本県産業の振興に向け、センターの機能強化に取り組むことが重要と考えている。

 このため、人的・予算的制約の中で国等の外部資金を活用した研究開発や実用化に結びつく企業との共同研究などに重点的に取り組むとともに、企業に出向いて行う技術指導など、企業ニーズを踏まえたきめ細かな支援に一層努めてまいりたい。



(農林水産部長答弁)

 米の戸別所得補償制度についてであるが、この制度は販売農家を補償の対象としており、国は作付面積10aまでの部分を自家用米等とみなし、補償の対象から控除することとしている。

 御提案の10a控除を撤廃しても、過疎化・高齢化が進行している中山間地域の多い本県において、耕作放棄地対策や小規模農家の参加につながるかどうかは明確でなく、また、自家用米等の作付まで補償することは、多くの理解を得難いのではないかと考えている。

 森林・林業の啓発等についてであるが、林業の振興には、森林・林業の役割について県民の理解と協力が必要であり、このため、様々な広報媒体を通じた普及啓発や、高校生への出前講座、県産材を使用した学校の内装整備や机・椅子の配付、企業や県民参加の森づくりを積極的に進めている。

 今後とも、学校や林業関係者等と連携し、森林・林業の重要性はもとより、木材の良さや利用の意義等についても、一層の普及に努めてまいりたい。

 林道等の整備についてであるが、森林・林業基本法に基づく35年度末までの林道計画延長2,484kmに対し、21年度末の実績は1,979kmであり、森林作業のために一時的に開設する作業道は、毎年125km程度を開設している。

 また、林道・作業道の整備にあたっては、県単独事業の採択要件の緩和や低コスト工法の積極的な採用などにより路網整備を進め、本県林業の振興に努めてまいりたい。



(土木部長答弁)

 木造建築に関する技術向上等についてであるが、これまでも、駐在所等の新築に当たっては、木造構造を採用し、木造建築に関する職員の技術向上や人材育成に努めてきたところである。

 現在、国において法律に基づく基本方針を策定中であり、今後は、基本方針に定められる公共建築物における木材の利用の目標等を踏まえ、職員の技術向上と人材の確保について適切に対応してまいりたい。



(農林水産部長答弁)

 県産材使用木造住宅についてであるが、本制度の実施により民間木造住宅への県産材利用を促進するという目的から、今年度においても、厳しい財政状況の中ではあるが、構造材への使用量が多く事業効果の高い新築住宅を対象に、1戸当たり20万円、受付枠200戸を限度として実施しているところであるので、御理解を賜りたい。



(保健福祉部長答弁)

 小学生の歯科外来の助成についてであるが、う歯は将来にわたる健康にも影響することから、治療率の向上が望まれるところであるが、そのためには医療費助成の拡充よりも、歯科保健活動の充実が、より効果的であると認識している。

 こうしたことから、県としては、引き続き、歯科保健推進協議会などを通じて、学校や地域での歯科保健活動を積極的に支援し、う歯の治療率向上に努めてまいりたい。

 国保会計への助成についてであるが、このような助成は、21年度18都府県の実施にとどまっている中で、本県では、規模は小さいものの、市町村国保に対する助成を行ってきたところであり、増額までは考えていない。

 お話の地方単独事業に対するペナルティは、市町村間の負担の公平の観点から設けられているものであり、その趣旨から、ペナルティの補填を目的とする助成は、考えていない。

 また、国にペナルティの中止を求めることについては、県では、国に対し医療費助成制度を国の制度として、実施することを求めているところであり、その実現により、お話の問題も解消されるものと考えている。



(土木部長答弁)

 治水対策の進捗状況等についてであるが、平成10年台風10号による浸水被害を防止するため、治水事業を順次実施してきており、苫田ダム完成後においても、17年度から美咲町において河川拡幅を実施し、昨年度は、和気町の堤防かさ上げ等に着手したところである。

 吉井川河口における環境調査の変化については、苫田ダム完成後、永安橋付近のBOD75%値はやや上昇しているが、吉井川河口部のCOD75%値は低下傾向にあり、また、漁獲量の変化についても、苫田ダム完成以前から減少が続いており、いずれも苫田ダムによる影響は明らかになっていない。



(知事答弁)  

 赤潮発生等についてであるが、吉井川河口で、8年以降、毎年のように発生している赤潮は、毒性のないプランクトンによるものであるため、漁業被害は発生していないが、その発生原因の解明ができていないことから、関係機関による連絡会議を設置し、原因究明に努めているところである。  

 また、海苔の色落ちは窒素分など栄養塩の減少により発生するが、その主な原因は、秋以降の雨不足や植物プランクトンの異常発生などによるとされており、瀬戸内海全域に及ぶ広域的な現象であるため、関係府県や大学とともに調査研究を進めているところである。  

 クマタカの生息調査についてであるが、苫田ダム建設事業の環境影響評価に係る知事意見に基づき国が策定した環境管理計画により、生息調査は継続実施されており、この調査報告書によると、ダム完成後も子育てのための巣作りや繁殖行動が確認されるなど、生息状況に変化はないとのことである。  

 水需要予測についてであるが、14年度に行った水需要予測は、過去10年間の実績等を踏まえ、県全体について予測したものであり、生活用水については、ほぼ予測どおり推移しているものの、業務営業用水や工場用水については、長引く不況等により、予測を大きく下回っている。  

 水需要予測は、県の将来の水道事業のあるべき姿を捉え、今後の計画的な整備の推進を図ることを目的に行うものであり、全県的な水源開発の予定のない現状では、その見直しは考えていない。  

 調整水量への負担についてであるが、これまでに、県が負担した額は、21年度までで約116億円となっている。  

 今後の負担については、調整水量の追加配分がない場合、企業債の元利償還金に対するものが、償還終了の46年度までで約33億円であり、この他に、苫田ダム管理費等の負担金が、毎年3億円から4億円見込まれるところである。  

 水需要の増加等についてであるが、県全体の水需要は、横ばいか減少傾向にあるが、個々の市町村の施設の老朽化や水源の枯渇等、今後の企業団の供給水量の増加要因もあり、調整水量は、そうした需要に適切に対応するために確保しているものである。また、第2期計画の着手時期については、現在、第1期計画を段階的に整備しているところであり、その進捗状況等を踏まえ、今後、構成団体により検討されるものと考えている。  

 国による買上等についてであるが、調整水量は、将来の安定的な水道用水の供給のために、県全体の貴重な水源として必要なものであり、現時点において、国へ買上等を求めることは考えていない。  

 陳情一元化についてであるが、地域の実情や住民の声を直接政府に伝えることは、選挙で負託を受けた者の当然の責務であって、その行動を政党が制約することは問題であると、私は考えている。  

 菅新代表、枝野新幹事長の下で、陳情一元化の方針が見直されるよう期待しているが、いずれにしても、私としては、昨年同様、地方の生の声をしっかりと政府に伝え、知事としての責任を果たしてまいりたい。



(総務部長答弁)  

 私学の支援についてであるが、私立高校生については、国の就学支援金が支給されても、なお相当額の保護者負担が残ることから、県独自の修学支援策として、新たな納付金減免補助金制度を創設したところである。  

 この結果、最終的な保護者負担額は、年収250万円未満の世帯は従来の半分以下に、年収250万円から350万円の世帯は約3分の2になるなど、低所得者層の負担は相当軽減できたものと考えている。



(知事答弁)

 保育所の設置基準等についてであるが、今国会で審議中の法案によると、保育所の設備等の基準については、各都道府県で定める条例に委任されることになるが、職員配置や居室面積など、児童の健全な発達に密接に関連する項目については、国の基準が示され、また、各都道府県においても、当然、慎重な検討がなされることから、必要な財源が国において保障される限り、国の責任を放棄することには当たらないと考えている。

 一括交付金における国の責任についてであるが、一括交付金化は、補助金の「ひも付き」という性質を排除し、地方の裁量を拡大するという点において、意義があると考えている。

 このため、生活保護や子ども手当等の現金給付、医療保険など、国が一律の基準の下に制度設計を行い、地方に裁量の余地がない補助金等を除き、対象とする範囲は最大限広くとることが望ましいと考えている。

 私としては、このような方向で一括交付金の制度設計が進むよう、全国知事会等を通じて、国に対し強く働きかけてまいりたい。

 日本原演習場への訓練移転についてであるが、訓練の受入れを求めるに当たっては、国が責任を持って、地方に対し丁寧に説明・協議し、理解を得るべきであり、その際には、先ずもって、関係する市町村や住民の意向が尊重されるべきであると考えている。

 今後、仮に国から米軍訓練の日本原演習場への移転要請があった場合には、このような考え方に立って、適切に対応してまいりたい。

 米軍の低空飛行訓練についてであるが、県としては、これまでも状況に応じて、県民の生活環境及び不安解消のため、国に対して低空飛行が行われないよう要請してきている。

 お話のように、最近では、報告される低空飛行情報はほとんどないが、今後とも、情報を十分踏まえながら、適切に対処してまいりたい。



(保健福祉部長答弁)

 岡山県歯科医師会の選挙活動についてであるが、現在では、県の指導等により、県歯科医師会と県歯科医師連盟は、明確に区別され、それぞれの設立目的に沿った活動を行っており、公益法人である県歯科医師会は、選挙活動に一切関わっていないと認識している。

 県としては、今後も、具体的な指摘等があれば、必要に応じて調査を行い、適切に指導してまいりたい。



武田議員再質問

 それでは再質問させていただきます。日本原の演習場ですけれども、議場の方ほとんど知らない方も多いと思うんですが、戦後すぐ連合軍が日本原に来まして7年間そこで駐屯していたわけですよね。朝鮮戦争のときには激しいまあ、とにかくマグナム弾による演習と練習なんかがありまして、今の奈義の人が奈義町の人がですね、米軍の例えば家庭訪問みたいなものまでいやがるという心気的なものはそこにあるわけですよ。ですから奈義町は去年12月議会でも議論になっている。町長さんはこれ以上のことはやめてくれ、というふうにはっきり言われているのですから、地元の意向ははっきりしてるんです。今の政権は沖縄外来で起こっても地元の意向は関係ないと言って、押し付けてくるような政権ですから、やはり腰をしっかり落ち着けてですね、知事としての態度を明確にしてほしいと思いますし、その奈義町のそういう戦後からの経過というものについて、知事よくご理解をして対処して欲しいということをお願いをして、またそれについての考え方を再質問させていただきたいと思います。  

 色々暮らしの問題、その他申し上げましたが、それぞれ要望といいますかお願いにさせていただきたいと思いますが、この県産材利用の問題はお手元にもありますけれどもこういうやはり比べてみたらやはりよその県に比べて、必ずしもやはり進んだものではないわけです。やはりもう既に津山市なんかは注文が予算オーバーしていると聞いているんですよね。県の状況はどうなんですか。私はやはりね、要求が強いし、先ほど言われた数字なんかもうそろそろじゃないかと思うわけですけれども、そのあたりの様子も含めてですね、お聞かせ願って、その拡大を求めたいと思いますが、重ねてお願いをしたいと思います。  

 それから特に歯科の問題なんですが、これ見てもらったらわかりますように、やはりいわゆる虫歯にかかる率はこういう状況になるわけです。先ほど部長おっしゃいましたけれども、経済的負担の軽減よりも色々歯の保健活動と言いますか・・・と言われましたが、むしろ経済的負担が問題なんですよ。子どもの、学校における子どもの治療率、医科と歯科の違いゆうのは部長ご存知ですか。それからまた医科の場合は必需品的な支出、歯科の場合は選択的支出と言っている、その経済負担の重さが違うんです。そこんとこの理解がないから答弁が定まらないと思うのですが、いかがでしょうか。  

 それから国保についてもですね、やはり県の制度として作って、もちろん市町村もやるわけですけれどもやはり県の制度で作ったものに対するペナルティーが来ているわけですから、そのペナルティーがおかしいと、県がちゃんと国に言うのは私は当たり前だと思うんで、そこの考え方が少し違うと思うので、どうなんですかねえ。

 それから苫田ダムですけれども、確かに生活用水いわゆると、それから工業用水の違いはあると思うんですが、しかしこの数字はもう厳格で、あの  が上に上がる可能性はないわけです。問題はそこなんですね。だから企業なんか節水しているから、もうとことん節水しているからどんどんどんどん減っているわけです。家庭のほうもこれからどんどん水が使うのが増えていくと。10年ほど前に県のほうは、子どもが増えて朝シャンするから、という理由だった。今その人たちも大人になって朝シャンせんようになるわけですよ。そんな増えるんだという見通しは、どう考えておられるのか。

 それから二期はない、今のところない、ということですが、と言うんですが、もう一回確認ですけれども、二期計画ってこれ恥ずかしいことだと思うのですよ。そこのところやっぱりはっきり、二期計画はない、というふうにそろそろ判断したほうが私は良いのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

 減免問題ですけれども、県の指導によって、広域法人もいろんな選挙活動、わたしのこの場で何回も質問させていただきました。それが見過ごされていることはよく承知をしています。医師会衛生会館行きましてもちゃんと別の会になっておりまして、それは厳格に分かれています。歯科医師会の場合、その辺が医師会ほど厳格になっているんでしょうか。職員とか事務所とか事務所費の支払いとか電話とか、そのあたりのところもう一回部長にお伺いをしておきたいと思います。以上で再質問を終わります。



知事再質問答弁

 再質問にお答えをします。日本原演習場に関しまして、お話をいただきましたようなことも含めた様々な経緯がありまして、現在に至ってきているということは私も充分承知をしているところでございまして、そういった点も踏まえつつ、先ほどもお答えを申し上げましたとおりの方針で対応をして行きたいというふうに考えているところであります。

 次に苫田ダムに関しまして今後の水の需要の予測についての再質問でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、生活用水につきましてはほぼ予測どおりの推移、しかしながら業務営業用水とか、工業用水、これにつきましては大きく下回っていると、こういう経緯でございますが、これらは、市町村の進行計画等がございまして、これに基いて予測をしてきたところであります。しかしながら都市基盤の整備とか、あるいは産業基盤の整備等によります水需要の伸びというもの、これが未だ実現していないということが大きな要因であると言うふうに考えておりますけれども、先ほどご答弁申し上げましたとおり、個々の市町村の施設の老朽化、あるいは水源の枯渇等々、まあこういった今後の企業団から見て、供給水量の増加する要因といったようなこともありますので、供給水量はそういったことに適切に対応するために確保しているということでございます。

 二期工事についてどう考えるか、ということでございますけれども、広域水道企業団、まあ構成団体の1つの中に県も入っているわけでございますけれども、広域水道企業団におかれましては、県の基本構想の水需要予測に基く整備計画、これを許しておりますけれども、しかしながらその実施にあたりましては、過大な投資とならないように構成首長の需要の伸びに応じまして、まあ段階的に整備を進めている、とこういうことでございます。構成団体と充分協議をして適切に対応してまいろうと、このように思っております。以上でございます。



保健福祉部長答弁

 お答えいたします。まず小学生の歯科外来の助成についてでございます。先ほどもお答えいたしましたとおり、う歯の受診率の向上につきましては大変重要な課題であると考えております。今回のご指摘を受けまして、こちらのほうで、公費負担制度と、う歯治療率の市町村別データにつきまして相関関係があるかどうか、そこら辺のところを検証いたしたところでありますが、統計上の相関関係は見られないのではないかと、そのような状況でございます。一方で母子歯科保健の取り組みですが、あるいは市町村における地域の取り組みなど、そういったことをしっかりやっている市町村においては、このう歯治療率が非常に高いというデータもございますので、県といたしましてはこういった保健活動をしっかりと推進する中で、このう歯治療率向上に努めてまいりたいと考えております。

 次に国庫会計への助成についてでございますが、まず何故国のほうでこのようなペナルティーを行うような制度を設けているか、ということでございますが、これは地方単独の医療費助成制度によって、医療保険制度で想定している以上の、診療を受けやすい状況が優遇されるということで、まあ一般的に医療費も増加する、ということから各自治体間の負担の公平の観点から、国庫負担の調整措置が設けられていると。そういうことでございます。先ほどもご答弁申しあげましたが、現在県におきましては、国にこの医療費助成制度を国の制度として実施して欲しい、ということを提案しているところでありまして、その実現によってこのペナルティーに伴う問題も解消されるものと、考えております。

 3点目の県歯科医師会の選挙活動についてでありますが、昨年の11月に県の職員が県歯科医師会を訪問いたしまして、事務局職員から聞き取り等の調査を実施しております。その中で、入会、退会手続きですね。歯科医師会の会員が自動的に歯科医師連盟の会員になる、というような状況が無いかどうか、そういったことも確認いたしましたし、また会計処理ですとか、事務所や電話、ファックス、パソコン等の備品類の所有関係、等々確認をいたしました。いずれも明確に区分されていた、ということでありまして、現状では問題にはなっていないのではないかと。そのように認識してきております。以上でございます。



農林部長答弁

 再質問にお答えいたします。今年度の利用状況等についてでございますが、本年度受付枠200戸に対しまして6月4日現在でありますが、県下全体で110戸の ということになっております。今年度におきましては200戸の受付枠のうち、150戸を先着順にいたしまして、50戸を抽選ということで先着順枠が満了後12月末まで受け付ける、ということでございます。本事業を通しまして年間木造住宅への県産材需要を奨励いたしまして、その波及効果を期待しているところでございます。以上でございます。



武田県議再々質問

 再々質問をさせていただきます。米軍の件は知事がおっしゃられておりましたように経過、歴史の経過とかを踏まえて対処をお願いいたしたいと思います。  

 このようなの所得保障、これは要望なんですけれども、とにかく実情に合っていないと。だから例えば中産間地でですね、減反を45%して、それでその10a外したら田んぼがなくなるんですよ。でしょう、実際に。これでこの・・・田んぼがなくなるんですよ。東京で政務三役が作られる、そんな急に作るからそうなるわけですよ。その実情をしっかり押さえて欲しい。そのことをはっきり言わないとですね、これ以外にいろんな意見が出ていると思いますので、これは要望ですけれども、やはり実情をしっかり掴んで農家から出てくる意見をしっかり国に届けて改善させて欲しいということは、ここでお願いをしておきたいと思います。  

 医療費の問題ですけれども、先ほど言いましたように、医科はいわゆる必需的な医療費、歯科は選択的な医療費、こういうふうに議論されてきているわけです。ですからその意味で、やはり所得の低い人はなかなか歯医者にはいかないという統計もあるわけですよ。だから私は部長がおっしゃるような、いわゆる保健とか色んなことも大事なわけですけれども、それよりもやはり経済的な側面もしっかり注目した対応をですね、歯科のほうはお願いしたいし、外来を無料にすることによって、やはり子どもの健康の問題、未然に防ぐこともできるわけですよ。そこのところやはりお願いしたいと思います。  

 国保ですけれども、この3月1日の衆議院の予算委員会で、私どもの穀田議員が、鳩山総理、それから長妻大臣の前でこのペナルティーの問題取り上げて議論してですね、ペナルティー問題についていわゆる改善というものをですね、ある程度示唆するような答弁をされております。是非その点もしっかり掴んでいただいて、そのあたりの改善をよろしくお願いをしておきたいと、これも要望にしておきます。  

 それから地域主権とか、一括交付金の問題ですけれども、やっぱりこれ議論をもっとしなくちゃならないと思うのですよね。ですからその交付金の問題なんかは、神保先生なんかも色々整理されて、議論されています。その議論の中でももっと色んな議論をしなくちゃならないことがあって、一括交付金が全部良い、とか、それから規制緩和が全部良い、みたいなことにはならない、ということなんです。そこの議論をしっかりして、特に例えば子どもの安全とか、子どもの発達保障について国が直接きちっと責任を持つんだ、ということをはっきりさせてこの制度というものを作っていかないとですね、私は駄目だと思うし、そういう議論をこれからもさせてもらえたらと思っているところで、これも意見に留めておきたいと思います。  

 質問は苫田ダムです。この苫田ダムについて、今から27年前、1983年に、副知事が倉敷の市議会に行って、苫田ダムの水が12万トン余るから買ってくれ、というふうに言っとんですよ。ところがそれ断ったんですね、倉敷市議会は。で断る理由は何かと言うと、うちは高梁川水系だから。当たり前ですよ。何で吉井川の上流の水を高梁川の暮らす上に行くのか。それからね、その時は12万トン余っていたわけです。今10万トンですからね。27年間で2万トンしか売れてないんですよ。残り10万トン売ろうと思ったら22年かかる、ということです、この計算で言うと。そんなものをね、そんなものを、我々は毎年6億円、みんなに  3億円毎年出す、これで本当に良いのかどうかという議論をみんなでしっかりしないと、私は駄目だというふうに思っています。その意味で私は、提案ですけれども調整水量がこれもっと協議をして、ちゃんと  に考えたら割り当てて、例えば出水とか注水道計画とか、むしろそういうふうに使ったほうが良いし、公共物そのものが市町村の需要が伸びても二期計画までは行きません。だからそこんところの切り替えをやらないと、と思うので、もう一度、どう言ったら良いか二期計画まで行くにしても、調整水量分はこれはやっぱり外すべきだと。いうことを改めて知事の見解をお伺いしておきたいと思いますがいかがでしょうか。  

 広域法人の問題についてはですね、先ほど申し上げましたように、例えば改善されておることは確かです。しかし例えば3年前には先ほど申し上げましたように、歯科医師連盟とか、それから医師連盟などが3年前の参議院の自民党の候補者の政治団体に行った分が、こっちは出ている、こっちは出ていないと。まあおかしな話です。そういう魑魅魍魎の世界に歯医者さんやお医者さんが関わらないようにするべきだというのが私の意見で、そのことに改善を求めてきたわけです。今民主党の方がですね、歯科医師連盟に対して診療報酬を上げちゃるから、選挙やれ、とこうやっとる訳ですから。そういうことにやはり歯科医師会屈しないように、きちっとほしいとこれもお願いをしておきたいと思います。以上です。



知事再々答弁

 再々質問にお答えいたします。苫田ダムの広域水道企業団の事業でございますが、第一期の計画は21年度末現在、約65%であると。これは計画給水量ベースでございますけれども、このように聞いております。これは27年度までの目標とした計画でありまして、第二期の計画、これにつきましては今後の状況を踏まえて、構成首長の、首長で構成されます企業団の議会等での議論を経て、判断をされるものでございます。調整水量につきましては、先ほどもご答弁申しあげましたとおり、将来の安定的な水道用水の供給のために、県全体の貴重な水源として必要なものであると、このように考えておりまして、現時点で国に対しまして買い上げ等を求めることは考えておりません。国から、仮にでございますが、国から治水利用の要請、こういったことがあった場合におきましては、適切に対応してまいろうと、このように思います。以上でございます。




森脇ひさき県議の討論




私は、日本共産党県議団を代表して、議案1件、請願2件、陳情19件について、委員長報告の通り決することに反対し、主なものについてその理由を述べます。  

まず議第61号「岡山県国民健康保険広域化等支援基金条例の一部を改正する条例」についてです。

国保の広域化をすすめる国の法改定によって、都道府県が「広域化等支援方針」を策定できるようになりました。これは、保険料の収納率目標を設定した場合、普通調整交付金減額措置、いわゆるペナルティーの免除という「アメ」をぶらさげ、「医療費適正化」を競わせるとともに、国保の広域化に導くのがねらいです。

医療制度というのは、憲法25条にもとづき、国民の生命と健康を守ることを最優先に制度設計されなければなりません。日本共産党は、国が制度に責任をもち、この間減らし続けた国庫負担を元に戻し、保険料は所得に応じた負担にするとともに、必要な医療はだれもが平等に受けられる制度にすること、子どもや高齢者の窓口負担は無料にすることを提案しております。

一方、かつての自公政権は「構造改革」の名で国庫負担を削減し、国民への負担増を推し進めました。昨年の総選挙で国民はこういう政治に審判を下したわけです。ところが、民主党政権がすすめようとしている医療制度の見直しも、たとえば国民の切実な願いであった後期高齢者医療制度の廃止を先送りしたり、この国保広域化にみられるように、破綻した「構造改革」路線を引き継ぐものとなっています。これでは、県民のみなさんが求める命と健康を守る医療制度はますます遠のいてしまうと言わなければなりません。以上の理由から、県民の願いに反し、「構造改革」の強化につながる議第61号に反対するものです。



次に、陳情第140号「心身障害者医療費公費助成制度の改善を求めることについて」です。

障害のある人にとって医療は日常的に必要なものです。たとえば、毎日、何らかの薬を服用しなければならない方もいます。定期的に検診を受けなければならない方、定期的に入院しなければならない方もいます。これらはその方々個人の責任ではなく、障害があるゆえのことです。かつて無料だった心身障害者医療費公費負担制度に、県が自己負担を導入したことによって、薬の服用を減らしたり、検診や入院を減らす方も出ています。障害のある人々の苦しみをこれ以上続けさせてよいのでしょうか。県議会のみなさんは、県民生活の向上、県民福祉の向上を心情として日々活動されているはずです。その立場にたてば、本陳情を採択し、1日でも早く安心して医療を受けることができるよう制度の見直しを提起するのが、今この分野で求められていることはないでしょうか。

以前も紹介しましたが、2006年12月に国連で採択された「障害者権利条約」では、障害者への差別禁止とともに、障害のあることで生じる不平等・不利益を解消すること、つまり「合理的配慮」を社会に求め、それを怠ることも「差別にあたる」としました。また、県の心身障害者医療費公費負担制度に自己負担を導入する根拠とした「障害者自立支援法」については、国・厚生労働省がその誤りを認め、新しい障害者福祉制度創設へ向けた合意文書が交わされました。こういう情勢をふまえれば、県として抜本的な見直しは当然であり、そのことを求める本陳情は、この議会でただちに採択すべきであります。

同様の理由で、陳情第158号「重度心身障害者医療費助成低所得T、Uの自己負担軽減措置の平成23年7月からの継続を求めることについて」も採択を求めます。



次に、請願第28号「30人以下学級実現、教員賃金改善、義務教育費国庫負担制度拡充に係る意見書の採択要請について」です。

文部科学省は今年2月から4月にかけて、全国都道府県教育委員長協議会など教育関係24団体から「今後の学級編成及び教職員定数の改善に関する教育関係団体ヒアリング」を実施しました。先般、文科省が公表した意見概要には、小中学校の学級編成に対する意見では、「通常学級の標準を30人または35人に見直すべきとの意見が大勢を占めた」と記されています。また、各地ですでに実施されている少人数学級の効果として「生徒1人1人に目が行き届き、個に応じたきめ細かな学習指導が行え、学力向上に効果がある」 「発言・発表など、子ども1人1人の活躍の場が増加している」 「不登校や問題行動の早期対応につながっている」 「子どもたちが落ち着いて学校生活が送れる」などをあげています。今日、様々な問題として指摘されている教育課題を解決するために、少人数学級は大変力になることを示していると言えます。

同じ調査で義務教育国庫負担制度についても問うています。これには、「全国水準の確保」「国の責務」という観点から国に「必要な財源を確保すること」を求める意見が記載されています。

このように、本請願の趣旨は文科省のヒアリングで示された意見とも共通するものもあり、それが本請願の採択を求める理由の1つです。

2つ目ですが、どの子にも、十分な教育を受けて成長発達する権利があります。日本共産党は、そうした教育を保障するためには、全国学力テストにみられるような過度の「競争」や非人間的な「管理」教育を中止すること、 OECD加盟国で最低水準の教育予算を引き上げ、幼児教育や義務教育の保護者負担を軽減すること、 高校については私学を含めた授業料の無償化、各種保護者負担を軽減すること、 さらに、全国的に保障すべき教育条件は国の予算で支え、教職員の増員・正規化、国の制度による「30人以下学級」を実施することなど、これまでも求めてきました。このような立場から、本請願の採択を求めます。

また同様な理由で、請願第22号「県独自の少人数学級の拡大を求めることについて」、請願第23号「教育費の父母負担の軽減を求めることについて」、および陳情第22号「教育予算の拡充を求める意見書の採択を求めることについて」も採択するよう求めます。



最後に陳情第159号「日本原演習場における日米合同訓練中止を実現させることについて」です。

今年は、戦後65年、安保改定50年の節目の年にあたりますが、日本には、戦争直後の全面占領の時期につくられた米軍基地が、いまだに全国に置かれています。

日米両政府は、日米安保条約を従来の枠組みさえこえた「地球規模の日米同盟」へと変質させ、「米軍再編」の名で米軍基地の強化、米軍と自衛隊の一体化を推進してきました。陸上自衛隊日本原演習場の日米地位協定第2条4項(B)指定は、この動きの中でおこなわれたものでした。私は、憲法9条をもつ国・日本の国民の1人として、米軍の戦争にまきこまれるようなことを許してはならないし、それに協力するようなことは絶対にあってはならないと考えています。これが本陳情の採択を求める1つの理由です。

2つ目。そもそも「米軍再編」の日米合意をしたのは自公政権でしたが、いま菅首相は、沖縄県名護市の辺野古に巨大な米軍新基地を建設する日米合意を「何としても実現しなければならない」と宣言しました。しかも、日米合意では、鹿児島県・徳之島や本土に米軍訓練の「分散移転」をするとしています。これは、沖縄に新基地を建設したうえに、米軍訓練の被害と危険を全国にまき散らすというもので、自公政権時代よりも悪い方針になったと言わなければなりません。これでは、沖縄県民はもちろん、国民との矛盾をいっそう大きくするでしょう。

この10年余の経過や歴史的事実からみて、米軍普天間基地は無条件撤去以外にない、日本共産党はこの立場でアメリカ政府と交渉することを強く求めています。憲法9条に反する米軍基地の強化、米軍と自衛隊の一体化に反対する立場から、本陳情の採択を求めるものです。

以上で私の討論を終わります。