2004年9月定例県議会
森脇ひさき県議の一般質問と答弁(要旨)
赤坂てる子県議の一般質問と答弁(要旨)
武田英夫県議の討論
議案に対する態度
請願・陳情に対する態度
議会報告
武田県議の一般質問と答弁
日本共産党の森脇ひさきでございます。台風16号、18号は県内に大きな被害をもたらしました。不幸にして亡くなられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、被害にあわれたみなさまに心からのお見舞いを申し上げます。また、ボランティアで復旧のためにご活躍いただいた方々に敬意を表します。日本共産党は、被災後ただちに現地に入り、復旧支援、今後の対策など県に対して2度の申し入れをおこないました。この件につきましては、あさって赤坂議員が質問しますが、被災された方々の立場に立った支援をお願い致します。
それでは、通告にしたがいまして質問をおこないます。
国会では、消費税の増税、憲法9条、教育基本法の改悪など、国の基本と国民生活を大きくゆるがす大改悪が具体的な日程にのぼってきました。弱い立場の人々ほど負担の重い消費税が福祉や年金の財源になると、福祉や年金のために、弱い立場の人々ほど苦しまなければならなくなります。世界大戦の痛苦の反省に立った世界平和宣言とも言える憲法九条をふみにじり、教育基本法を軽視している今の政治こそ改めるべきです。日本共産党は、「いのち・くらし・平和」を守る政治を実現するため、「政治をよくしたい」「平和を守りたい」などと願う多くの県民のみなさんと力をあわせてがんばる決意であります。
1.「三位一体の改革」にともなう国庫補助負担金削減について
質問の第1は、「三位一体の改革」にともなう国庫補助負担金削減の問題です。全国知事会は2006年度までに約3兆2000億円の国庫補助負担金削減案を決定し、これを地方6団体として政府に提案しました。このなかで教職員給与の半分を国が負担する義務教育費国庫負担金について、来年度から中学校分を削減し、2009年度までに全廃する方向を打ち出したことは重大な問題だと言わなければなりません。
全国都道府県教育長協議会、全国都道府県教育委員長協議会、全日本中学校長会、全国連合小学校長会など、教育関係諸団体はこぞって、義務教育費国庫負担制度の根幹堅持を要望していました。義務教育費国庫負担金は、憲法と教育基本法で定める国民の教育権を財政的に保障する大切な制度だからです。地方6団体が義務教育費国庫負担金の削減を提案したこと、今後の財源確保の問題などもふまえて、教育長のご見解をお聞かせください。
文部科学省は、義務教育費国庫負担金を全額税源移譲した場合、40道府県で減収になると試算しています。この試算で岡山県はどれだけ減収になりますか。このことが、県財政を圧迫し、財政はいっそう硬直化する恐れがあると考えますがいかがでしょうか、知事にお伺いします。
2.第3次行財政改革について
次に、第3次行財政改革に関して質問します。
(1)県立内尾センターの「廃止検討」問題
まず県立内尾センターについてです。「廃止の検討」という方向が発表されてもうすぐ1年。家族会や利用者の会の方々にとっては、本当につらい1年だったろうと思います。実際に体調を崩され、寝込んでしまった方もいるときいています。
すでに「内尾センターの廃止に関する検討委員会」が発足し議論が始まっています。8月2日に開催された第2回検討委員会では、家族会および利用者の会の代表の方々からの意見聴取がおこなわれました。出された意見について、知事はどのように受けとめられているでしょうか。まずおうかがいします。
家族会や利用者の会の方々の不安を大きくしている原因のひとつは、将来の展望が見えないことです。国では、精神障害者の社会的入院の解消のため、精神科病院のベッド数を減らそうという方向が検討されています。「入院医療中心から地域生活中心へ」という考え方は、その通りだと思います。それを実現するためには、ベッド数を減らし、施設を減らせばよいというものではありません。地域生活を実現するための支援体制をどう構築するかが最も大事な課題でしょう。内尾センターや地域の保健所は、地域のネットワークをつくり障害者の地域生活を支援する、そういう役割を担ってきたわけです。さらには、予防という点でも大切な役割を担ってきました。役割は終わったわけではありません。ますます重要になっているんです。私は、岡山県が全国にさきがけて築き上げてきた保健福祉の水準、そしてその中核を担ってきた精神保健福祉センター、県立岡山病院、内尾センター、さらに地域の保健所、これらを生かしながら、より充実・発展させていくことこそ必要だと思います。知事は、内尾センターをそういう位置づけで考えることはできませんか、おうかがいします。
(2)地方振興局の再編問題
次に地方振興局再編について、知事におたずねします。
現在の振興局の健康福祉部は、県民の命と健康にかかわる大事な仕事を担当されています。児童・母子福祉、高齢者・障害者への福祉、低所得者への福祉、いずれも保健と福祉が一体になって困難なケースに立ち向かい、経験を蓄積するなかで各種施策を前進させてきました。これまでの努力をより発展させ、住民により身近なところで、県民が安心してくらせる地域づくりを支援するためには、「事務所」にも、少なくともこれまでの体制を保障する必要があると、私は思います。福祉業務が県民局に集約されることによって、これまで築いてこられた保健と福祉の関係、そして地域とのネットワークを壊してしまうと考えられませんか。いかがでしょうか。
いま述べた福祉業務に加えて、総務振興部がおこなっている男女共同参画、青少年育成、コミュニィティー、NPO・ボランティアなど、これらの業務も県民局へ集約されることになっています。私は地域住民とのかかわりが強い業務は、住民に身近なところで行うほうが、より効果が上がると思いますが、いかがでしょうか。
他の業務についても、県民の方が事務所を訪ねたとき、その場で用件が完結することを当然望むわけです。市町村に移管される業務は別にして、これまで振興局で対応していた業務については、「事務所」となった後も、そこで用件を済ますことができる職員の配置、事務所の体制は維持するべきだと思いますが、いかがしょうか。
もう一つは県民局の数に関してです。この間の代表質問で「4局の場合、行政効率のバランスをとることが困難」という主旨の知事の答弁がありました。「せめて4局に」、特に「範囲が広い備中局はなんとかしてほしい」という県民のみなさんの声は強いです。私は、県の事情を優先させるのでなく、県民の声に応える姿勢こそ大切だと思いますが、いかがでしょうか。
3.高齢者と障害者福祉について
次に高齢者と障害者福祉について質問します。
(1)介護保険制度
まず、介護保険制度です。県は、介護保険利用者と事業者の実態調査をおこない、その結果をふまえて改善すべき点を国に提言されました。担当部局の積極的なご努力には感謝しています。先日、「提言」について、くわしい説明をいただきましたが、おおむね理解できるものでした。保険料・利用料の問題を中心にいくつか質問いたします。
県が実施したアンケートで、サービスの利用料について、32.6%の居宅サービス利用者が「高い」と回答し、「介護保険制度に最も望むこと」という問いには、居宅サービス利用者の46.0%が「利用者負担や保険料の金額が重くならないこと」と回答しています。保険料の滞納者も増えています。保険料・利用料問題の解決は、待ったなしの課題だと言えます。私は、国に対して、@保険料や利用料の減額・免除の制度を確立するよう、A利用料負担を応能負担に重点をおく仕組みにするよう、求めるべきだと思います。また、保険料や利用料の減額・免除の制度を県としても確立するよう検討するべきだと思います。いかがでしょうか。知事におうかがいします。
県の提言では、「在宅と施設の不公平感をなくす」として、施設入所に居住コストの徴収等を求めています。「不公平感をなくす」というのであれば、3割を超える利用者が「高い」と回答している居宅サービスの利用料を下げることこそ提案するべきではなかったかと思いますが、いかがでしょうか。知事におうかがいします。
現在、在宅で特別養護老人ホームを申し込み、待機している方は何人になっているでしょうか。また、待機者解消のため、県としてどのような施策を考えているのでしょうか。保健福祉部長におうかがいします。
(2)精神保健福祉審議会委員に当事者を
二つめに、精神保健福祉審議会委員の選任に関して質問します。
先の国会で改正された障害者基本法では、新たな国の審議会として、中央障害者施策推進協議会を設置し、障害者の代表を加えることが明記されました。私は5月の生活環境保健福祉委員会で、岡山県精神保健福祉審議会に当事者や家族会の代表が入っていないことをとりあげましたが、障害者基本法の改正をふまえて、精神保健福祉審議会に当事者あるいは家族会の代表をただちに任命するべきだと思いますが、いかがでしょうか。任命権者である知事に質問します。
また、改正障害者基本法には、障害を理由として差別その他の権利・利益を侵害する行為をしてはならないことが規定されました。このことは、障害者の「全面参加と平等」を真に実現し、障害者の生活と権利をまもるうえで、大きな励みになるものです。このような点をふまえ、県の障害者施策の前進をどうはかるか、これについては時間の都合で次の機会に質問したいと思います。
(3)JR各駅の障害者への安全対策
この項最後に、JR各駅の障害者への安全対策についておたずねします。今年6月にJR岡山駅で盲学校生がホームから転落、8月12日には津山駅で駅員が介助していた車イスの障害者が転落する事故がありました。私は、JR西日本岡山支社に対して、駅の構造、介助の方法などあらゆる角度から、徹底した安全対策をおこなうよう、県としての働きかけを強く求めるものです。JR西日本岡山支社が、事故後何らかの改善をおこなっているでしょうか。またJRが障害者・高齢者の介助のためのマニュアルを作成し、公表するよう、これは生活環境保健福祉委員会でとりあげましたが、JRの対応はいかがでしょうか。生活環境部長におうかがいします。
来年度の全国障害者スポーツ大会で、JR岡山駅・倉敷駅・総社駅での選手等の移動はどのようにおこなう予定でしょうか。国体・障害者スポーツ大会局長におうかがいします。
4.看護師学校養成所2年課程(通信制)について
次に、看護師学校養成所2年課程(通信制)について質問します。
看護職員の質の向上をはかる方策のひとつとして、准看護師が看護師の資格を得るための教育の拡大をはかることを目的に、通信制の2年課程看護師学校養成所の創設が認められるようになりました。今年度は山口県、福岡県、大分県にそれぞれ1校が開校しました。准看護師が働きながら看護師資格を取得できるということで期待されており、受験者数は定員の3倍〜6倍、どの学校も「狭き門」となっています。
私はぜひ岡山県にもこの2年課程(通信制)を開校していただきたく思っています。その理由は次のとおりです。
私は先日、2年課程(通信制)を今年度開校された3県の担当課と学校を訪問しました。共通して語っておられたのは、通信制ということで「学生の顔が見えない」、そのことにともなう苦労でした。県外から入学した場合、学校が遠いうえに、学生はみんな看護の現場できびしい仕事をしながら受講することになります。学校側からみても、学生の側からみても、できるだけ近くに入学できる学校が必要だと痛感しました。
岡山県に学校ができれば、学生の大半は岡山県内の医療機関で働く人になると思います。同じ医療機関から複数の学生が受講する機会も増えます。そのことは、きびしい仕事をしながら受講している学生同士が、職場でもお互いに励ましあいながら受講できる機会にもなります。
もう一つは、岡山にもたくさんの希望があるということです。そのことは昨年10月、岡山県看護協会・看護制度委員会が、また11月に県が、それぞれおこなったアンケートをみても明らかです。できるだけ多くの人に、受講できる機会をつくるということが、いま県に求められているのではないでしょうか。
先日、神戸のある短期大学が2年課程(通信制)を開設し、定数80のスクーリング会場を岡山につくる計画があるというお話をおうかがいしました。これ自体は歓迎すべきことです。しかし、進学コースの募集を停止する学校が増えていること、医療技術の発展は日進月歩で、医療現場では日々高度な知識・技能が要求されていること、高齢化社会の進行にともない訪問看護のニーズが増え、現場で独自に判断しなければならない場面もふえていることなどを考えれば、県民に安心・安全な医療が提供できる質の高い看護師養成という点でもスピードが求められます。県内の准看護師数は平成14年末現在で6935人です。定数80でよしとするわけにはいかないと思います。
さて、知事は看護師学校養成所2年課程(通信制)の必要性についてどのような認識をおもちでしょうか、まずうかがいます。昨年おこなわれた国の説明会に県内5つの看護学校が参加されたようです。担当課も努力されたようですが、いろいろな事情のもと、開設には至っていません。ここは知事が、医師会や看護協会などとも連携しながら、さらに県としてできる支援策もあきらかにしながら、本腰を入れた開設要請をおこなうべきではないでしょうか。あるいは、県立大学での開設も含めて考えるべきではないでしょうか。おたずねします。
この項、もうひとつは岡山県から他県の2年課程(通信制)に通う学生への支援についてです。今年度開校された3校にすでに25人が入学しています。そこで保健福祉部長におたずねします。一つは、県外の学校で受講する方々の経済的負担を少しでも軽くするため、奨学金制度の充実・優遇措置ができないでしょうか。二つめは、2年次に必要になる臨地実習で、学校を通じて要請があった場合、県内で医療機関を確保できるようご支援をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
5.足守川のパイプライン化事業について
次に、足守川のパイプライン化事業について質問します。今年4月に、パイプラインの入口にあたる総社市赤浜地域の住民が、そして7月には岡山市新庄上・新庄下の住民が、あいついでパイプライン化事業に反対する署名を中国四国農政局に提出しました。これによってパイプライン化予定地域の約85%の地域が反対の意思を表明したことになります。共通して問題にしているのは、パイプライン化によってかえって水が不足する恐れがあるという点でした。知事はこのような地域の声をどのように受けとめていますか。まず、おたずねします。
農政局がおこなった取水量調査の結果が7月30日に公表されました。それを見ますと、計画値が実測値を下回り、水不足が心配される地域は、かんがい期で7地区中3地区、非かんがい期は7地区中5地区になっています。まさにこの結果は、農家のみなさんの訴えの正しさが証明されたことを示しているのではないかと、私は考えています。ところが農政局は、現在の取水量が多すぎると指摘し、パイプライン化による計画値を正当化しているのです。農家の方々は必要だからこれまで取水してきたわけです。国や県がこれまで慣習だった取水量を制限することができるのでしょうか、農林水産部長におたずねします。
パイプライン化によって、必要な時に必要な水を確保することができるどころか、水不足がおこることがはっきりした今、県として、国に対して事業の中止を求めるべきではないでしょうか。また、興除の水不足は別の方法で解決するべきではないでしょうか。知事におたずねします。
6.夜の商店街での駐車違反について
最後の質問は、8月29日の山陽新聞で報道されましたが、進入禁止になっている商店街の道路に夜間、車が進入し路上駐車している問題です。記事は倉敷市のえびす通り商店街でしたが、報道される2日前、岡山市の表町商店街でも夜間の路上駐車に困っていると、住民の方から訴えが寄せられました。駐車禁止区域になっていないため、車を駐車しても違反にならないわけです。この方は10年くらい前から駐車禁止の標識を設置するよう岡山東警察署、県警察本部交通規制課に申し入れをしていたそうですが、実現に至っていません。「進入禁止の地域だから、もともと車の進入を想定していない」というのが警察側の言い分のようですが、実際には進入する車輌があり、駐車しており、住民に迷惑をかけているわけです。駐車禁止の指定をおこない、取り締まるべきだと思いますがいかがでしょうか、警察本部長におたずねし、質問を終わります。
答弁
教育長
地方6団体の削減提案等についてであるが、義務教育費国庫負担制度は、教育の機会均等と教育水準の維持向上にこれまで大きな役割を果たしてきたことや、一般財源化した場合には、過去の経緯から都道府県間の格差が生じるのではないかという不安が教育関係者にあることも承知している。一方、より地域に密着した教育を行うためには、地方分権の流れは歓迎すべきものである。義務教育は、制度的には一定の水準に達しており、これからは、この水準を保ち、さらに高める役割を地方公共団体自らが担うという気概を持つことが求められていると考えている。財源の確保については、地方6団体によってまとめられた改革案は、国庫補助負担金改革と、これに伴う税源移譲、地方交付税措置とを一体的に同時に実施することを前提にしており、これによって担保されていると理解している。
知事
減収見込み等についてであるが、文部科学省のある試算によれば、税源移譲のみを取り上げた上で、本県においては、義務教育費国庫負担金の廃止によって65億円程度の減収になるともされているが、地方交付税による措置を無視し、国庫補助負担金の廃止額と税源移譲額だけを比較することは適当ではないと考える。
これまでの義務教育費国庫負担金の一般財源化に係るものは全額地方交付税等により措置されていること、また今回の地方6団体による国庫補助負担金の改革案においては、税源移譲だけでなく、その廃止・縮減に応じ、地方交付税等による所要の財政措置がなされることを前提としていることから、国庫負担金の廃止によって県財政を圧迫するようなことにはならないと考えている。
県立内尾センターについてであるが、精神障害者に対するモデル的社会復帰施設として設置され、精神保健福祉の向上に貢献してきたところである。しかし、その後の精神科デイケアや診療所等民間サービスの充実に伴い、内尾センターの利用状況は、減少傾向にあり、岡山県精神保健福祉審議会において「県立施設としての役割が希薄になっており、マンパワーを効果的に活用し、協働する体制が必要である」と意見具申されたことから、同センタ―の廃止を検討することとしたものである。現在、「内尾センターの廃止に関する検討委員会」において検討しているところであるが、利用者や家族会の代表の方からは、存続を求める声や「センターがなくなるのは不安だ」という発言があったことは承知している。私としては、利用者やご家族の不安の解消が第一義であると考えており、検討委員会に対し利用者やご家族の意見を十分聞くよう指示しているところであり、引き続き誠意を持って対応してまいりたい。
福祉業務の集約にづいてであるが、市町村合併の進展などにより、地域に密着した福祉業務は市町村が実施主体となり、県は市町村支援や事業者指導等、専門的かつ広域的な機能が求められるこ ととなる。このことから、県の福祉業務を県民局に集約しよう とするものであるが、保健と福祉の連携や地域とのネットワークは重要であると認識しており、引き続き市町村や関係団体と連携を図りながら、適切に対応してまいりたい。
地域住民と関わりの深い業務についてであるが、男女共同参画、青少年育成、コミュニティなどの業務については、市町村との役割分担も踏まえた上で、専門性を備えた県民局に集約し、迅速・的確な対応を図ることとしている。なお、これらの業務に関しては、地域における各種団体によって活動していただいているところであり、協働参画型社会の中で、今後ますます重要性を増してくると考えられるため、県民局において設置する協働委員会への参画も含め、これら各種団体が地域において活発に活動できるよう、各種団体のご意見も踏まえた上で、今後の支援のあり方について検討してまいりたい。
事務所での用件の完結についてであるが、振興局の再編が完了する平成21年4月には、県民の生命・財産を守るための災害・危機管理への対応や一般県民め方が振興局を訪れる主要な窓口対応業務については、引き続き現地における事務所でも実施するなど、県民サービスへの影響に十分配慮することとしており、事務所となった後も、そこで用件を済ますことができるよう適切に対応してまいりたい。
県民局の数についてであるが、歴史的・地理的背景、市町村合併への対応等を総合的に勘案するとともに、現下の厳しい財政状況を踏まえ、行政改革としての効果が最大限発揮しうるものとして3盾とした。その中で、再編完了後においても、県民の生命・財産を守るための災害・危機管理への対応や主要な窓口機能などについては、引き続き現在の地域に残すこととしており、県民局となる3局以外の6局の地域について、県の機関をすべて廃止することとしているものではないので、ご理解を賜りたい。なお、公聴会等での県民の様々なご意見の中には、市町村合併の進展や道路交通網の整備などから3局への再編を支持するとのご意見もいただいているところである。
保険料・利用料の減免制度等についてであるが、介護保険の保険料・利用料は、国において幅広い意見を集約したうえで、いずれも所得に応じて無理のない負担となるよう、保険料は所得段階別に設定されており、利用料は所得段階別に限度額が定められている。こうした中で、県独自に保険料・利用料の減免を行うことは社会保険方式で成り立つ制度の趣旨を損なうこととなることから適当でないと考えている。なお、保険料・利用料の負担の在り方等については、現在国において制度改正に向けて検討されているところであり、その動向を見守って参りたい。
居宅サービスの利用料についてであるが、介護保険制度は、介護を社会全体で支えるという趣旨から、負担の公平・公正の原則を重視し、県民の制度に対する信頼を高めることが重要であると考えている。このため、介護保険からの給付は、介護に要する費用に重点化すべきとの観点から、居住コストについてそのあり方を見直すことにより、施設と在宅の不公平感をなくすよう提言を行ったところである。
保健福祉部長
特別養護老人ホームの待機者についてであるが、昨年11月の時点で、県内施設への在宅からの入所申込者は約3200人となっている。なお、実態調査の結果によると、入所申込者の約43%は、自宅で生活するために必要なサービスが提供されれば、可能な限り自宅での生活を続けたいと希望していることが明らかとなったところである。このため、県では、要介護状態になっても、自宅での生活を可能とする体制の整備に努める一方、地域の実情等を勘案しながら計画的な施設整備を進めるとともに、施設入所に当たっては、緊急性などの実情を踏まえた入所順位となるよう指導しているところである。
知事
精神保健福祉審議会委員についてであるが、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」において委員は、精神保健又は精神障害者の福祉に閲し学識経験のある者、精神障害者の医療に関する事業に従事する者、精神障害者の社会復帰の促進又はその自立と社会経済活動への参加の促進を図るための事業に従事する着から任命することと規定されているところであり、ご理解賜りたい。
生活環境部長
JR西日本岡山支社の対応についてであるが、同支社では、事改後、車椅子から離れる場合のブレーキ操作など障害者等に対する安全対策の再徹底を図ったと問いている。介助のマニュアルについては、障害者団体の意見も取り入れて作成したものを備えているが、社内規定のため、公表はしないとのことであった。県としては、鉄道は多くの人が利用する公共性の高い機関であることから、JR西日本に対し、職員の教育訓練の充実をはじめとした、安全対策の徹底を引き続き働きかけてまいりたい。
国体・障害者スポーツ大会局長
全国障害者スポーツ大会での対応にっいてであるが、駅における選手及び介助の必要な観客の移動については、介助研修を受けたサポーターやボランティアを配置し、駅員と連携しながら誘導することとしている。
知事
必要性についてであるが、お話の制度は現に業務に従事している准看護師が、業務を継続しながら看護師国家試験の受験資格を得ることができる教育制度であり、看護職員の資質の向上を図る方策の一つとして必要なものと認識している。
開設要請等についてであるが、養成所に対し、制度の内容・重要性を周知するとともに、意向調査を実施したととろであるが、開設の予定はないとの回答であった。今後とも医師会、看護協会等閑係団体と連携しながら、通信制2年課程の開設について働きかけてまいりたい。なお、県立大学での開設についてであるが、本年2月に提出された「県立大学あり方懇談会」報告書の中で、改革するための具体的方策が提言されており、当面はその実現を図ることが喫緊の課題であり、現時点での検討は困難である。
保健福祉部長
奨学金制度の充実等についてであるが、県外に開設されている看護師養成所通信制2年課程に在学する者も、他の養成課程の者と同様に、岡山県看護学生奨学資金貸与制度の対象となっており、通信制2年課程のみに優遇措置を設けることは困難である。
臨地実習の支援についてであるが、県外の学校や養成所から県内の医療機関を実習施設とするよう要請があれば、受け入れる医療機関や実習者の意向に配慮しながら、臨地実習が確保されるよう調整してまいりたい。
知事
足守川パイプライン化事業についてであるが、予定地域の方々が、パイプライン化によって水不足の恐れがあるとして反対されていることは承知している。各地域の計画水量は、農林水産省の基準に基づき、国において受益面積や消費水量などを調査して適正に算出され、真に必要な用水量が適切に確保されるものと考えており、水不足の不安解消に向けて、地域の方々の理解が得られるよう、きめ細かな説明を行うなど、より一層の努力をする必要があると考えている。
農林水産部長
取水量の制限についてであるが、計画では、受益面積や消費水量などから算出された各地域の計画水量が確保されることとなっており、取水を制限することとはなっていない。パイプライン化により、上流優先の取水慣行が改められ、地域全体に安定的かつ公平に必要な農業用水が供給されることが重要であり、国や関係市町村とともに、ご理解を頂くよう努めてまいりたい。
知事
事業中止要請等についてであるが、興除地域の水不足の解決方法については、当該地域が高梁川合同堰に水利権を有していることから、高梁川の用水を安定的に送水する現計画が適当な方法と考えている。本事業は、当該地域を含む地域全体に安定的かつ公平に農業用水を供給する事業であり、地域農業の振興のために必要な事業と考えており、国としては、引き続き地元の理解を得て、工事を実施することとしていると聞いている。
警察本部長
森脇議員のご質問にお答えします。車両進入禁止になっている商店街における夜間路上駐車問題でありますが、これまでにも、適時、通行禁止違反として、また、法定駐車違反として、指導取締りを行ってきたところであります。しかしながら、特に岡山市の表町商店街においては、迷惑駐車が見られ、一向になくならないのが実態でありまして、この6月から所轄の岡山東警察署と商店街が駐車規制について協議を重ねてまいりました。その結果、商店街の総意として、6月24日に指定駐車禁止の規制要望がなされたところであります。このことから、表町商店街につきましては、従来の通行禁止規制に加え、現在、駐車禁止場所として指定すべく準備を進めているところでございます。なお、倉敷市の「えびす通り」商店街につきましても、同様に準備を進めており、両商店街ともに、9月中に駐車禁止規制の意思決定手続きを完了し、遅くとも、年内には、標識設置等の工事を完了し規制及び指導取締りを開始する予定でございます。以上でございます。
赤坂てる子です。通告にしたがい質問いたします。
1.台風による高潮被害について
第一は、台風による高潮被害についてです。知事にお伺いします。
台風16号の被害から一週間、その傷跡が癒えていないにもかかわらず、またまた同じコースで台風18号がおそい、連続被害の傷は深刻です。なくなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災者のみなさまに心からお見舞いを申しあげます。ボランティアの方たちや、不眠不休で支援に携わってきた職員のご奮闘にこころから敬意を表します。わが党は、市町村議、党支部あげて被災者支援に取り組んでいます。
地方自治の本旨は、「住民の福祉の向上と安全を守る」ことです。住民が苦難に際しているとき行政のあり方が問われるといえます。「30日の夜10時ごろ玄関に水がきたと思ったら、30分もしないうちに胸まで水が来て、逃げるのがやっと。たどり着いた避難所がまた水につかり、ボートで次の避難所につきました。家財道具もだめです。娘の花嫁支度までつかってしまいました。何もかもなくなりました。」児島のある被災者の声です。被災者は、いまだに家屋の復旧で追われています。被害にあった県民の生活や営業の再建にどのように行政が援助するのかが大きな課題です。
まず、7日知事が目玉として提案された「生活再建支援給付金補助事業」は「床上浸水」に限定し「上限10万円」を補助するものです。しかし、被災者は「県はここに来て、見てほしい。10万円ではとても間に合わない」といわれています。被災実態と比べてあまりにもお粗末な内容です。見直しを求めます。
前日6日の夜、わが家に台風被害への支援策の内容が「未定稿」という形で送られてきました。「10万円の給付は高潮によって住宅が浸水した世帯」と書いてありました。翌日の発表では「床上」に限定すると変わっています。訂正をしたのは知事と聞きました。高潮被災者の生活を見れば、決して「床上のみ」と言えるはずのないことです。福井県は7月の集中豪雨で、床上・床下とも支給対象として所得制限なしに緊急被災者支援金を支給しています。
床下も対象とし、所得制限をなくし、支援の増額をおこなうこと。台風16号と18号の連続来襲が被害を深刻にしており、「16号、18号連続被災への支援制度」にすること。以上見直しを強くもとめますが、いかがでしょうか。
つぎに、中小業者は深刻な痛手を負っています。商工業者への無利子の緊急小口融資制度が必要と考えますがいかがでしょうか。
また、のり養殖業者やカキ養殖業者は壊滅的な被害を受けています。水産業者への特別の支援策が必要ですがいかがでしようか。
いまも避難所で生活されている方、親戚に身を寄せている方も多数おられます。県営住宅への緊急一時入居をと要望をうけましたが、香川県や福井県は、緊急一時入居制度があるのに、岡山県には制度そのものがありません。県でも創設すべきではないでしょうか。おたずねします。
また、防災情報や、被害者支援等に関するホームぺ−ジを県民のニーズに応えられるものにすべきと考えますがいかがでしょうか。総務部長におたずねします。
知事は、「万全の体制で臨んだ」といわれましたが、被災者は避難勧告が出されたときには、もう水がきて逃げられない状態で、恐怖の時を過ごされました。県の高潮災害への認識の低さと備えのもろさが被害対策を遅らせたのではないですか。避難勧告の遅れ、高潮情報はどうだったのか、災害救助法の適用が遅れたのはなぜか、県の災害対策本部の機能体制がどうだったのか真摯に検討する立場こそいま必要ではないでしょうか。おたずねします。
これは県の地域防災計画ですが、予防計画にかかれた高潮対策はたった 3行しかありません。また、ハザードマップ作成状況を見ると、高潮については項目自体がありません。岡山市では、久々井の土手が決壊し大きな被害となりました。倉敷市玉島では、押山土手、宝亀土手では高潮と大波が来て、決壊寸前になりました。この切抜きは1999年(平成11年)11月の山陽新聞の記事です。1999年9月の台風18号による高潮被害で12人が死亡した熊本県不知火地区に地形が似ている湾奥部地区を当時建設、運輸、農水三省全国緊急点検調査が行われ、岡山県は 21箇所あるということが示されています。今回の被害地区のほとんどが含まれています。国はどう対応したのか、また県はどう対処されてきたのか、おたずねします。
さらに今後、高潮被害から県民を守るために、抜本的な対策強化をもとめます。国の特別な財政支援を要求すべきですがいかがでしょうか。
この項最後に、今回の高潮被害で、コンビナート企業のうち17工場で一部ないし全体が冠水し、停電、機能低下が起こりました。一歩間違えば大災害になる危険性があります。県として水島コンビナート地区の被害をどのように把握されているのか。高潮対策をどう強化するのか、知事におたずねします。
2.コンビナート防災対策について
第二に、コンビナート防災対策に移ります。
水島コンビナートでは、三菱自動車のリコール隠し、旧川崎製鉄が、倉敷市のガス化溶融炉建設における水増し請求、入札妨害疑惑で東京国税庁に摘発されるなど、企業倫理と、社会的責任が問われる事件が相次いでいます。また、最近では事故多発という由々しき事態が続いています。
水島コンビナートは、全国でも3番目に危険物が集積している地域です。一昨年は14件、昨年は11件、今年はすでに10件事故が発生しています。これ以外にも、新日本石油の屋外タンクに大小5箇所の穴がみつかりました。いずれも腐食によるもので最も大きいものは縦約40センチ、横35センチありました。厚さ6ミリあるはずのタンクの壁が広範囲にわたって1ミリ程度まで薄くなっていました。また中国電力の水島火力発電所において01年に蒸気漏れ事故があったが、公表していませんでした。どちらも一歩間違えば大事故にもつながるものです。コンビナート企業各社が、住民の安全を何よりも優先するという社会的責任を果たし、事故防止に万全を尽くすよう厳正な指導をすべきです。県としてもコンビナート事故防止の一層の強化が必要と考えますが、知事にお伺いします。
3.医療・福祉の充実について
第三は、医療・福祉の充実についてです。
岡山県の制度を、県民の要求からみてどうなのか、全国の到達から見てどうなのかという角度からみることが大事です。以下、知事にお伺いします。
まず、繰り返し求めてきましたが、岡山市・倉敷市への医療費の補助率削減問題です。この削減によって岡山市、倉敷市ともに毎年1億円以上の被害を受けています。倉敷市の影響額をみますと、乳幼児医療費補助金だけで平成10年から15年度で6億4千万円余に上ります。岡山市議会は、6月議会で「不当な扱い」であり「これ以上見過ごすことはできない」「補助率を是正せよ」という県への意見書を全会一致で採択されました。倉敷市議会では、岡山市よりもさらにきびしい意見書を採択する見込です。
6月議会でわが党武田県議の「岡山市、倉敷市への乳幼児医療費の補助率を全国なみに1/2にもどせ」との質問にたいし、知事は現在の1/5から1/6にさらに削減すると答弁されました。断じて許せません。撤回を求めますがいかがでしょうか。
また、「財政力」を理由に市への補助金を削減している知事は、全国では石井知事だけです。中核市35市を比較すると、岡山市と倉敷市を除く33市中31市がほぼ1/2、他の2市は1/3であり、それぞれの道府県内の他市町村と同一の補助率が適用されています。1/2 にすべきですがいかがでしょうか。
次に、重度心身障害者医療費公費負担制度について伺います。
全国20都道県では身体障害者等級3級まで、または、内部障害3級まで所得制限はあるもののこの制度の対象となり無料としています。一刻も早く改善を求めます。身障内部障害3級まで拡大した場合、財源はどれだけかかるのか。また、このうち在宅酸素療法患者のみ拡大した場合はどうか。保健福祉部長におたずねします。
一方、多くの県民から「国保の負担が重過ぎる」という声が広がっています。市町村の国保会計も火の車です。しかし、この「市町村の国保会計」への県費助成は、26年間レセプト1枚8円で据え置かれたままです。その結果一人当たりの県費助成金は、全国平均が約552円であるのに岡山県は1/10程度の58円にとどまっています。県下市町村からも、要望が毎年のように寄せられていますように、補助率アップを求めますがいかがでしょうか。保健福祉部長におたずねします。
4.子どもと教育について
第四は、子どもと教育についてです
子どもが子どもを殺害するという衝撃的な事件が、神戸・長崎につづき、今年6月佐世保でおこり、日本列島を震撼させています。日本の教育は、大きな危機の只中にあります。
教育基本法は教育憲法ともいわれ、教育のあり方と子どもの未来を決定する根本法です。この教育基本法は成立直後から、「無視」や「空洞化」の嵐にさらされてきました。いま、求められているのは、教育基本法の改正ではなく、教育基本法の理念を実現する教育です。教育基本法についての知事のお考えをお聞かせ下さい。
一方、子どもをめぐる状況から、いま教育行政のなすべきことは、なによりも行き届いた教育条件の整備です。今回はとりわけ急がれる少人数学級の実現についてお伺いします。
日本の学級規模が基準も実態も諸外国に比べて過大だということはいまや常識です。1997年から99年の日本教育学会の調査研究では、学級規模は20人程度を標準に、最大限でも25人にすべきであるとしています。
岡山県は今年度、中学校での少人数学級の実施対象を拡大しました。しかし、県民の要求からみても全国との比較でも不十分といわざるを得ません。中国地方で最低レベルです。全国で少人数学級は42道府県の実施にのぼり小学校での実施は、38道府県です。うち小・中学校とも実施は21府県です。中学校だけの実施は岡山を含め4県にすぎません。まず、県として国に対して少人数学級編制の実施を要望することをもとめます。知事と教育長の所見をお聞かせ願います。
二つ目に、県として小学低学年での少人数学級編制の実施をすべきと考えますがいかがでしょうか。教育長にお伺いします。また、小学一年生の36人以上の学級はそれぞれ何学級・何校あるのか。小学一年生で 35人以下学級編制を県独自で行った場合、加配教員の弾力運用もふくめて行った場合、それぞれ県の必要な予算はいくらなのか。教育長にお伺いします。
次に、県の学級編制基準の改善をもとめ、以下教育長にお伺いします。
新学期直前、学校も保護者も、学級編制が心配の種です。たとえば児童・生徒数が81人で27人ずつ3学級の学年が、進級時に1人が転出してしまうと、現行では一学級減り 40人ずつの2学級となってしまいます。しかし、3学級維持のために何とかしてほしいというのが、保護者や学校現場からの願いです。こうした場合、町村が独自に教員を雇ってでも学級数を維持したいと考え県教委に対して要望があるのではと考えますが、その件数や内容はどうか。また県はどういう対応をされているのか。
また、都道府県が定める学級編制基準を維持しつつも、個別の学校の実情に応じた学級編制の「弾力運用」などができるように、文部科学省は初等中等教育局長名で平成15年4月1日に学級編制の一層の弾力化についての通知をしていますが、県としてどう対応されたのですか。県も、学級編制基準の改善をすべきと考えますがいかがでしょうか。
5.チボリ公園について
第五にチボリについてお伺いします。この夏倉敷チボリのキヤンぺ−ンをみておどろきました。世界最大級のピァーガーデンです。とうとう酒場になったのかとあきれました。
石井知事は、当時見直すことができたにもかかわらず、5年間で税金による35億円の新たな追加支援を決めました。その根拠は、チボリ社が示した5年の再建計画です。「130万人でも資金収支がプラスになるようになる」「平成18年度には補助金を差し引いても単年度黒字を計上できるまでに改善が図られる見込み」というものです。今年の入場者数は、激減し100万人をきるのは確かであり、計画はわずか2年余りで破綻は確実です。与党議員の一部からも「チボリの根本的見直しをすべき」の声が出るありさまです。今改めて知事の政治責任が問われていると言えます。
包括外部監査報告は、経営改善策に対して「何はともあれ入園者の確保が最大の問題である」チボリが、「県民の余暇や安らぎに貢献していないと判断するならば、これらの固定費が無駄になろうと、今後の運営費のむだを回避できるという意味で事業廃止をすべきこととなろう」と述べています。そこで知事に答弁を求めます。
知事は、チボリの再建計画をどう判断して補助金を決めたのですか。中期計画の破綻が明らかです。これ以上の税金投入を中止すべきと考えますがいかがでしょうか。また、チボリ社と県の土地建物の使用貸借契約期間は10年であり、2年9ケ月後の契約の更新の際には継続はやめるべきと考えますがいかがでしょうか。
6.倉敷釈周辺鉄道高架事業について
第六は、倉敷駅周辺鉄道高架事業について、知事にお伺いします。
さて、「チボリを起爆剤に」とはじめられたのが、倉敷駅周辺立体交差事業、いわゆる鉄道高架事業です。総事業費400億円の予定ですが、水島臨海鉄道の高架化はふくまれておらず、事業費はさらに膨らむ見込みです。先の6月議会では、「効果のない高架事業ではないか」と与党議員からも指摘がありました。
私は、8月JR奈良駅周辺ですすめられている鉄道高架事業を視察しました。遷都1300年を目指して、区画整理事業とセットで進められています。現地をみながら説明をうけましたが、現在鉄道の仮設線路の工事がすすんでいますが、区画整理による街づくりは大変な事態でした。予定していた商業施設は中止となり計画の目途が立っていません。保留床も売れ残ったため、市が借り上げていました。さらに市が50億円かけて駐車場を追加建設するなど街づくりは破綻状態でした。
倉敷市での鉄道高架計画は二つの土地区画整理事業を前提に国交省が認可したものです。第一土地区画整理事業は、チボリです。チボリについては、先でのべました。もう一つ、95%の住民が反対したのに強引に計画決定された第二土地区画整理事業です。新倉敷市長は、住民の声に押されて6月議会答弁で、「見直す」と答弁し、その後、2回にわたる住民との話し合いが持たれたと聞いています。いまも住民の大多数は白紙撤回を求めています。街づくり主人公は住民です。この立場に立って高架事業計画の見直しを強く求めますがいががでしょうか。
7.図書館振興計画について
最後は、図書館振興計画についてです。
県立図書館オープンを間近に控え、「先進的な役割を期待する」と県内外から注目されています。本が書架にそろい、利用者の事前登録も進み県民のみなさんの期待の大きさを感じます。当初、日銀跡での建設計画がありましたが、県民の声と運動もあり、現在の場所での建設・完成となりました。
一方、全国では、それぞれの県らしい図書館振興計画が策定されています。先日、私は、その一つ滋賀県立図書館を訪問しました。滋賀県は、20数年前新県立図書館開館をきっかけに市町村図書館施設整備事業、開館時図書整備事業などを含む振興策を策定し、全国最低水準からぬけだし、県民一人当たり貸し出し冊数全国二位、県民一人当たりの蔵書数一位、職員司書有資格者率81%となるなど全国から注目を浴びています。大分県は、司書の配置基準をきめ、島根県でも近年、県立図書館の振興計画を策定されています。
このたびの県立図書館オープンを機に、図書館振興計画の策定をしてはどうでしょうか。教育長のお考えをお伺いします。
また、県立図書館が機能を果たすためには、市町村図書館の整備が前提と考えます。市町村設置率をみますと、平成15年度の全国平均は52.5%ですが、岡山県は50.0%であり、サービスが十分に受けられない地域がまだ多く存在しています。専任の職員の配置がないなど、図書館の格差が指摘されてきました。加えて市町村合併に伴って名目上の図書館設置率は上がりますが、図書館がますます遠い存在になりかねません。図書館は住民の生活圏域に設置され、日常的に利用される施設です。子どもや高齢者にとっては、より身近に必要です。県立図書館は、市町村図書館をバックアップすることを本旨とするものです。より一層の未設置町村・地域への具体的な支援策を行う必要があると思うがどうでしょうか。合併に伴って図書館行政が後退しないよう、また、合併した際、旧未設置町村に分館建設支援をおこなうことが必要です。どうでしょうか。教育長にお伺いします。
県教委、県立図書館、市町村図書館が有機的な連携が強化され、県民にとってかけがえのない存在として発展するよう願って質問を終わります。
知事
生活再建支援給付金補助事業についてであるが、台風第16号による未曾有の高潮により、床上浸水による甚大な被害を受けた方々に対し、県独自の施策として、日常生活に必要な家財道具の購入や住宅の修理等の経費を支援するものである。標準対象事業費としては、畳や家具等の被害について20万円を想定しているが、関係市町の負担を条件とせず、県が10万円を限度として補助する、利用しやすい制度とするとともに、特に生活再建の困難な方に対し、早期の自立した生活の開始を支援するため、被災者生活再建支援法の要件に準じて年収等の要件を設定したものである。今後、関係市町と連携して、この事業をはじめ各種の支援策を有効に活用し、被災者の方々の生活不安を払拭し、生活再建を支援してまいりたい。
無利子の緊急小口融資制度とのお話であるが、県では、被災中小企業者を対象に、現行の県の制度融資の中でも最も低い金利、保証料を設定した「災害資金」を直ちに創設し、被災中小企業者の支援に取り組んでいるところである。水産業者への支援策についてであるが、被害を受けたノリ・カキ養殖業者に対し、経営維持や施設整備に要する資金を低利で融通する制度を創設するとともに、既に借り受けている制度資金の支払い猶予などの措置を講ずることとしている。また、共同利用施設の被害に対しては、国の災害復旧事業に加え、県独自の上乗せ補助を行うこととしている。
県営住宅への緊急一時入居についてであるが、災害等により住宅の使用が困難となった方の支援については、収入基準等の入居資格を有することを前提に、公募外での優先的な入居を認めており、今回の災害においても関係市町と連携を密にしながら、現行制度を活用して対応しているところである。
総務部長
ホームペ−ジの充実についてであるが、今回の台風災害については、県のトップぺ−ジに30日16時過ぎに台風関連の被害情報を掲載するとともにその後も適宜、被害情報や支援措置、ボランティアの募集情報等を掲載したところである。今後とも、県民ニーズを踏まえながら、災害時における防災情報などホームページの内容の充実、迅速なデータ更新等に取り組んでまいりたい。
知事
災害対策本部の機能体制等についてであるが、まず、県としては、市町村の避難勧告発令の判断材料となる情報として、県防災行政無線により市町村に対し、岡山地方気象台から提供される台風第16号に関する気象情報を8月27日から31日までの間に35回伝達したほか、高潮警報を含む各種気象予警報を迅速に伝達したところである。また、県としては、台風接近に伴い直ちに災害対策本部を設置し、全庁を挙げての体制をとっていたところである。しかし、残念ながら一部の市や町で避難勧告の遅れ等の問題があったことも否めないと考えている。今回の災害は高潮による浸水被害が甚大であったことから、初動体制や情報の収集、住民への情報伝達等について市や町と早期に検証を行い、市町村も含めた県全体の防災体制の充実・強化に反映してまいりたい。なお、災害救助法の適用については被害の概要が明らかとなった時点で、関係市や・町に対し、床上浸水世帯のより詳細な状況等を確認した上で適切に決定したものであり、適用が遅れたとは考えていない。
全国緊急点検調査についてであるが大きな高潮被害を受けた不知火地区と地形が似ている海岸のうち、背後の最低地盤高が既往最高潮位より1.5b以上低い県内の21地区において、平成11年度に堤防の天端高、建設時期などの調査を行った。このうち4地区は、この調査結果により施設の老朽化や堤防の天端高不足が判明したため、国と協議のうえ、平成12年度から財政的支援を受けて優先的に改良工事を実施しているところ 残る17地区については、当面、対応は必要ないと判断したものである。
高潮対策の強化についてであるが、現在の災害復旧制度では、高潮による再度の浸水被害を防止するための事業を行うことができないことから、海岸保全施設の機能向上が円滑かつ早期に図られる事業制度が必要である。このため、去る14日、県議会議長と私が、国土交通省など関係省庁に対し、今回の台風災害に対する早急な復旧支援や新たな敵度の創設について緊急要望を行ったところである。
水島コンビナート地区の被害等についてであるが、県としては倉敷市消防局とともにその把握に努めたところであり、各事業所において沿岸部の冠水や、岸壁の一部損傷、装置の緊急停止等が発生したところである。今回の高潮被害は予測を超えるものであり、今後、県としては事業所の被害状況を精査し、この結果を踏まえ岡山県石油コンビナート等防災計画に反映させるとともに、高潮対策の強化に向け、倉敷市と連携して事業所の指導に努めてまいりたい。
コンビナート防災対策についてであるが、ご指摘のとおり水島コンビナートでは事故の多発傾向が続いており、8月3日の軽油タンク腐食開口事故で前年の件数を上回るという状況を踏まえ、8月10日には全特定事業所に対し、事故の潜在的な要因の摘出とその改善に努めるよう特別の要請を行ったところである。今後、県としては事業所の立入検査を実施し、改善状況の確認や事故防止の徹底について指導することとしている。さらに、今年度、学識経験者の指導の元に、製造装置の安全性の点検方法等の検討を行っており、安全対策の向上を図ることとしている。今後とも、県としては住民の安全を最優先に、倉敷市消防局等防災関係機関との連携を図り、コンビナート事業所に対する事故防止の徹底を強く指導してまいりたい。
岡山・倉敷市の補助率についてであるが、市町村との役割分担の観点から財政力の強い市について補助率を見直すべきとの行財政改革懇談会の答申を受けて、平成9年に策定した行財政改革大綱において、岡山市、倉敦市の補助率を6分の1としたが、乳幼児医療費については、現在特別な経過措置として補助率を5分の1にしているところである。岡山市議会の議決等については承知しており、補助率も含めた制度全体のあり方については検討課題であると認識している。県の財政状況を勘案すると、現時点で直ちに御要望に応えることは厳しい状況にあるので御理解賜りたい。
保健福祉部長
重度心身障害者医療費公費負担制度についてであるが、身体障害等級内部障害3級への拡大に伴い約3億円、そのうち在宅酸素療法患者のみでは約1億円の公費負担増が見込まれ、厳しい財政状況の中では、対象範囲の拡大は困難である。
国保会計への県費助成金についてであるが、診療報酬審査支払手数料への補助は、審査支払件数の増加に伴い、県の助成額は年々増加しており、補助率の引上げ等の対応は困難である。
知事
教育基本法についてであるが、教育の根本法として昭和22年に制定されて以来、半世紀余りが経過し、国内外の情勢も大きく変化し、教育において重視すべき理念も、再検討が求められるようになってきた。このため、平成15年3月に示された中央教育審議会の最終答申では、現行の憲法や、教育基本法の前文の精神を継承する立場を示しながらも、新たに家庭教育の重要性や、公共の精神、男女共同参画社会への寄与など、これからの時代にふさわしい教育の理念や原則について、一定の方向が示されたものと認識している。私としては、教育は国の根幹に関わる重要なことがらであり、国民の間で幅広い議論がなされ、新しい時代にふさわしい教育について、世論の合意形成が図られることを期待している。
少人数学級編制の国への要望についてであるが、本県では、これまで教育上の課題を的確に把握し、その改善に向け単県措置を含め、重点的に教員加配を行ってきた。今後とも、こうした考え方に立って、県民ニーズや様々な教育課題に対応した独自性のある施策を展開することにしており、一律に学級編制の標準を引き下げることを国に要望することは考えていない。
教育長
まず、少人数学級編制の国への要望についてであるが、本県では、さまざまな課題が集積している中学校や学力差のつきやすい算数、数学や国語、英語などの教科において、よりきめ細かな指導ができるよう加配措置を行っている。このように、本県では、限られた定数を最も効果的に活用するため、教育課題を的確に把握し、その課題解決に向けて、重点的に教員配置を行っているところであり、学級編制の標準を一律に引き下げることを国に求めることは考えていない。
次に、小学校低学年での少人数学級編制の実施についてであるが、これまで、学校生括へのスムーズな適応という課題解決のため、教育支援員を配置する小1グッドスタート支援事業を実施してきたが、今後も、小学校における課題の分析を進め、お話の学級編制も含め、その対応について研究してまいりたい。
次に、今年度、小学校第1学年の36人以上の学級数は147学級であり、学校数は67校である。 小学校第1学年での35人以下の学級編制を、県独自で行った場合は約6億円が必要である。一方、少人数指導などのための加配教員を35人以下学級編制のために振り替えた場合は、県に新たな財政的負担は生じないが、教員数全体が増えるわけではないので、算数や国語などの少人数指導の加配が減少したり、次第に、都市部と郡部の教員配置上の格差が生ずる恐れもあり、慎重な検討を要すると考えている。
次に、町村が独自に教員を雇い、学級数を維持したいとして県教育委員会に要望した件数と内容等についてであるが、年度末に1〜2件の相談程度はあるが、正式な要望として出されたことはない。
次に、学級編制の弾力的運用に係る国の通知に対する対応についてであるが、お話のあった児童生徒の転出に伴い学級数を減じざるを得ない場合、市町村の教職員定数の枠内で対処するようにとの国の通知ではあるが、本県では新たに加配を行い、言わば激変緩和措置として、小・中学校ともに、最高学年に上がるときには前年度までの学級数を維持しているところである。
次に、学級編制基準の改善に関する今後の対応についてであるが、引き続き小・中学校の様々な教育課題の把握に努め、重点的に取り組む課題に対応するという視点に立って、国の教職員定数改善計画の進捗状況なども踏まえながら、学級編制基準の在り方についても検討してまいりたい。
知事
補助金の決定についてであるが、チボリ・ジャパン社による組織、運営、財務などの抜本的な経営改革による経営改善の状況、倉敷チボリ公園の公共性・文化性などを総合的に勘案して、13年12月に県議会委員会にお示しした経営改善計画の中で、5年間の補助金等の枠組みを定め、この計画に沿って、補助金の交付の決定を行っているものである。
税金投入の中止についてであるが、倉敷チボリ公園は、県民の憩いの場、本県の観光拠点として県民の貴重な財産となっていることに鑑み、公共性・文化性あふれる県民の公園として安定的な発展が図られるよう、現在取り組んでいる経営改善計画等に沿った支援が必要であると考えている。
使用貸借契約の更新等についてであるが、県が整備した施設やその敷地については、民間の経営手法を活用してチボリ・ジャパン社が一体的に管理・運営するよう、県議会の議決をいただいた上で、貸し付けているところである。貸借期間満了時には、倉敷チボリ公園が、公共性・文化性あふれる県民の公園として、引き続き安牢的な発展が図られるよう、契約の更新が必要であると考えている。
倉敷駅周辺鉄道高架事業についてであるが、この事業は、倉敷駅周辺のまちづくりと市の将来の発展にとって、必要な社会基盤整備事業であると考えている。現在、市において、関連する土地区画整理事業に鋭意取り組まれているところであり、県としては、今後とも、地元関係者のご理解とご協力をいただきながら、鉄道高架事業の促進に努めてまいりたい。
教育長
次に、県の図書館振興計画の策定についてであるが、現在、「新世紀おかやま夢づくりプラン」や「岡山県子ども読書活動推進計画」に基づき、市町村教育委員会に対し、読書環境の充実に向けた指導・助言を行うとともに、読み聞かせボランティアの研修やその活動のネットワーク化を促進するなど、公立図書館の魅力アップを推進しているところである。県として、御提案のような新たな図書館振興計画を策定する予定はないが、引き続き、県立図書館の機能を最大限に生かしながら、市町立図書館や公民館図書室への支援を行い、県全体の図書館振興を図ってまいりたい。
最後に、未設置町村等への支援についてであるが、図書館未設置町村の公民館図書室やへき地指定校などに支援用図書を貸し出してきたが、県立図書館の開館を機に、その貸出用図書の充実も図ったところである。また、県内の公立図書館等の間で相互に貸出を行い、最寄りの公民館図書室などを通じて図書を受け取ることができる資料搬送システムを稼働させ、利用者の便宜を図っている。 市町村合併が進む中で、図書館などの社会教育施設の今後の在り方についても議論がなされ、設置について主体的に判断されるものと考えている。県としては、財政的支援は考えていないが、県立図書館を中心とした市町立図書館や公民館図書室のネットワークを充実させ、広く県民の読書活動の支援に、今後とも力を入れてまいりたい。
通告に従い、議案1件、請願陳情23件について、委員長の報告どおり決することに反対し、その理由を述べるものです。
まず、議第81号「工事請負契約の締結について」です。執行部提出のこの議案は、岡山県工事執行規則に則って規則通りに契約されたものであり、その経過の過程でそれに違反するものはありません。そもそも、公共事業の入札や契約問題は、県行政のなかでも最も公正さと透明さが求められているものであり、関連の規則に反することがあってはならないことはもちろんですが、逆に、規則以上のものを持ち込むことも許されないものです。
委員長の提案は、今回の契約議案への議会の議決要件に「警察の捜査」という「規則にないもの」を持ち込むものであり。今後のこの分野の行政に新たな混乱を持ち込む可能性を指摘せざるをえません。以上の点から、委員長報告に反対の態度をとるものです。
次に、議案のなかの議第98号平成16年度補正予算については賛成するものですが、台風16号、18号の被災者支援の内容には、本会議での議論でもわが党赤坂議員が指摘しましたように、被災者の実情から見ても、他県の被災者支援の水準から見ても不十分なものと指摘せざるをえないこと申し添えておきます。
次に請願陳情に入ります。
まず、陳情第66号、第68号はいずれも沖縄の米軍ヘリコプター墜落事件に関するものです。被災の現実と巨大な沖縄の米軍基地への住民の不安、墜落の原因さえ独自に調査できない治外法権的な沖縄の現状など少し考える気持ちさえあれば、この二つの陳情を採択し、県議会として意思を表明するのは当然だと考えます。ぜひ、今議会での採択を主張し、委員長報告に反対するものです。
陳情第67号「チボリからの撤退を求めることについて」は採択を求めます。チボリ事業をめぐる現状について、「経営が改善されている」という評価がありますが、問題の核心は、包括外部監査報告が指摘しているように「何はともあれ入園者の確保が最大の問題」なのであり、この入園者の減少は、チボリ事業の破綻の象徴と言えるのではないでしょうか。確かにこの間の一連のチボリ関連裁判は、県とチボリ側の勝訴ではありますが、その判決文の中にも「チボリ事業の公共性」に関しての疑問と批判が指摘されています。私はその意味で、少なくとも現行の税金投入方式は見直すこと、あと3年弱に迫ったチボリ社と県の土地建物の使用貸借契約は抜本的に見直すことを求め、本陳情の採択を主張するものです。
次に、陳情第53号「義務教育費国庫負担制度の堅持について」は採択を主張します。いま話題のライブドアの堀江社長は、ある新聞の「私の教育改革論」のなかで「全額国の負担で子どもの長所を伸ばす教育を」と主張していますが、傾聴に値する指摘だと思います。「そもそも義務教育は憲法上の要請に基づく国の責務であって、全国一律の教育水準を国の責任で維持することを担保するものが義務教育国庫負担金制度であることから、この負担金は移譲対象補助金から除外すべきである。制度の根幹を維持するための税財源措置は国の責務として確保すべきである」・・これは先の全国知事会でのある知事の発言ですが、私は原則的で正確な指摘だと考えます。今日、「改革」の名のもとに様々な施策が強行されていますが、その中で、「そもそも論」や「本質論」が見失われていることに危惧を抱くのは決して私だけではないと思います。地方分権名の下に、「教育」というもっとも大切なものまで流し去ってしまう今回のやり方を厳しく批判し、本陳情の採択を求めるものです。
最後に、北方領土に関する意見書については賛成するものですが、一言申し上げておきます。意見書にあるように来年は日魯通好条約締結150年ですが、150年前の1855年に徳川幕府と帝政ロシア政府との間に結ばれたこの条約によって、南千島は日本領、北千島はロシア領となり、その20年後の1875年にロシアの首都サンクトペテルブルクで結ばれた「樺太・千島交換条約」では、北千島を日本領とし、この結果、千島列島全体が最終的に日本の領土となったのです。ですから、歴史的には全千島が本来の日本領土なのです。今日の、日ロ間の領土問題は、第二次世界大戦終結のさいスターリンが「領土不拡大」の原則を破り、千島と歯舞、色丹を一方的にソ連に併合したことから起こったものです。したがって、問題解決にとって大切なことは、日本政府のこの間のあれこれの小手先外交ではなく、一国の正当な歴史的領土を他国が併合することは許されないという、二十世紀が到達した国際法の根本原理にたって、今後の交渉にあたることです。そのことを指摘し、討論を終わるものです。
○賛成、×反対、△保留
2004年9月定例会議案 | 各会派の態度 | ||||||
共産 | 自民 | 民主 | 公明 | 無 | 成否 | ||
議第78号 | 平成16年度岡山県一般会計補正予算(第3号) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第79号 | 公平委員会の事務の委託を受けることについて | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第80号 | 工事請負契約の締結について | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第81号 | 工事請負契約の締結について | ○ | △ | ○ | ○ | △ | △ |
議第82号 | 工事請負契約の締結について | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第83号 | 公有財産の処分について | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第84号 | 物品の取得について | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第85号 | 岡山県広域的水道整備計画の改定について | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第86号 | 岡山県広域水道企業団を組織する地方公共団体の減少及び規約の変更について | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第87号 | 岡山県広域水道企業団を組織する地方公共団体の減少及び規約の変更について | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第88号 | 市町村の廃置分合について | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第89号 | おかやま旧日銀ホールの指定管理者の指定について | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第93号 | 津山市,苫田郡加茂町,同郡阿波村,勝田郡勝北町及び久米郡久米町の合併に伴う関係条例の整備に関する条例 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第94号 | 岡山県環境保健センター条例等の一部を改正する条例 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第95号 | 岡山県自然海浜保全地区条例の一部を改正する条例 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第96号 | 岡山県屋外広告物条例の一部を改正する条例 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第97号 | 岡山県立都市公園条例及び岡山県倉敷スポーツ公園条例の一部を改正する条例 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
議第98号 | 平成16年度岡山県一般会計補正予算(第4号) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
発議第4号 | 北方領土問題の解決促進に関する意見書案 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
発議第5号 | 岡山県議会の議員の選挙区の特例に関する条例案(特例期間は、次の一般選挙で選挙される議員の任期まで。 ただし、次の一般選挙の前までに見直しを行う) | × | ○ | × | × | ○ | |
発議第6号 | 岡山県議会の議員の選挙区の特例に関する条例案(特例期間は、現在の議員の任期まで) | ○ | × | ○ | ○ | × |
○採択、×不採択、△継続
2004年9月議会 | 各会派の態度 | |||||||||||
新規・継続 | 受理番号 | 受理年月日 | 委員会 | 提出者 | 要旨 | 紹介議員 | 共産 | 自民 | 民主 | 公明 | 無所属 | 採否 |
継続 | 請願第5号 | 150609 | 総務 | 国公総連 | ILO勧告の受け入れと、民主的な公務員制度改革の実施を求める意見書の提出について | 草苅 | ○ | △ | ○ | △ | △ | △ |
継続 | 陳情第2号 | 150529 | 総務 | 県労会議 | 清潔で公正・公平な住民奉仕を貫く公務員制度の確立を求める意見書の提出について | ○ | △ | △ | △ | △ | △ | |
継続 | 陳情第16号 | 150908 | 総務 | 岡山弁護士会 | 民事訴訟における弁護士報酬敗訴者負担制度導入方針の見直しを求める意見書の採択について | ○ | △ | ○ | ○ | △ | △ | |
継続 | 請願第7-1号 | 151127 | 総務 | 自治労岡山県本部 | 安心して暮らせる年金制度の確立をもとめることについて | 草苅 | ○ | △ | ○ | △ | △ | △ |
継続 | 陳情第47号 | 160301 | 総務 | 岡山県視覚障害者友の会 | 点字等による選挙公報の発行に関することについて | ○ | △ | ○ | △ | △ | △ | |
継続 | 陳情第54号 | 160517 | 総務 | 自治労連岡山県本部 | 国の財政再建優先の「三位一体改革」でなく、地方分権のための地方税財政改革を進める意見書の提出について | ○ | △ | △ | △ | △ | △ | |
新規 | 陳情第62号 | 160831 | 総務 | 岡山県私学協会 | 私学助成に関する意見書の提出について | ○ | △ | ○ | ○ | △ | △ | |
新規 | 陳情第66号 | 160908 | 総務 | とめよう戦争への道百万人署名運動岡山県連絡会 | 普天間基地における軍用機飛行の即時停止を求めることについて | ○ | × | × 3人○ | × | × | × | |
新規 | 陳情第67号 | 160908 | 総務 | 「チボリ」に反対する県民の会 | 「チボリ」からの撤退を求めることについて | ○ | × | × | × | × | × | |
新規 | 陳情第68号 | 160908 | 総務 | 岡山県平和委員会 | 沖縄県宜野湾市における米軍ヘリ墜落事件に関する意見書採択について | ○ | △ | △ | △ | △ | △ | |
継続 | 陳情第5号 | 150617 | 生・保 | 岡山つぼみの会 | 小児期発症インスリン依存型糖尿病医療費援助の対象年齢延長について | ○ | △ | ○ | ○ | △ | △ | |
継続 | 陳情第11号 | 150701 | 生・保 | NPO岡山県腎臓病協議会 | 腎疾患総合対策を求めることについて | ○ | △ | ○ | ○ | △ | △ | |
継続 | 陳情第19号 | 150909 | 生・保 | 全国膠原病友の会岡山県支部 | 難病対策見直しについて | ○ | △ | ○ | △ | △ | △ | |
継続 | 陳情第35号 | 151201 | 生・保 | 木下 富夫 | 公的年金の未加入期間を国民年金でつなぐ場合の期間の延長に関することについて | △ | △ | △ | △ | △ | △ | |
継続 | 陳情第57号 | 160608 | 生・保 | 岡山県生活と健康を守る会連合会 | 生活保護の国庫補助の削減と基準引き下げの中止を求めることについて | ○ | △ | △ | △ | △ | △ | |
継続 | 陳情第59号 | 160609 | 生・保 | 岡山職親会 | 岡山県精神障害者社会適応訓練事業の拡充に関することについて | ○ | △ | △ | ○ | △ | △ | |
新規 | 請願第17号 | 160906 | 生・保 | 岡山県視覚障害者友の会 | 無免許マッサージから住民を守ることについて | 草苅、景山、森脇 | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
新規 | 陳情第63号 | 160903 | 生・保 | 線維筋痛症友の会 | はざまに陥った患者の救済について | △ | △ | ○ | ○ | △ | △ | |
継続 | 請願第4号 | 150609 | 農水 | 食とみどり・水を守る岡山県労農会議 | WHO農業交渉に対する意見書の提出について | 草苅 | ○ | △ | △ | △ | △ | △ |
継続 | 陳情第27号 | 151119 | 土木 | 日本造園建設業協会岡山県支部他 | 全国都市緑化フェア」誘致を求めることについて | △ | △ | △ | △ | △ | △ | |
継続 | 請願第1号 | 150428 | 文教 | 英田郡町村会 | 英田地域新高等学校を通学経路、地域環境、学習環境が最適な場所に建築することを求めることについて | 市村 | △ | △ | △ | △ | △ | △ |
継続 | 請願第13号 | 160601 | 文教 | 岡山県教職員組合 | 義務教育費国庫負担制度堅持を求めることについて | 三原 | ○ | △ | ○ | △ | △ | △ |
継続 | 陳情第25号 | 151027 | 文教 | 美作町商工会 | 岡山県美作ラグビー・サッカー場人工芝コート設置を求めることについて | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
継続 | 陳情第53号 | 160511 | 文教 | 岡山県高等学校教職員組合 | 義務教育費国庫負担制度の堅持について | ○ | △ | ○ | △ | △ | △ | |
継続 | 陳情第60号 | 160609 | 文教 | 岡山県写真技能士会 | 次年度卒業アルバム制作(契約)について | △ | △ | × | △ | △ | △ | |
新規 | 陳情第64号 | 160906 | 文教 | 新日本婦人の会岡山県本部 | 国へ義務教育費国庫負担制度を堅持する旨の意見書提出について | ○ | △ | ○ | △ | △ | △ | |
継続 | 陳情第20号 | 150910 | 議運 | 市民オンブズマンおかやま | 岡山県議会の委員会の一般傍聴を求めることについて | △ | △ | △ | △ | △ | △ |