2004年2月定例県議会


赤坂てる子県議の一般質問と答弁
武田英夫県議の討論
議案に対する態度
請願・陳情に対する態度
議会報告



武田県議の一般質問と答弁



日本共産党の赤坂てる子です。議員になって2回目の質問をさせていただきます。  



3月20日、アメリカがイラクへの戦争を開始して1周年を迎えます。イラク戦争と占領に反対し、平和を求める行動が、ニューヨーク、ロンドンをはじめ世界のいたるところで準備されています。ここ岡山県でも、若者を中心に実行委員会が結成され、1,000人の人文字とピースウォークで平和の思いをアピールしようと、準備がすすめられています。  

一方、政府は、多くの国民の反対を押し切ってイラクに自衛隊を派兵しました。これに対し、日本弁護士会は、「国連の要請もイラクの同意もない。米英による侵攻の戦後処理としての占領行政に対する協力にほかならない」と指摘し、日本国際ボランティアセンターは、「自衛隊は治安を悪化させるおそれがあり、国連機関やNGOの活動に悪影響が出る。日本の人道支援の中立性を損なう」と自衛隊派兵反対の声をあげました。  

そもそも戦争・軍隊とは、人間の生命をうばい、理性や尊厳、自由や人権を否定するものです。私は、命を産みだす母親として、この間の政府の行動を厳しく糾弾いたします。同時に、イラク国民にすみやかに主権を返還するため、日本政府には、自衛隊を撤退させ、憲法九条にもとづく真の復興支援に転換するよう強く求めます。また、先日政府がとりまとめた、国民保護法案など有事関連7法案は、アメリカが海外でおこす戦争に武力行使をもって参戦し、国民を罰則付きで強制動員することに本質があり、認めるわけにはいきません。 



それでは質問に入ります。

まず乳幼児医療費公費負担補助制度について知事にお伺いします。  

リストラ・賃下げなど県民生活の不安は深刻です。そこに医療・年金改悪などが追いうちをかけています。県民の暮らしをまもる岡山県の役割は大切です。しかし、「県民の要求からみても、全国の水準から見ても、医療・福祉・教育などの岡山県制度の水準は遅れていると言わざるをえません。それは財政難だけで、片付けられる問題ではないと思います。  

少子化は一層進行し、安心して子どもを生み育てたいという願いは切実です。「少子化社会対策基本法」が昨年9月から施行され、同法は少子化の事態を克服するため、すべての「子どもを生み育てる者の経済的負担の軽減を図るため」、「子どもの医療に係る措置」を具体的にあげ、国および地方公共団体に求めています。国の制度創設を求める意見書の採択は現在、県内で78中76市町村にのぼります。高知県に続いてあと一歩で100%採択です。この状況の中、県として国の制度化を強く要望することを求めますがいかがでしょうか。  

さて、今回の乳幼児医療費公費負担補助制度を入院に限り就学前まで対象とするご提案は一歩前進といえます。しかし子どもの病気は、早期発見早期治療が原則です。  

東京都でさえ「就学前」まで無料です。岡山県の制度は、全国的にみて低いレベルです。また、中国地方では4月から山口県が、10月からは広島県が入院・通院とも就学前まで補助対象年齢を拡大します。従って、中国5県で比べても最低クラスです。県内市町村をみると、3歳未満までは岡山市のみ。就学前までは32市町村、中学校卒業までが7町村です。市町村に比べ県の施策改善があまりにも遅れたとも言えます。通院についても就学前までの年齢拡大を求めますがいかがでしょうか。   

倉敷市、岡山市への補助率が1/6に減らされ、現在は激変緩和で1/5ですが、他県の中核市ではおおむね1/2から1/3となっています。もとの1/2に戻すべきと考えますが、いかがでしょうか。



次は、教育問題の少人数学級編制についてお伺いします。  

「子どもが帰ってきて、学校のことを楽しく話してくれるようになりました」「先生が、私がわかるまで丁寧に教えてくれる」「学力が向上した」。30人学級になったところでの共通する声です。「橋の一本、二本我慢しても小学校で30人学級を実施する」と少人数学級に踏み出した山形県は、全国に呼びかけて「少人数学級編制研究会」を開催し、28都府県が参加して、行政レベルでも全国的な連帯がはじまっています。  

さて県が今回の35人以下学級の対象を中学第2学年へ拡大されることは一定評価しますが、何人もの方から「大規模校だけですか? がっかりしました。」という声をお聞きしました。県民の期待からみても他県と比べても、規模・内容ともきわめて不充分なものと指摘せざるを得ません。そもそも、今回の少人数学級拡大のための教員配置は、県が独自に予算をつけたのではありません。国からの少人数指導(少人数学級ではない)のための加配を、国が少人数学級に運用してもよいと弾力運用を認める方針に変えたことを活用して、一部を少人数学級に転用するものです。県で570人を超える少人数指導などの加配教員がありますが、今回使われるのはその一割以下です。  

また、この施策の決定が、年度末の3月にずれ込んだため、現場は混乱しています。文部科学省は昨年11月にすでに方向を県に示していたはずです。埼玉・山形など多くの県では、当初予算案で計画に、盛り込んでいます。県教委の姿勢が問われます。  

そこで、まず最初に教育長にお伺いします。今年度の小学校第一学年で35人以上学級は176学級、中学校第一学年でも200学級です。これに対して国からの少人数教育などの加配は、16年度小学校で238人、中学校で335人です。これを活用し、全校の中学校第一学年で35人以下など少人数学級編制や、小学校第一学年での少人数学級実施に拡大してはいかがでしょうか。  

二つ目は、県独自に予算化し30人学級実現に踏み出すことです。いかがでしょうか、知事に伺います。第三に、そもそも義務教育に対する国の責任を棚に上げて地方自治体に責任を押し付ける国の姿勢が問われています。国に対して30人学級編制の実現と、義務教育費国庫負担制度の堅持を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか、知事にお伺いします。     



次に不要不急の無駄遣いについて質問します。知事は苦心惨憺予算だといわれていますが、県が国の悪政に断固たる立場をとるとともに、これまで「聖域」としてきた不要不急のムダ遣いにいよいよメスを入れるべきです。

まず、チボリについてお伺いします。入場者数110万人。売り上げ40億円。県と倉敷市で来年度も約80億円の補助・融資の予算が組まれています。わが党議員団はチボリ社への補助、融資は、地方自治関連法令に照らしてもその根拠はないことを指摘してきました。1月15日、10年あまり続いたチボリ・ジャパン社への県職員派遣をめぐる上告審で、最高裁は、チボリは「営利を目的とする株式会社であり、その具体的な内容は遊園地等の経営」とし、チボリ社は「県の推進する倉敷チボリ公園の建設運営のために県等が出資して設立された株式会社であることを考慮しても、本件職務専念義務の免除が本件免除規則2条2号所定の用件をみたすものであるということはできず、本件承認は、地方公務員法24条1項の主旨に反する違法なものというべきである。そうすると、本件承認を是正することなく、これを前提にして行われた本件は県職員に対する給与支給は違法というべきであり」として、岡山県による県職員派遣及び給与支給は「違法」なものであるとの判決を下しました。  

ただチボリ社への給与の返還義務と当時の知事であった長野士郎氏への損害賠償責任については、これを認めませんでした。税金支出は違法だが、「誰も責任をとらなくていい」というおかしな判決であり、違法な支出に一体だれが責任を取るのでしょうか。  

最高裁判決に対して以下の3点で知事のご見解をお伺いします。まず、チボリは「営利を目的とする株式会社である」としたことについて。二つ目は岡山県による職員派遣及び給与の支給は地方公務員法24条1項の趣旨に反する違法なものとしたことについて。三つ目に、最高裁はチボリを営利目的、県による職員派遣と給与支給は違法、としました。これを機にチボリへの行政施策全般を見直し、28億4千万円の補助金等の予算を中止すべきです。いかがでしょうか。



次に、玉島人工島について伺います。  

第一点は、そもそも、今どうして12bバースを急いでつくり、それにあわせて玉島東航路の水深、現在10bを12bにまで浚渫し、新たな埋立地を造らなければならない緊急性、必要性があるのかという問題です。これらの事業は、莫大な税金投入をともなうと考えますが、知事にお伺いします。12bバースの建設と玉島東航路の浚渫、浚渫土砂の埋め立てに必要な費用はいくらになるか。それぞれについて、全体の額とそのうち県負担額がいくらになるかをお示し下さい。あわせて、費用対効果についての知事の考えをお伺いします。  

玉島人工島に関連して、二番目にお伺いしたいのは、浚渫によって発生する浚渫土砂の処理の方法についてです。昨年12月に出された『水島港(玉島地区)公有水面埋立事業に係る環境影響評価準備書についての知事意見』のなかで、知事は「今後の瀬戸内海における埋立を極力抑制する観点から、浚渫土砂の有効利用に関する調査研究を進め、浚渫土砂の海域埋立処分量の減量化を図ること」という意見を付しておられます。そこで、浚渫土砂の有効利用について県として今までにどのような調査・検討をしてきたのか、また今後の調査・研究の方針について、土木部長にお伺いします。



三つめは、倉敷駅周辺鉄道高架事業です。鉄道高架一般を否定するものではありませんが、この事業は、問題だらけです。  

まず、第二土地区画整理事業を鉄道高架事業の前提だといって住民合意もないのに強行していることについて知事のお考えをお聞かせ下さい。  

これまで倉敷市は鉄道との交差を地下道または跨線橋方式で進めてきました。寿町踏み切りは地下道計画が決定されていたのに、鉄道高架にする計画がだされ途中やめとなっています。また県のつくった計画をみると、20年前にできた駅ビル、二階デッキも、昨年バリアフリーでつくったばかりのバス乗り場のエレベーターも壊す計画です。また7年前にチボリのオープンに合わせて25億円も投入してつくったチボリデッキは無用の長物になりかねない計画です。このような、先行する開発を無用化する今回の鉄道高架計画は、二重投資になるのではないでしょうか。しかも高架事業だけで400億円、周辺整備を含めると1,000億円もかかるというものです。財政難の中で許されるのでしょうか。計画を中止すべと考えますが、知事のご所見をお伺いします。



つぎにヤミ金・サラ金被害者対策について知事にお伺いします。  

ヤフーBBの個人情報流失事件は400万人をこえる空前の被害となり、BSE、鳥インフルエンザなど食の安全、ヤミ金・サラ金、架空請求、オレオレ詐欺などの消費者被害が急増し、県民の暮らしを脅かしています。そのようななか、いま消費者保護基本法の抜本改正にむけて、消費者の権利を確立するか否かが議論の的になっています。  

相談件数のなかで、サラ金・ヤミ金・クレジットの相談は最も多い件数を占めています。個人自己破産件数は、平成15年には全国で24万件を超え、県内でも昨年よりすでに600件多い4,179件にも達しています。5年で2倍に急増しています。いわゆるサラ金は借金地獄に陥りやすく、家庭崩壊等多くの悲劇を生みだしています。営業実態は、高金利、過剰融資、暴力的取り立てを特徴としており、特に高金利ということでは、法の抜け穴を利用して利息制限法の規定を超えた違法金利で暴利をむさぼっています。  

「新聞の広告やテレビコマーシャルでやっているし、芸能人も出てくるので悪い業者じゃないだろうと思ってしまった」という被害者も多く、メディアの消費者金融に対する姿勢が鋭く問われています。消費者の窮地につけ込む詐欺商法に加担してはなりません。しかし、ある地元紙を例にあげれば、サラ金広告は一年間に大手5社だけでも365回、広告収入は3億円を超え、全収入の5%を占めるといいます。NHKと民放連が設置した第三者機関「放送と青少年に関する委員会」は、消費者金融CMの現状は放送基準に抵触する恐れがあると判断しました。県として、サラ金広告、コマーシャルの自粛をもとめるべきではないでしょうか。  

また激増し悪質化する消費者被害のなか、消費生活センターの機能と体制を強化すべきと考えますがいかがでしょうか。



次は、DV被害者支援、児童虐待対策について、お伺いします。もっと現場の声に耳を傾け、既成の枠組みを越えた検討が求められています。その立場で質問します。  

配偶者からの暴力は多発し、殺人にいたる深刻な例が後を絶ちません。政府の調査によると、配偶者からの暴力を受けたことのある人は女性の約5人に1人です。まず、DV法の改正にむけての大西副知事のお考えをお伺いします。  

DV法は第2条で「国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護する責務を有する」としています。来年度予算を見ると、相談員の一名増員、精神科医の相談などが予算化されましたが、会議、研修費や事務雑費わずかな予算がさらに削られているのに驚きました。  

現場の相談員の方にお伺いするとどこでも、「深刻な相談を受けても支援策が少なく、つらくなります」と言われます。被害者の深刻な実態からみて、被害者自立支援のための体制があまりにも遅れています。私は先進県といわれる鳥取県を視察しましたが、一時保護体制、民間シェルターへの支援、医療、住宅、生活資金など自立支援が様々な形で行われていました。岡山県としても、自立支援の体制を拡充すべきと考えますが、大西副知事にお伺いします。 



倉敷市で3歳の女の子が犠牲になりました。県内でも昨年度185人もの子どもたちが児童虐待により一時保護されるなど深刻な事態です。児童虐待への適切な対応策を確立し児童虐待を防止するには、国民的な取り組みが必要であり、児童福祉法や児童虐待防止法の改正にとどまらず、法律的にもあらゆる分野での検討を排除せず、最善の体系を策定することが必要です。   

倉敷児童相談所管内では、児童人口は15万人近くあり、昨年度217件もの児童虐待の相談がよせられ、73人、延べ1,369日の一時保護がなされているにもかかわらず、倉敷児童相談所に一時保護所がありません。深刻な実態からしても早急に設置が必要です。いかがでしょうか、保健福祉部長に伺います。



最後に、「政治と金」に関わる問題で、公益法人である「岡山県歯科医師会」と、政治団体である「岡山県歯科医師連盟」の関係について、知事に伺います。  

この問題は、全国的には「日本歯科医師連盟」の政治資金規正法違反事件などが起き、多くの歯科医師からも批判の声があがっている問題で、その根底には「公益法人」と「政治団体」が一体になっているという不正常な事態があります。  

岡山県では、2001年6月議会でのわが党武田県議の質問に対し、石井知事は「歯科医師会会員が連盟会員であるという取り扱いがなされており、強制加入という誤解を与えないよう改善を指導してまいりたい」と答弁しています。  

しかし、今日でも、連盟会費が歯科医師会の会費と同一口座から引き落とされるなど公益法人のあり方として不正常な事態が続いています。公益法人の監督権限をもつ県として、是正するよう求めますがいかがでしょうか。また、石井知事は、その政治団体が、こうした歯科医師連盟から政治献金を受けていますが、それは断るべきだと思いますが、いかがでしょうか。



答弁

知事  

補助対象年齢拡大等についてであるが、未来を担う子どもたちが健やかに生まれ育つ環境を整備するため、様々な観点から検討を行い、経済的負担等の大きい入院診療の補助対象年齢を拡大するというぎりぎりの決断を、極めて厳しい財政状況にもかかわらず行ったものであり、ご理解いただきたい。現在、対象年齢が義務教育就学前より低い市町村に県全体の就学前児童の約88%が住んでおり、今回の措置により、これらの児童が全て対象となる。県内76市町村が国の制度創設を求める意見書を採択したというお話があったが、県としても、引き続き国に対して要望してまいりたい。  

補助率についてであるが、市町村との役割分担の観点から財政力の強い市について補助率を見直すべきとの行財政改革懇談会の答申を受けて、平成9年に策定した行財政改革大網において、岡山市、倉敷市の補助率を6分の1としたものである。なお、現物給付化に伴う激変緩和措置として、県としては、厳しい財政状況であるが、現在、補助率を5分の1にしているところであり、これ以上の引上げは考えていない。



教育長  

小1・中1の少人数学級についてであるが、小1については、児童の基本的な生活習慣の確立や学校生活の円滑なスタートが図られるよう、複数で指導にあたることができるようにしたものであり、保護者をはじめ各方面から好評を得ており、来年度も引き続き小1グッドスタート支援事業を実施し、その成果を検証してまいりたい。中1については、来年度から35人学級の対象を現行の5学級以上から3学級以上に拡大する方向で市町村教育委員会と協議している。生徒の社会性を培う観点などから、ホームルームにはある程度の規模が必要と考え、2学級以下は対象としていないが、今回の措置によって県下の第1学年の95%余りの学級で35人学級が可能となると考えている。 少人数学級編制についての県独自の予算化についてであるが、これまでも、本県の教育上の課題を的確に把握し、改善に向けて重点的に取り組むべきことがらに、単県で予算措置を行ってきたところである。例えば、課題の多い中学校第1学年における35入学級の推進、不登校問題解決のための加配、生徒指導充実のための加配、過疎地等の複式学級解消のための加配などの施策を行ってきた。今後とも、教育委員会と連携し、本県の教育課題を踏まえながら、学級規模も含め、最も効果的な教員配置の在り方について研究を重ね、独自性のある施策に取り組んでまいりたい。  

国への要望についてであるが、義務教育費国庫負担制度については、国においてこれを見直し、来年度から地方の自由度を大幅に拡大する「総額裁量制」の導入が決定された。さらに学級編制基準についても40人以下とするなどの規制緩和も検討されていると聞いており、その動向を注視しているところである。今後、真の分権型社会を確立する観点や義務教育の維持向上を図る観点から、国の責任において必要な財源措置がなされるよう国に働きかけてまいりたい。



知事  

チボリ・ジャパン社が、「営利を目的とする株式会社である」とされていることに対する見解であるが、チボリ・ジャパン社は、最高裁判決にもあるとおり、「県の行政目的の一部を担って」おり、「倉敷チボリ公園の建設及び管理運営のために、岡山県、倉敷市及び民間による第3セクター方式で設立されたところの株式会社である。」と認識している。  

職員派遣と給与支給が違法とされたことについてであるが、当時としては、職員の職務専念義務を免除して派遣することが、最適の方法であると判断し、条例等の規定に基づき行ったものである。県の主張が容れられない部分があったことは承知しているが、地方公務員法の関係条項が強行規定ではないこと、当時、地方公務員の派遣に関する法制度は整備されていなかったこと、また、派遣職員への給与支給の適否についても定説がなく、裁判所の判断も分かれていた事情等から、結論としては、長野前知事及びチボリ・ジャパン社の責任は問えないとの最高裁の判断であり、司法の最終判断を尊重すべきものと考えている。  

施策全般の見直し等についてであるが、最高裁判決においても、倉敷チボリ公園の公共性、文化性は否定されておらず、また、倉敷チボリ公園は、県民の憩いの場、そして本県の観光拠点として県民の貴重な財産となっている。こうしたことから、今後とも、公共性、文化性あふれる県民の公園として安定的な発展が図られるよう、県議会の皆様方の御理解を得ながら、現在進めている経営改善計画等に基づく支援を、着実に実行してまいりたい。  

必要費用等についてであるが、水深12m岸壁の整備と玉島東航路の浚渫については、港湾計画に位置付けているものの、その事業化については、今後、コンテナ需要の動向も見極める必要があり、事業着手時期や事業費については未定である。また、現在事業中の浚渫土埋立処分場の整備には約80億円の事業費を見込んでいる。これらの事業に係る県負担額は、事業手法にもよるが、総事業費の3分の1から半分程度と想定している。また、費用対効果についてであるが、将来、12m岸壁を整備することにより、東南アジア方面を主体とした新たな貨物需要への対応や船舶の大型化による輸送コストの一層の低減など、国際物流拠点としての水島港の機能向上が図られるものと考えている。



土木部長  

浚渫土砂の有効利用についてであるが、県では現在までに浚渫土砂にセメント等の固化剤を混合し、山土等の代替材への転用を行うとともに、干潟等の造成材としての利用を検討しているところである。また、これらの利用策に加え、浚渫土砂から良質な砂分だけを選別利用する方策など、浚渫土砂の有効活用について、経済性や技術的課題など幅広い観点から調査・研究を行ってまいりたい。



知事  

第2土地区画整理事業についてであるが、倉敷駅周辺の将来のまちづくりにとって、この事業と鉄道高架事業を一体的に進めていくことが、投資効果からも極めて重要なことであると考えている。また、倉敷市は、この事業を駅周辺のまちづくりの重点施策として位直付け、土地区画整理事業施行条例を議決するなど法令に基づいた手続きを着実に進めるとともに、誠意を持って話し合いを行い、順次地元関係者のご理解を得ながら進めていると聞いている。  

倉敷駅周辺鉄道高架事業が二重投資ではないかとのご指摘についてであるが、現在、学識経験者、県、市、鉄道事業者などからなる「倉敷駅及び周辺地区都市空間デザイン検討委員会」を中心に、倉敷市が進めているまちづくり計画との整合性や経済性、工事の施工性等の観点から、総合的な検討を行いながら計画の策定作業を進めているところである。  

計画中止についてであるが、この事業と倉敷市が進めている土地区画整理事業などは、駅周辺のまちづくりと市の将来の発展にとって必要不可欠な社会基盤整備事業である。 このため、地元関係者などのご協力をいただきながら、事業の促進が図られるよう努めてまいりたい。  

サラ金広告等の自粛要請についてであるが、昨年7月の貸金業規制法の改正により、広告に関する規制が強化され、県では、その趣旨を貸金業者に徹底するとともに、貸金業者の広告について岡山広告協会等へ審査を強化するよう要請したところである。また、日本民間放送連盟では、本年4月に放送基準を改定する予定であり、「安易な借り入れを助長する表現はしない」ことなどを条文化すると聞いている。  

消費生活センターについてであるが、近年、消費者トラブルが急増し、相談内容も複雑・多様化している。 このため、消費生活センターにおいては、今年度相談員2名を増員するとともに、専門研修による相談員の資質向上、弁護士会や警察との連携強化を図るなど相談体制の充実に努めているところである。今後、さらに県内各地に配置している「くらしの相談員」や「くらしの啓発専門委員」を活用した情報提供及び相談活動の充実やメールによる相談窓口の設置などに取り組むこととしているが、引き続き、相談件数や相談事案等の推移をみながら、相談員の増員を含め、消費生活センターの機能や体制整備に柔軟に対応してまいりたい。



大西副知事  

DV法改正についてであるが、先般、参議院共生社会に関する調査会のプロジェクトチームから改正案骨子が公表されたところである。これによると、心身に有害な影響を及ぼす言動も暴力に含めるなど「配偶者からの暴力」の定義の拡大や、元配偶者を保護命令の対象に加え、子どもへの接近禁止を認めるなどの「保護命令制度の拡充」のほか、新たに、市町村において配偶者暴力相談支援センター業務を行うことができることとするなど、被害者に対する保護の改善が図られていると聞いている。DVの問題解決に当たっては、被害者の人権尊重に向けた取組をより充実することが重要と考えており、今後の改正もこのような観点からなされることを期待しているところである。  

自立支援の体制拡充についてであるが、DV被害者の自立を促進することは重要なことと考えており、県においては、女性相談所やウィズセンターの相談体制、一時保護の充実、DV被害者サポーター養成講座の開催などを行っている。今後、新たに県営住宅入居への優遇措置やDV被害者サポーター等による同行サポート、精神科医による心のケア相談などの支援についても積極的に取り組むこととしている。また、民間シェルターは、現在のところ、県内には設置されておらず、前向きに研究しているボランティア団体の動向を注視しているところである。今後とも、関係機関相互の連携を図りながら、自立支援の体制拡充に取り組んでまいりたい。



保健福祉部長  

倉敷児童相談所の一時保護所についてであるが、必要に応じて、中央児童相談所又は近隣の児童養護施設等において一時保護を実施している。現在、中核市の児童相談所設置を可能にする児童福祉法改正法案が国会で議論されていると聞いており、県としては、これらの動向を注視しながら、倉敷児童相談所の一時保護所も含め、児童相談所の今後のあり方を検討してまいりたい。



知事  

岡山県歯科医師会への指導についてであるが、平成13年6月議会でお答えした後、歯科医師会費と歯科医師連盟会費の口座引落の同意書が一体となっていたという不適切部分等について、直ちに指導を行い改善された。会費の引き落としについては、会員の同意の下にそれぞれ別々の引落依頼により別々の口座に振り込まれていることから特段の問題はないものと考えている。  

政治献金についてであるが、平成13年以降、この団体から私の資金管理団体への寄附はない。



赤坂県議の再質問  

再質問させていただきます。  

まず最初に,乳幼児医療費なんですが,確かに大変な中で御決断されたという,そういうお気持ちはよくわかるんですけど,今まで県の制度がどういう状況だったのか,今どういう状況なのかということを,まず私お示ししたいと思うんですが,(パネルを示しながら発言)入院なんですけれども,岡山県がこのたび就学前まで拡大されるということになりましたが,全国で見ますと,ほとんど5歳未満,6歳未満,就学前,これが流れになってきていたということで,入院についてはやっと全国並みに追いついたのかなという感想を持っています。  

それと,もう一点ですが,乳幼児医療の通院のこと,私は就学前までぜひ無料にしていただきたいということでお願いしたんですが,今見ますと,大体各県,就学前までがもう10県になってますかね。それで,大体,岡山県よりも多いのが,4歳未満から就学前までというのがもう過半数超えているということで,国の制度化とあわせて,県も本当に大変な財政なんだけど,子供たちの健康を守るという点で努力していただきたいということで,重ねてお願いをしたいというふうに思います。  

それと,前後しますけれども,少人数学級についてなんですけれども,お話お伺いしてて,中学1年生,95%までだとおっしゃって,どうしてあと5%が難しいのかなというふうに,逆に感想を持ったわけですけれども,私も調べてみましたら,やっぱり県北が2学級のところとかがあるわけです。そこで実施する意義というのは私は大きいと思います。ホームルーム等が少なくなるのは問題だと言われれば合同でやればいいだけの話でありまして,そういう意味で,ぜひ中学校1年含めてあとちょっとということですので,5%といったらどれぐらいになるのかということを含めてお願いをしたいというふうに思います。  

それと,一部分でもこれだけのことができるということがお話でわかったわけですけれども,特に,中学1年につきましては,年次的に改善される計画だろうと思うわけです。要望ですけれどもぜひそういう方向でやっていただきたいと思いますし,今回の決定が3月にずれ込んだという点につきまして,私全国のちょっと調べてみました。服も赤いんですけど,目も赤くなるぐらい調べてみました。そしたら,埼玉県というのは最大限活用して,小学校1年生での35人学級を実施するということで,これ1月に発表しているわけです,県民に向かって。兵庫県の場合は,市町村教育委員会に意見のアンケートをされて,90%の市町村教育委員会が希望したからということで,小学校1年生での35人以下学級を全県下で実施するということ,これ2月20日に発表されています。神奈川県でも,11月28日に市町村教育委員会に通知をされているということで,県としても,市町村教育委員会に対して希望調査されていると思うんですけれども,その内容はどうなのか,お示しいただきたいというふうに思います。  

それと,加配教員を使って市町村が独自にやる場合もあると思うんですけど,これへの対応をどういうふうにされているのか,どういう方向を考えられているのかと,応援する立場なのかどうなのかということもあわせてお伺いをしたいというふうに思います。  

それと,児童虐待・DVについて前向きな御答弁ありがとうございました。倉敷に一時保護所をぜひつくっていただきたい。一番身近な人によって傷つけられ,それも母親や父親等によって傷つけられた子供たちは,体だけでなくて心に傷を抱えているわけです。そこから切り離された子供たちというのは,本当に不安を感じています。そういうときに,やっぱりまず最初に保護される一時保護所というのがせめてないといけない,充実されてなければならないということを重ねてお願いをしたいというふうに思います。  

次に,チボリについてなんですが,知事は,全判決読み上げていただきたかったと言われたんですけど,ぜひ皆さん読んでみてください。読み上げたいんですけど,時間がないんで,要点だけ言わせていただきましたので。それ見ましても,知事は公共性とか言われるわけですけれども,チボリについては,「本件職務専念義務の免除及び本件承認が違法であることは上記のとおりであるから」と,私が読んだ後ですけれども。それで,「本件派遣職員に対する給与等を県において負担する旨を定めた本件協定は,地方公務員法24条1項,30条,35条の趣旨に反する違法なものというべきである。しかしながら」ということで,要は,言えば違法なんだけれども,そのとき法整備ができてなかった。ほかもやっていた。判断が分かれていた。いえば飲酒運転に法令がなかったから飲酒運転しても仕方がなかったというのは言い過ぎかもしれないんですけども,そういう違法だということでございますので言います。  

鉄道高架事業については,住民合意という点では,県が思っておられるのとはまた違うということで,質問いたします。



石井知事  

再質問にお答えを申し上げます。  

倉敷チボリ公園に関しては,何を質問されたのかよくわからないんでございますけれども,今挙げられました最高裁の判決文で,違法な点がある,しかしながらということで,先ほど私が答弁しましたように,地公法各条は強行規定ではない等々理由が述べられまして,結果,本件のこの協定は公序良俗に違反しない。そうすると,本件協定が司法上無効であるということはできないと,こういうことになったところでございます。そういうことで,不当利得とか不法行為等の法的責任は問えないという最高裁の判断が出たということでございまして,私は,先ほど申し上げましたとおり,司法の最終判断を尊重すべきであると,このように考えているものでございます。  

周辺住民の同意ということでございますが,先ほど土地区画整理事業につきましてのお話は,確かに御質問にあったんですが,鉄道高架の方は御質問がなかったと思うんですね。したがって,どのような趣旨で御質問になったのかよくわからないんでございますが,鉄道高架事業ももちろん関係者と協議をしながら,住民の皆さん方,地元の皆さん方の理解が得られるように,そういう協議調整を図って進めていくこととしているものでございます。  

以上でございます。



宮野教育長  

再質問にお答えいたします。  

まず,拡大することによって中1あと何校ぐらい残るのか,9校14学級であります。  

それからもう一つは,市町村の希望といいますか,聞いたらどうだったのかと。これは圧倒的に,例えば,学級標準を下げろということを希望するという市町村ばっかりじゃありませんでした。これは結構まちまちで,ちょっと今ここにデータがないんでわかりませんけれども。というのは,ずっと少人数指導ということで取り組んできたわけですね,ここ二,三年。それを定着させようと学校は努力してきとるわけです。そこへ持っていって,急に文科省の方で方針が変わって,加配というのは本来目的があって加配ですから,それをもう目的じゃないところに使ってもいいということになるわけですから,方針転換ということもございまして,学校の方としては,従来のやり方でやりたいと,市町村教委の考えもそういうのも結構ございまして,必ずしも学級編制基準を直ちに来年度から下げてくれという,もちろんそういう声もありましたけれども,そういうばっかりではなかったということを申し上げたいと思います。  

それからもう一つは,市町村が独自に加配することについてということですから,それは独自に加配するというお考えは,それはそれぞれ独自の判断ですからやっていただきゃいいと思うんですけれども。ただ,義務教育ということを考えたときに,果たしてそこのところで余りにも差が出るというのがいいのかどうかというのはあると思うんですね。よその県の例を見てみますと,もっと充実させたいということになったときに,県だけではできませんので,市町村に応分の協力をいただいておるという県がだんだん出てきているというのはございます。だから,そこのところは,私どもの方で,それはもうどんどんやんなさいよとか,いややめた方がいいですよとかというような立場には今のところない。独自の判断でおやりいただければいいというふうに考えております。  

以上でございます。



赤坂県議 の再々質問(要望)  

先ほど,知事から御答弁いただいたんですけれども,区画整理と鉄道高架は表裏一体のものとしてと言われたんで,それは両方合わせてという意味で,その前提となる鉄道高架に合意がなかったということでのお話でした。  

見てみまして,あそこには世紀の大事業と言われた,20年前につくられた倉敷駅の駅ビルとそれから東西ビルがあるという,それをつぶしてやっていくということについて,住民の方から本当に疑問の声が出ています。そうした事業の前提として,第2土地区画整理事業が押しつけられているということについては,今住民の方が,それが強行されたということで,例えば,子供さんが家を建てるのに,そこに建てたいのに今建てられないという事態が起きたりしていまして,本当に今困っておられます。その点,つけ加えておきたいというふうに思います。  

それと,教育長から御答弁いただいたんですが,なれないもので,きちっと言えなかった部分があったんだろうと思うんですけれども,御容赦ください。  

それで,少人数を市町村がやるという点については,少人数加配を転用してもいいのかということ含めて,今教育委員会がやられているような少人数加配の教員を少人数学級に転用してもいいのかという意味で私は言ったということです。市町村が今少人数で加配されている教員を少人数学級に転用させてほしいと言ったときに,それができるのかどうかということをお伺いをいたしました。  

それで,県教委も,実際には,少人数学級にするか少人数教育にするかというのは,市町村の自主性に任せるということも言われておりましたので,そういうことやら含めて,市町村の独自性も必要なのかなというふうにも言われていると思っていましたんで,その点で質問したところでございます。どちらにしても,本当に子供たちが今大変な事態にある中で,本当に一人一人の子供たちに行き届いた教育をしてほしいというのは願いです。教育委員会が少人数指導にばかり力を入れてこられて,少人数学級に余り熱心じゃなかったからこういう御答弁が出たのかなあというのもちょっと感じまして,改めて,やっぱり少人数学級を実現する立場に立っていただきたいということを御要望申し上げまして,このぐらいで質問を終わります。




武田英夫県議の討論


 私は日本共産党を代表して、議第1号「平成16年度岡山県一般会計予算」をはじめ議案10件、陳情第43号「消費者保護基本法の抜本改正を求める国への意見書採択について」をはじめ請願・陳情24件につき、委員長の報告どおり決することに反対の意思を表明し、以下、主なものについてその理由を述べるものです。  



まず、議第1号「平成16年度岡山県一般会計予算」についてです。  

理由の第1は、この予算が、使用料手数料の引き上げによる県民負担増を前提にした予算だということです。今議会に提出されている使用料手数料の改定による負担増は2900万円ですが、石井県政が誕生して以降8年間の負担増の累計は9億7300万円に達します。その中でも、特に問題なことは、今回の県立高等学校授業料の引き上げをはじめ、この数年間での県立高等学校入学金や県立大学授業料などの引き上げです。  

先般、岡山県企画振興部統計管理課から発表された「岡山県都市部平均消費者物価指数」によれば、デフレによる物価の下落のなかでも、価格が上昇しているのは「保健医療」と「教育」です。物価は、この8年間でマイナス2%となっているのですが、「保健医療費」と「教育費」はともに12%も上がっているのです。それぞれ「保健医療」は国の医療費改定による自己負担増、「教育」は「授業料の値上げ」によると統計管理課の解説がついています。リストラなどにより経済的理由で進学を断念する子どもたちの増加が社会問題になっている状況のもとでのこの教育費の引き上げは、教育基本法第3条第1項の「教育の機会均等」の精神に反するものと言わざるをえません。  

同時にこの問題は岡山県政のあり方の問題でもあります。2001年度の文部科学省の地方教育費調査によると、高校生一人当たりにかける県教育費は99万円で、全国平均の113万円を下回り、全国では下から4番目、中四国・九州で最下位なのです。こうした事態は一刻もはやく改善しなくてはなりません。私は、教育に関する「父母負担の軽減」と予算の中での「教育費の増大」を求めるものです。  

予算案に反対するもう一つの理由は、予算案の中に、県民の批判の強い事業、公共性が疑わしい事業、不要不急の事業が入っていることです。私が、議場でいつも取り上げている苫田ダム・広域水道企業団に関する予算、また、本会議一般質問で赤坂県議が取り上げた「チボリ事業」「玉島人工島」「倉敷駅周辺鉄道高架事業」など納得できないことがたくさんあります。  

その中で、この場であえて指摘しておきたいのは、赤坂質問でも強調した「チボリ・ジャパン社への県職員派遣をめぐる最高裁判決」の問題です。知事は判決が「県側勝訴」であることを強調されましたが、その「理由」に記されている内容が、知事はじめ県側にとって極めて不服なものであることは知事自身がよくご存知のはずです。すなわち、判決理由には明確に「チボリ会社は営利を目的とする株式会社」と認定し、そこへの職員派遣も給与の支給も「違法」と認定しているのです。その上で、判決は、「違法であるが、過失は認められない」としているに過ぎないのです。今日、県がなすべきことは何か。私は、知事が、「勝訴」に奢ることなく、むしろ最高裁に「違法」と指摘されたことを反省し、県とチボリ事業との関係を根本から見直すことを求め、予算案に反対の立場を表明するものです。

次に、陳情第43号「消費者保護基本法の抜本改正を求める国への意見書採択について」は今議会での採択を強く求めるものです。今県議会では、「サラ金・ヤミ金などの消費者トラブル問題」「消費生活センターの拡充など消費者の安全・安心を確保する行政のあり方」、さらに、「BSE、鳥インフルエンザなど食の安全の問題」などが活発に議論されたことはみなさんご承知の通りです。この問題で大切なことは、「消費者の権利」という視点を消費者政策の基本に据えることだと私は考えます。食の安全の問題にしても、「生産者」「業界」の立場から見るだけでなく、「食の安全は消費者の権利」という視点で見てこそ、徹底的な対策を講じることが出来るのではないでしょうか。こうした中で、内閣府の国民生活審議会は昨年5月「21世紀型の消費生活のあり方について」という最終報告をまとめあげました。この最終報告は、@安全の確保、A必要な情報の確保、B適切な選択の実行、C被害の救済、D消費者教育の保障、E消費者の意見尊重、などを柱とする「消費者の権利」を消費者政策の基本理念にすえることを明確した「21世紀型消費者政策」を提案しています。本陳情は、この内閣府・国民生活審議会の最終報告で指摘された「消費者の権利」の理念を、今国会の議論に反映すべく岡山県議会としての意見書採択をもとめるもので、今日の時代に適ったものといえます。逆に、この陳情を「継続審査」という形で先送りすることは、「消費者の権利の実現」を求める多くの国民の声と時代の流れに逆行する以外の何ものでもありません。  

おりしも、4日前の3月15日は、かのアメリカのケネディ大統領が「消費者の4つの権利」を宣言した日、1962年3月15日を記念した「世界消費者の権利の日」にあたります。42年も前にケネディ大統領が提唱した内容が、未だ岡山県議会において全会一致で採択できないことは、時代錯誤もはなはだしいと感じるのは私だけではありません。  

最後にもう一度、本陳情を、今議会で採択することを主張し、同時に一言、本陳情への執行部意見に「消費者の権利」の一文字もないことが残念であることを指摘し、討論を終わります。


       議案に対する態度               ○賛成、×反対

2004年2月定例会議案 各会派の態度
共産 自民 民主 公明 成否
議第1号 平成16年度岡山県一般会計予算 ×
議第2号 平成16年度岡山県母子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算
議第3号 平成16年度岡山県心身障害者扶養共済制度特別会計予算
議第4号 平成16年度岡山県農業改良資金貸付金特別会計予算
議第5号 平成16年度岡山県営食肉地方卸売市場特別会計予算
議第6号 平成16年度岡山県造林事業特別会計予算
議第7号 平成16年度岡山県農業総合センター農業試験場実験農場特別会計予算
議第8号 平成16年度岡山県林業改善資金貸付金特別会計予算
議第9号 平成16年度岡山県沿岸漁業改善資金貸付金特別会計予算
議第10号 平成16年度岡山県中小企業支援資金貸付金特別会計予算
議第11号 平成16年度岡山県内陸工業団地及び流通業務団地造成事業特別会計予算
議第12号 平成16年度岡山県公共用地等取得事業特別会計予算 ×
議第13号 平成16年度岡山県後楽園特別会計予算
議第14号 平成16年度岡山県港湾整備事業特別会計予算 ×
議第15号 平成16年度岡山県流域下水道事業特別会計予算
議第16号 平成16年庫岡山県立高等学校実習経営特別会計予算
議第17号 平成16年度岡山県収入証紙等特別会計予算
議第18号 平成16年度岡山県用品調達特別会計予算
議第19号 平成16年度岡山県公債管理特別会計予算
議第20号 平成16年度岡山県営電気事業会計予算
議第21号 平成16年度岡山県営工業用水道事業会計予算
議第22号 平成16年度岡山県営病院事業会計予算
議第23号 岡山県広域水道企業団出資について ×
議第24号 社団法人岡山県林業公社出資について
議第25号 財団法人岡山県林業振興基金出絹について
議第26号 本州四国連絡橋公団出資について ×
議第27号 包括外部監査契約の締結について
議第28号 岡山県行政情報公開条例及び岡山県職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
議第29号 岡山県職員給与条例等の一部を改正する条例
議第30号 岡山県職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
議第31号 公益法人等への職員の派遣等に関する条例等の一部を改正する条例
議第32号 一般職の任期付研究員の採用等に関する条例の一部を改正する条例
議第33号 岡山県部等設置条例の一部を改正する条例
議第34号 岡山県職員等定数条例の一部を改正する条例 ×
議第35号 岡山県行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例
議第36号 岡山県国際貢献活動の推進に関する条例
議第37号 岡山県生活環境関係手数料徴収条例の一部を改正する条例
議第38号 貸付金の返還免除に関する条例の一部を改正する条例
議第39号 岡山県営病院事業条例の一部を改正する条例
議第40号 岡山県保健福祉関係手数料徴収条例の一部を改正する条例 ×
議第41号 食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
議第42号 食品衛生法施行条例及び拡声機等による暴騒音規制条例の一部を改正する条例
議第43号 岡山県工業振興特別基金条例及び岡山県企業立地資金貸付基金条例の一部を改正する条例
議第44号 岡山県奥津地区観光レクリエーション施設条例を廃止する条例
議第45号 岡山県畳表格付検査条例及び岡山県営食肉地方卸売市場条例の一部を改正する条例 ×
議第46号 知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例及び岡山県農林水産関係手数料徴収条例の一部を改正する条例
議第47号 岡山県土木関係手数料徴収条例等の一部を改正する条例
議第48号 岡山県港湾施設管理及び利用条例の一部を改正する条例
議第49号 岡山県風致地区条例の一部を改正する条例
議第50号 岡山県営住宅条例の一部を改正する条例
議第51号 岡山県立高等学校授業料徴収条例及び岡山県立高等学校通信教育入学金及び受講料徴収条例の一部を改正する条例 ×
譲第52号 義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例
議第53号 岡山県立図書館条例
議第54号 岡山県立図書館協議会条例
議第55号 岡山県警察本部部制条例の一部を改正する条例
議第56号 岡山県警察職員定員条例の一部を改正する条例
議第120号 平成15年度岡山県一般会計補正予算(第4号)
議第121号 平成15年度岡山県心身障害者扶養共済制度特別会計補正予算(第1号)
議第122号 平成15年度岡山県農業改良資金貸付金特別会計補正予算(第1号)
議第123号 平成15年度岡山県営食肉地方卸売市場特別会計補正予算(第1号)
議第124号 平成15年度岡山県造林事業特別会計補正予算(第1号)
議第125号 平成15年度岡山県中小企業支援資金貸付金特別会計補正予算(第2号)
議第126号 平成15年度岡山県内陸工業団地及び流通業務団地造成事業特別会計補正予算(第1号)
議第127号 平成15年度岡山県公共用地等取得事業特別会計補正予算(第2号)
議第128号 平成15年度岡山県後楽園特別会計補正予算(第1号)
議第129号 平成15年度岡山県港湾整備事業特別会計補正予算(第1号)
議第130号 平成15年度岡山県流域下水道事業特別会計補正予算(第2号)
議第131号 平成15年度岡山県収入証紙等特別会計補正予算(第1号)
議第132号 平成15年度岡山県用品調達特別会計補正予算(第1号)
議第133号 平成15年度岡山県公債管理特別会計補正予算(第2号)
議第134号 平成15年度岡山県営電気事業会計補正予算(第1号)
議第135号 平成15年度岡山県営工業用水道事業会計補正予算(第1号)
議第136号 平成15年度岡山県営病院事業会計補正予算(第1号)
議第137号 岡山県信用保証協会出捐について
議第138号 工事請負契約締結の変更について
譲第139号 工事請負契約締結の変更について
議第140号 工事請負契約緬結の変更について
議第141号 工事委託契約締結の変更について
議第142号 物品の取得について
議第143号 控訴の提起について
発議第10号 高病原性鳥インフルエンザ対策を求める意見書案
発議第11号 公共事業の県内建設業者への優先発注及び県内産資材の優先使用等を求める決議案
発議第12号 岡山県議会の議員の報酬の特例に関する条例案
発議第13号 岡山県議会情報公開条例の一部を改正する条例案
発議第14号 岡山県議会委員会条例の一部を改正する条例案

                             請願・陳情に対する態度

2004年2月議会 各会派の態度
新規・継続 受理番号 受理年月日 委員会 提出者 要旨 紹介議員 共産 自民 民主 公明 採否
継続 請願第5号 150609 総務 国公総連 ILO勧告の受け入れと、民主的な公務員制度改革の実施を求める意見書の提出について 草苅
継続 陳情第2号 150529 総務 県労会議 清潔で公正・公平な住民奉仕を貫く公務員制度の確立を求める意見書の提出について
継続 陳情第3号 150529 総務 県労会議 市町村合併に関する意見書の提出について
継続 陳情第16号 150908 総務 岡山弁護士会 民事訴訟における弁護士報酬敗訴者負担制度導入方針の見直しを求める意見書の採択について
継続 請願第7-1号 151127 総務 自治労岡山県本部 安心して暮らせる年金制度の確立をもとめることについて 草苅
新規 請願第11号 160218 総務 「連合岡山」高齢・退職者団体連合会 年金課税強化の撤回を求めることについて 草苅 × × × ×
新規 請願第12-1号 160219 総務 全日本年金者組合岡山県本部 年金減額及び年金課税強化をやめることについて 武田、森脇、赤坂 × × × ×
新規 陳情第36号 160126 総務 岡山県私学協会 私立学校への助成の充実を求めることについて
新規 陳情第38号 160217 総務 岡山県労働組合会議 地方交付税・臨時財政対策債の大幅削減を行わないことを求める意見書の提出について
新規 陳情第40-1号 160217 総務 岡山県労働組合会議 岡山県地方最低賃金の引き上げと最低賃金制度の抜本改正を求める意見書の提出について × × × × ×
新規 陳情第46号 160227 総務 「チボリ」に反対する県民の会 チボリ社への県職員派遣・最高裁判決に関することについて × × × × ×
新規 陳情第47号 160301 総務 岡山県視覚障害者友の会 点字等による選挙公報の発行に関することについて
継続 陳情第5号 150617 生・保 岡山つぼみの会 小児期発症インスリン依存型糖尿病医療費援助の対象年齢延長について
継続 陳情第11号 150701 生・保 NPO岡山県腎臓病協議会 腎疾患総合対策を求めることについて
継続 陳情第19号 150909 生・保 全国膠原病友の会岡山県支部 難病対策見直しについて
継続 請願第7-2 151127 生・保 自治労岡山県本部 安心して暮らせる年金制度の確立をもとめることについて 草苅
継続 陳情第35号 151201 生・保 木下 富夫 公的年金の未加入期間を国民年金でつなぐ場合の期間の延長に関することについて
新規 請願第12-2号 160219 生・保 全日本年金者組合岡山県本部 年金減額及び年金課税強化をやめることについて 武田、森脇、赤坂 × × × × ×
新規 陳情第39号 160217 生・保 岡山県労働組合会議 保育の公的責任を後退させる公立保育所運営費の国庫負担金はずし、一般財源化に関する意見書の提出について × × × × ×
新規 陳情第43号 160223 生・保 岡山県生活協同組合連合会 消費者保護基本法の抜本改正を求める国への意見書採択について
新規 陳情第44号 160225 生・保 岡山県立内尾センター利用者の会 第3次岡山県行財政改革大綱における「県立内尾センター廃止の検討」に関することについて
新規 陳情第45号 160226 生・保 岡山県精神障害者家族会連合会 精神障害者の福祉施策充実に関することについて
新規 陳情第48号 160302 生・保 岡山県難病団体連絡協議会 難病対策の改善を求めることについて × × ×
新規 陳情第40-2号 160217 商・労 岡山県労働組合会議 岡山県地方最低賃金の引き上げと最低賃金制度の抜本改正を求める意見書の提出について × × × × ×
新規 陳情第41号 160217 商・労 岡山県労働組合会議 高校・大学生、青年に雇用と働くルールの保障を求める意見書の提出について × × × × ×
新規 陳情第42号 160217 商・労 岡山県労働組合会議 緊急地域雇用創出特別交付金の継続・改善を求める意見書の提出について
継続 請願第4号 150609 農水 食とみどり・水を守る岡山県労農会議 WHO農業交渉に対する意見書の提出について 草刈
継続 陳情第27号 151119 土木 日本造園建設業協会岡山県支部他 全国都市緑化フェア」誘致を求めることについて
新規 陳情第51号 160302 土木 協同組合岡山県管事業協会 県内管工事業者優先指名に関することについて
継続 請願第1号 150428 文教 英田郡町村会 英田地域新高等学校を通学経路、地域環境、学習環境が最適な場所に建築することを求めることについて 市村
継続 陳情第25号 151027 文教 美作町商工会 岡山県美作ラグビー・サッカー場人工芝コート設置を求めることについて
新規 陳情第37号 160213 文教 岡山県高等学校教職員組合 子供たちの健やかな発達を保障するために養護教諭の大幅定員増を求めることについて × × × × ×
新規 陳情第49号 160302 文教 岡山県高等学校教職員組合 県立高校授業料を値上げしないことを求めることについて × × × × ×
継続 陳情第20号 150910 議運 市民オンブズマンおかやま 岡山県議会の委員会の一般傍聴を求めることについて