2003年12月定例県議会


森脇ひさき県議の一般質問と答弁(要旨)
赤坂てる子県議の討論
議案に対する態度
請願・陳情に対する態度

議会報告



武田県議の一般質問と答弁



日本共産党の森脇久紀でございます。通告に従って質問いたします。    



まず、イラクへの自衛隊派兵と憲法九条について知事の見解をおたずねします。  

11月29日、イラクで活動していた日本人外交官2人が襲撃され亡くなられました。どんな理由があろうとこのような蛮行は絶対に許せません。亡くなられた方、ご家族・ご親族の方々に心からお悔やみを申し上げます。  

私は、この痛恨の犠牲から何を導くかが、いま問われていると思います。イラクに安全な場所など存在しないこと、イラクは再び泥沼の戦争状態と化していることがいっそう明らかになったわけです。国連憲章に反するアメリカの戦争とそれに続く軍事占領が、イラク国民との間で矛盾を深める原因になり、テロの口実と土壌をつくりだしていることも明らかです。小泉首相が言う自衛隊の派兵は、アメリカの占領支配を支援するものであり、イラク国民の怒りをいっそう大きくすることになってしまいます。  

いま日本がおこなうべきことは、真のイラクの復興へ国連中心の枠組みをつくるための外交努力です。民間人はもちろん、自衛隊員やその家族のあらたな犠牲者を出さないようにするためにも、私は、知事が勇気をもって「イラクへの自衛隊派兵を中止せよ」と国に求める時ではないかと考えますが、知事のご見解をお聞かせください。  



イラク戦争をめぐって、「国際問題は武力でなく平和的に解決せよ」という世論と運動が世界中に広がりました。これは国連憲章で示された方向であり、日本国憲法第九条とも合致しています。ところが、憲法九条の改悪をめざす動きも一部にみられます。私は、いまほど憲法九条の精神が大事になっている時はないし、この精神は21世紀の日本外交の重要な柱にしなければならないと考えます。憲法九条に対する知事のご見解をお聞かせください。  



つぎに、岡山県の福祉制度について質問いたします。  

来る12月9日は障害者の日であります。1975年に国連で「障害者の権利宣言」が採択された日ですが、1981年の国際障害者年を記念して、この12月9日が「障害者の日」とされました。「障害者基本法」第6条の2に、障害者の日とその目的が定められています。また、これに続く第3項には、「国及び地方公共団体は、障害者の日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない」とあります。知事におたずねします。この障害者の日について、どのようにお考えでしょうか。岡山県では、「人権週間のとりくみをしている」とのことですが、障害者の日を特別に位置付けたとりくみは行われていません。障害者基本法に定められた重みを受け止めて、障害者の日の特別のとりくみもおこなうべきだと思いますが、いかがでしょうか。



さて、今年4月からスタートした支援費制度ですが、ある方は「市から通知された支給量では支援費制度がはじまる前の生活ができない」と言い、岡山市近隣の自治体に住む別の方は「『うちにはそのサービスが提供できる事業所がないので、岡山市で契約しなさい』と言われた」と話すなど、私は障害者の方から、いっそうの改善が求められると思われるいろいろな声をうかがっています。今回、基盤整備の関係でおたずねします。厚生労働省の「支援費制度Q&A」を読みますと、「支援費制度の下では、障害者がサービスを選択することができ、障害者の自己決定が尊重されるとともに、利用者と施設・事業者が直接かつ対等の関係に立つことにより、利用者本位のサービスが提供されるようになることが期待される」と書かれています。これは本当にすばらしいことです。ただし、これが実現されるには障害者のニーズに応えることができる十分なサービスが提供できる基盤整備ということが大前提になることは言うまでもありません。「支援費制度Q&A」の先ほど読み上げた部分にてらして、県下の市町村の基盤整備の状況はどうでしょうか。各市町村の基盤整備の状況を調査し、不十分な自治体には県としても必要な援助をするべきだと思いますが、具体的な対策としてどのようにお考えでしょうか。保健福祉部長におうかがいします。  

2つ目に成年後見制度についてうかがいます。成年後見制度というのは、財産管理・身上監護についての契約や遺産分割などの法律行為に際して、痴呆の方、知的障害のある方、精神障害のある方など判断能力が不十分な方を保護し支援するためにつくられた制度です。しかし、その制度の理解・利用はまだ十分なものとはいえません。私は、介護保険、支援費制度と福祉サービスが「措置から契約へ」移行されたもとで、高齢者・障害者の生活を支援し、権利を守る、このような制度がますます重要になっているものと考えています。そこで、後見人を引き受けておられる弁護士さんや司法書士さんをはじめ、関係するの方々のお話をうかがいました。制度への理解をすすめること、費用負担ができない人をどう援助するか、後見人などの養成、地域でのネットワークづくりなど、講じなければならない課題はたくさんありますが、いま特に行政としての役割発揮が必要だと思う点について保健福祉部長にうかがいます。  

1つは、本来制度の利用が必要な方でも、利用されていないという点です。介護予防・地域支え合い事業のなかに、成年後見制度の普及・啓発事業と手続きに必要な経費への補助制度がありますが、高梁市が普及・啓発事業で利用しているだけだと、担当課からうかがっています。市町村に制度を正しく理解してもらい、利用をすすめるための具体的な援助が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。  

2つ目は、多くの市町村で一本化した担当窓口が設置されていないという点です。県にもありません。社会福祉法第6条は、福祉サービスの提供体制の確保に関する国と地方公共団体の責務を定めています。この立場に立って、私は、県民がこの制度について相談できる窓口をまず県につくること、さらに市町村にもそのことを徹底し、必要な支援をすることを求めますが、いかがでしょうか。  



福祉制度の最後に、単県医療費公費負担補助制度について質問します。これまでとりあげてきた身体障害者の医療費公費負担補助制度についても拡充を求めますが、時間の関係で、質問は乳幼児医療費公費負担補助制度についておこないます。子どもの命と健康を守ることはもちろんですが、若い親が安心して子育てできるようにするという点でも、子育て支援に社会全体でとりくむことが求められています。子どもの病気は待ったなし、まさに命にかかわる問題です。病気の子どもをかかえ、お金がないために病院に行けない、あるいは回数を減らさなければならない、不安な日々を送る、その時の親の気持ちを知事は理解できますか。乳幼児医療費公費負担補助制度の補助対象年齢を現行の3歳未満から就学前までに引き上げていただくよう知事の決断を求めます。いかがでしょうか。  



つぎに、第3次行財政改革大綱で廃止の検討対象とされている県立内尾センターに関して質問します。  

行財政改革大綱で内尾センターの廃止の検討が提案されたことは、センターを利用されている患者さんやご家族にとって、まさに晴天の霹靂だったに違いありません。そのことは、先月行われた説明会に60人もの方が集まり、口々に内尾センターの意義を語り、存続を求められたことをみても明らかです。「岡山県障害者長期計画・第2期実施計画」が今年3月に策定されました。この第2期計画策定にあたって、精神障害者に対する施策はより充実する方向で見直されました。そして「精神保健福祉施設の充実強化」は第2期実施計画の重点施策の1つに位置づけられ、県立精神保健福祉施設については、当初の長期計画にひきつづき「民間施設との機能分担を図りながら、県立施設に求められる機能等に適切に対処します」と書かれています。私は、県立施設に求められている役割を十分発揮するため機能のいっそうの充実をはかるというふうに理解していますが、障害者長期計画のこの項に関する知事の考えをまずお聞かせください。  



内尾センターの廃止を検討するという方向は、精神保健福祉審議会で意見具申されたということですが、第2期実施計画の策定から審議会の意見具申までわずか半年、長くみても1年でしょう。審議会の意見具申の直後、「大綱」において廃止の検討を提案されましたが、この半年あるいは1年の間に精神障害者をとりまく状況に何か大きな変化があったでしょうか、知事におうかがいします。  



精神保健福祉審議会の意見具申にある「県立精神保健福祉施設が果たす役割」として、「民間の精神科医療機関の充実や社会復帰施設の整備の進展、市町村での在宅福祉サービスの充実を踏まえ、県立施設が担うべき範囲と役割を明確にし、新たな課題の発生などの環境の変化に対応していく必要がある」としたうえで、具体的にとりくむ課題が示されています。どうしてここから、「大綱」においても「廃止の検討」ということが出てくるのか、私には理解できません。知事のご見解をお聞かせください。  



内尾センターの患者さん・家族の方々も、行財政改革大綱(案)へのパブリックコメントで寄せられた意見も内尾センターの存続を求めるものばかりでした。精神保健福祉の施策にかかわる文書を紹介しましたが、どちらも普通に解釈すれば、精神保健施設のいっそうの充実が求められているということです。私は内尾センターを廃止することのないよう強く求めます。



つぎに、ハンセン病療養所入所者に対するボランティア活動への県の支援をさらに充実させていただきたく質問いたします。ハンセン病国家賠償訴訟の歴史的な全面勝訴以降、岡山県でも、パンフレットの作成やシンポジウムなどの啓発事業など、とりくみをすすめておられます。ハンセン病療養所地域交流促進事業の申請件数は、11月30日までに23件で、参加人数の合計は1395人とお聞きしました。今後も、療養所入所者や県民のみなさんの声に耳をかたむけ、県としてのとりくみをさらに充実されますよう期待しております。  

さて、民間では、ハンセン病瀬戸内訴訟の弁護士や学生などで作る「ハンセンボランティア養成実行委員会」によって、ハンセン病療養所入所者を支援するボランティアの育成講座が開かれました。講座は4月から6月末までに6回、ハンセン病についての知識や介護法を学び、5月には療養所で入所者と交流するフィールドワークもおこなわれました。さらに、この秋から2回目の講座がおこなわれています。ボランティアを育成し、入所者の社会復帰へのサポート体制を整えるのが目的ということですが、外出の付き添いなど、行政だけでは十分に行き届かない、きめ細かな支援を行うための人材を育成するという点で、本当に大切な活動です。  

長島愛生園入所者自治会の日野三郎会長が、私に手紙を送ってくださいました。あとで知事にもお渡ししますが、歴史館の運営や里帰り・外出の支援など、ボランティアの様々な活動に期待をよせており、入所者の方々から本当に求められている活動だということがよくわかります。このような養成講座を継続させるためには、当然一定の費用がかかりますが、現在は弁護士などの募金でまかなっておられます。献身的なこのような活動には頭の下がる思いです。  

ハンセン病訴訟は、政府の強制隔離政策、国会が人権侵害の法律を放置してきた「立法不作為」、「無らい県運動」が差別を拡大してきたことを明確にし、政府、国会の責任を断罪したものでした。国の政策の一端を担った県としても、最後のひとりまで、医療・介護・生活、あらゆる分野で支援することが求められていると思います。裁判の判決の意味、療養所入所者のニーズなどをふまえれば、このようなボランティア養成講座に県として何らかの財政的な支援をしても良いのではないでしょうか。いや、するべきだと私は思いますが、知事のお考えをお聞かせください。  



つぎに、青年の雇用拡大について、2つ提案させていただきます。  

先日、津山圏域雇用労働センターを訪問させていただきました。ここでは、市町村と産業界、学校・大学が連携して「若者の定住化推進委員会」を立ち上げ、就職の相談、就職後のサポート、調査・広報など若者の地元定着のため様々なとりくみをすすめています。センターが設置されたのは1979年で、中国自動車道の開通など地域環境が大きく変わる中、若者を圏域内にとどめ人口流出に歯止めをかけることが当初の大きな目的だったようです。いま、雇用の状況は大きく変化しましたが、センターが果たす役割はますます重要になっています。  

去る6月13日に成立した改正職業安定法が、来年3月12日までに施行されます。これによって無料職業紹介事業が地方自治体でもおこなえるようになりました。ただちにこの事業を実施するかどうかは別にして、県や市町村が総合的に雇用対策にとりくむ契機にしなければならないと考えます。そういう点で、津山圏域のとりくみは1つのモデルにすることができると思います。市町村が関係団体とも相談しながら若者の雇用サポートセンター、つまり、調査や相談、アフターケアなどができる専門の窓口を設置するようなとりくみに対して県が支援することを、ぜひご検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。知事におうかがいいたします。



2つ目は、ワークシェアリングによる雇用創出を、まず県が率先しておこなうということを提案します。岡山県職員労働組合のアンケートによりますと、残業の請求をしていない、いわゆるサービス残業があると回答している方が48.7%にのぼっています。すべての残業をただちになくすことは困難でしょう。しかし、サービス残業は違法であり、ただちになくすべきものです。新しい雇用をふやし、サービス残業をなくすことを検討するべきではないでしょうか。知事のご見解をおうかがいします。

大阪府は今年度の新規事業として職員の時間外勤務を削減し、それにより生み出された財源を活用して、若年者を非常勤嘱託員として雇用する事業をはじめています。若年の求職中の方に大阪府での実務に携わるなかで、今後の民間企業等への就職に役立つ経験を積んでもらうということが目的とのことですが、岡山県でも実施してはいかがでしょうか。知事におうかがいします。  

さて、国営南部土地改良事業です。前回もとりあげましたので、説明は省略しますが、総事業費は、国が事業主体となる湛井12ヶ郷用水路の改修、足守川のパイプライン化などで280億円、県あるいは土地改良区が事業主体となる末端用水路整備および区画整理で130億円、あわせて410億円となります。県が事業主体となる関連事業は、平成7年と8年にそのとりまとめがおこなわれています。この関連事業の進捗状況ですが、現在どのような段階でしょうか、今後どのようにすすめていかれるのでしょうか。農林水産部長におうかがいします。  

国営南部土地改良事業について、農林水産省は今年度、事業の再評価を実施しています。県も意見を求められていると思いますが、どのように回答されたでしょうか。農林水産部長におうかがいします。  

県の財政状況や受益農家の大多数を占める足守川中流から下流域での反対の声、これらを考えれば関連事業も簡単にすすむとは思えません。高齢化で農家の力量も衰退しており、事業が完成しても予想しているような効果があがるとも思えません。それでもすすめるというのでしょうか。前回の質問で、農林水産部長は「興除地域で水不足がある」と答弁されましたが、これは別の方法で用水路をつくれば解決できます。これだけの財政難のときです。足守川のパイプライン化とその関連事業は見直すべきだと思いますが、知事のご見解をおきかせください。

最後の質問にうつります。9月23日付「朝日新聞」で、「評論家の竹村健一さんを囲む『竹村会』に、10自治体の首長らが入会しており、3自治体が公費から年会費を出していることがわかった」という記事が載りました。「岡山県の竹村会では、92年の設立以来、知事が特別顧問、副知事が会員になっており、2人分の年会費計30万円を交際費や負担金名目で払っている」とのことです。特定の団体に公費で会費を支出するのは公正を欠いたものと言わなければなりません。公費の支出は中止するべきです。知事のご見解をお願いし、質問を終わります。



答弁

知事  

自衛隊派遣についてであるが、イラクの復興支援は国際社会の平和と安定にとって極めて重要であると認識している。イラク人道復興支援特別措置法に基づく自衛隊の派遣については、イラクの現地情勢や国際社会の動き等を十分に踏まえ、同法の規定を遵守し、政府において適時適切に判断されるものと考えている。  

憲法9条に対する見解についてであるが、日本国憲法は第二次世界大戦での悲惨な体験を踏まえた、戦争に対する深い反省と不戦の決意のもとに制定されたものであり、9条は憲法前文で表明された平和主義の原理を具体的に規定したものであると考えている。現在、様々な場において改正についての議論がなされているが、いずれにしても、その精神は変わることなく尊重されるものと考えている。



保健福祉部長  

障害者の日についてであるが、障害者の社会参加を推進し、障害者の福祉についての県民の理解と認識を深めるための重要な日であると考えている。県では、ホームページを活用し障害者の日の啓発を行うとともに、国と共催で、毎年作文やポスターを募集し、審査しているほか、障害者の日に限らず種々の啓発活動を行っているところであるが、今後も障害者の日の趣旨を踏まえた事業に一層取り組んでまいりたい。  

支援費制度における基盤整備についてであるが、県で介護保険事業者や社会福祉法人等に働きかけてきたところ、支援費の居宅サービス事業者は、本年3月末に比較して10月末では、約2.4倍と大幅に増加した。しかし、サービスの種類によってはまだ事業者が不足している地域もあり、今後とも、利用者がサービスを選択できるよう、事業者や法人等に制度への参入を働きかけるなど、市町村とともに基盤整備に取り組んでまいりたい。  

具体的な援助についてであるが、県では、介護予防・地域支え合い事業を活用して、成年後見制度の啓発や利用助成を行う市町村を支援しているところである。この制度は、痴呆や知的障害のある方などを保護し、支援するための有益な制度であり、今後とも、市町村との会議等で、より多くの市町村での事業実施を促し、一層の啓発や利用助成に努めていくこととしている。  

相談窓口等についてであるが、県では、岡山県社会福祉協議会への補助を通じて、判断能力が十分でない方を対象として、日常生活上の支援を行う地域福祉権利擁護事業を実施している。この事業の窓口である県社協と9か所の市町社協においては、相談者の状況に応じた適切な支援を行うため、成年後見制度に関する相談にも対応しているところである。県としては、今後とも、県社協や市町村と連携し、判断能力が十分でない方の権利保護の推進に努めてまいりたい。



知事  

乳幼児医療費公費負担補助制度についてであるが、技術の進歩による医療の高度化等により、乳幼児医療費は年々増加する傾向にある。補助対象年齢を拡大することは、現下の厳しい財政状況を勘案すれば困難と考えており、県としては、国に対して公費負担制度の創設を今後とも要望してまいりたい。  

障害者長期計画についてであるが、県立精神保健福祉施設に関しては、民間施設との機能分担を図りながら、県立施設が担うべき範囲と役割を明確にした上で、新たな課題に対応していく必要があり、このことが精神保健福祉の向上につながると考えている。  

精神障害者を取り巻く状況についてであるが、近年、社会復帰施設等民間サービス・施設が充実する一方、精神科救急対策、児童思春期事例への対応等が必要となってきていることから、岡山県障害者長期計画・第2期実施計画において「民間施設との機能分担を図りながら、県立施設に求められる機能等に適切に対処します。」という記述になっている。こうした中で、県立岡山病院の建て替えを契機に、本年3月岡山県精神保健福祉審議会において、県立精神保健福祉施設の今後のあり方について具体的な議論が始まり、この度の意見具申さらに第3次行財政改革大綱となったものであり、特に短期間に大きな変化があったわけではない。  

「廃止の検討」についてであるが、岡山県精神保健福祉審議会から「役割が希薄となっている内尾センターの廃止を検討し、県としては、新たな精神保健福祉の課題に柔軟に対応するために、マンパワーを効果的に活用する体制整備が必要である。」という内容の意見具申をいただいた。これを踏まえ、第3次行財政改革大網において同センターの廃止を検討することとしたものである。今後は、利用者やご家族のご意見を伺い、不安の解消に努めることが第一義であると考えており、ご理解とご協力をいただきながら検討してまいりたい。  

ハンセンボランティア養成講座への支援についてであるが、講座そのものに対する財政的支援は困難である。県としては、お話しのハンセン病療養所地域交流促進事業に取り組んでおり、入所者を講師とする講演会や療養所を訪問して入所者との交流を行う際には、補助対象となる場合があると考えている。  

専門窓口の設置についてであるが、津山圏域雇用労働センター内の津山広域事務組合が、経済団体やハローワーク等と連携し行っている求人開拓や企業説明会等の取り組みは、若者の地元定着に寄与していると聞いている。県としては、このような事業に新たに取り組む市町村等があれば、岡山労働局と連携し、求人情報の提供や就職セミナーの開催等の支援に努めてまいりたい。  

県職員のサービス残業と若年者の雇用についてであるが、時間外勤務に際しては、事前命令に基づき、実績に応じた手当の支給に努めているところであるが、時間外勤務の申告についても適切になされるよう、あらためて徹底してまいりたい。また、本県においては、これまで行財政改革の観点から、職員定数や時間外勤務の大幅な削減に努めてきており、また更なる人件費の削減を行うこととしている中で、御指摘のようなワークシェアリングは困難ではないかと考えている。



農林水産部長  

関連事業の進捗状況についてであるが、県が事業主体となる関連事業は、20地区、総事業費114億円である。平成14年度末で完了地区が1地区、実施中が2地区で、実施済事業費は約9億7千万円、進捗率は8.5%である。今後は、実施中の地区の早期完了を目指すとともに、未着工の地区については、関係機関及び受益者の方々と協議が整った地区から、順次事業化してまいりたい。  

事業の再評価についてであるが、岡山県としては、関係3市1町2村の意向を踏まえ、『本事業は、地域全域に適時・適量の農業用水を安定的に供給することにより、営農の合理化と農業経営の安定化が図られ、農業振興に寄与するものと考えられることから、環境に配慮するとともに、コスト縮減にも留意しながら、事業を継続的に推進することを要望する。』旨、回答している。



知事  

事業の見直しについてであるが、国は、第三者委員会の意見等も踏まえ、本事業の再評価を行い、『今後とも建設費及び維持管理費のコスト縮減に努めるとともに、環境との調和に配慮しつつ、受益者及び関係者の理解を得ながら、早期効果発現に向けて事業を推進する。』との今後の実施方針を決めたところである。県としても、受益者の方々等の理解が得られるよう努めるとともに、関連事業については関係機関及び受益者の方々と協議が整った地区から、順次事業化してまいりたい。  

「竹村会」への公費支出についてであるが、「おかやま・竹村会」は、国会議員、報道機関及び企業の代表等で構成され、評論家竹村健一氏の持つ国内外の貴重な情報の提供を受けるとともに、県政に関する情報交換・情報発信を行う場となっている。県政推進のうえで必要な会であり年会費を支出しているところである。



再質問  

いくつか再質問をさせて頂きます。最初に成年後見制度なんですけれども、社協を窓口とした地域福祉権利擁護事業との連携ということで、それも大事なことだと理解をしています。しかし、質問でも触れたわけですけれども、社会福祉法第六条に、国あるいは地方自治体のこの福祉制度確立に向けた責任を謳っているわけで、住民に身近な県や市町村がその窓口をきちんと開くということは非常に大事な事だと思うわけです。これは単に住民の相談だけではなく、県の当局がその利用促進のために、どういう施策を取っていこうかということを真剣に議論する場にもなるというふうに思うわけですね。そういう意味でも、ぜひ、ここは要望にとどめますけれども、さらに積極的にご検討頂きたいと思っているところであります。  



今回特に強調した内尾センターの問題でありますけれども、答弁をお聞きしておりまして、また代表質問の公明党の山田議員の答弁などもお聞きしておりまして、やはり廃止ということが先に決められて、その後色々と検討がされているんじゃないかというふうな思いを一層強くしております。特に、昨日の毎日新聞の記事の中にもありますけれども、家族会の会長さんが、廃止検討を公式に聞いたのは、先程紹介しました家族会の説明会が初めてだと。それまでの段階で、私達には意見を求めることが全くなかったという事で、当事者の人達の意見も全く聞いていないというこの手続き自体が本当にひどいんじゃないかと言わなければなりません。  

また民間施設が充実してきたという事をおっしゃいましたけれども、長期計画の第二期計画が策定されたその後、一気にいろんな民間施設が充実してきたわけではないわけですね。第二期長期計画の段階ではすでにたくさんの民間の機関がオープンしていたわけですから、当然その事も視野に入れて第二期計画を立てていると思うんですよ。なのに、この長期計画で掲げられた方針ががらっと変わってしまうというのは、県民の皆さんはいったい県の施策は何を信じていればいいのかという事が分からないんではないでしょうか。こういう事も踏まえてですね、この廃止の検討という事を大綱案で打ち出された、その事をまだ私は納得できません。もう一度説明を頂きたいと知事にお願いを致します。  

そもそも行財政改革の基本というのは、行政の無駄を削るという事だと思うんです。それで、改革を通じてより一層の充実を図るという事。特に保健福祉の分野というのは、削られてはならない地方自治体の本来の仕事だと思うんですね。これまで地域の保健所支所が廃止されてきましたけれども、これに続く内尾センターの廃止の検討という事で、精神保健福祉の分野がますます先細ってしまうんじゃないかと家族の方々が心配されるのは当然ですし、私もそういう思いを持たざるを得ません。行財政改革のこの(分野を)廃止の対象にするというのは、だめだという事を重ねて訴えたいと思っています。  



時間が迫ってきましたけれども、足守川パイプライン化、岡山南部土地改良事業についてです。これから関係の農家の方々と協議をしていく。そうやって関連事業を進めていくという事なんですね。協議が整った所から事業を始めていくわけですけれども、協議が整わなかったら当然事業を始められないわけです。その見通しというのは今の段階でどのように考えていらっしゃるのか。農林水産部長にこの辺はお聞きしたいと思っています。で、結果としてですね、住民の皆さんが納得いかないという事になれば、足守川のパイプライン化事業、この国営事業だけが先に進んでしまって、肝心かなめの枝がないと水が来ないわけですけどね、そこの事業が進まないという事になりますよね。そうしたら結局足守川のパイプは必要なかったという事じゃありませんか。それでもこの国の再評価の意見書に対して、ゴーサインを出すというのは全く納得がいかない。これこそ税金の無駄遣いじゃないかと私は思いますけれども、農林水産部長、いかがでしょうか。



知事  

再質問にお答えを申し上げます。先程の答弁の中で触れました、岡山県障害者長期計画第二期実施計画におきましては、民間施設との機能分担を図りながら県立施設に求められる機能等に適切に対処します―このような事になっておりまして、その具体的な方向性に沿った内容と致しまして、先程もご紹介しましたけれども、岡山県精神(保健)福祉審議会から内尾センターにつきましての今後の方針というものが打ち出されたという事でございます。それはすなわち、内尾センターが担ってきた地域生活支援センター機能やホステル機能につきましては、民間活力等の導入を検討すると。こういったような意見具申になっているところでありまして、引きこもり者を含めました児童心理への対応策などの新たな課題につきまして、こういったものも県の方で岡山県立病院、あるいは保健所等を中心として対応していかなければならないという、こういったようなことで、民間と県との役割分担、機能分担―こういった事に重点を置いたそういう方向性が打ち出されてきたと。こういった事を踏まえまして、今回のような行革大綱という事にあいなったわけでございますが、いずれに致しましても利用者・ご家族の方のご理解を頂き、ご納得を頂くという事がまず第一義でございますので、その事を県職員に対しまして改めて強く指示をして、検討を進めていく事と致したいと存じます。以上でございます。



農林水産部長

再質問にお答えを致します。まずこの関連事業という事についてでございますけれども、関連事業は国営事業の受益地内におきまして、例えば幹線水路が老朽化致しましたり、あるいは区画整理が未整備であるというふうな事など、この南部事業が行われまして用水改良が実施されましても、末端まで安定的効率的な用水供給ができない等々の地域におきまして、地域の農業の効率化、あるいは農業経営の安定化を図るために実施するものでございます。従いまして、現段階では先ほど申し上げましたように3地区におきまして完了または実施中でございますけれども、ご案内のとおり現段階では高梁川の合同堰、そしてこれを受けました湛井12ヶ郷の用水路で、これが今、改修が進んでおります。従いましてこれらの受益地におきましては、関係事業を推進してまいりますとともに、パイプライン関連の地区におきましても、直接このパイプラインに直結する事業を実施する地区は1地区ございますけれども、それ以外の地区におきましては地元の皆様のご理解が頂け、そして協議が整った地区から実施していくというものでございます。と申しますのは、農業事業というのは受益者の方々の負担があるわけでございます。たとえば総社市の三須地区におきましての事業というものは、国が50%、そして県が27.5%補助しまして、そして地域の方が22.5%のうちの12.5%負担される。そういう事業でございます。そういう農業事業の仕組みになっておりますから、協議が整った地区から実施していくというのはそういう意味でございまして、ご理解を頂きたいと思います。



再々質問  

再々質問をさせて頂きます。先程の農林水産部長の答弁ですけれども、私が伺ったのはパイプラインの地域についてどうなのかということであります。当然、農家の方々の協議を整えるのは当然なんですけれども、それができない場合どうするのかと。パイプライン化事業だけ進めて、あと国、県はどうやって責任をとるのかという点を指摘したわけで、その点については答弁が頂けませんでした。説明されたことは私も重々承知です。一応その事だけ指摘をしておきます。    



内尾センターなんですけれども、県と民間との役割分担を図るという事が答申の具体的な中身だと答弁をなさいました。役割の分担ですから、廃止という事が出てくるはずはないと私は言いたいと思うんです。やはり本当に役割の分担をきちんとして、さらに充実させていくというのが今求められている事ではないか。このように強く感じたところであります。  

この際、内尾センターがこの間どのような役割を果たしてきたのかを、ぜひとも議場の皆さんにも知って頂きたいという事で、お話をしたいと思っています。  

ここは、まず相談から始まるかと思うんですけれども、来所の相談はもちろんのこと、相談の要望があれば出向いて行って相談を受けるとか、あるいは夜間も含めた体制をきちんととって電話相談を受けるとか、障害を持った方達、患者さん達の不安を解消する努力を一生懸命少ない人数でなさっているというのが一つの特徴です。さらに、デイケア・ナイトケア、これも150人の方が登録をなさっています。実際に利用されているのは1日平均50人という事なんですけれども、このうち多くの方々―だいたい8割と伺います―よその医療機関へ何回も訪ねて行ったんだけれども、うまくいかない。最後にたどり着いたのが内尾センターだったという方が多くいらっしゃるんですね。この点一つとっても、頼りにされた施設であるということは明確じゃないかと思います。しかもここのいい点というのは、やはり立地条件なんです。緑が豊かだ。広い空間がある。また敷地内であれば外に出てもよい。もちろん中でも様々なメニューが用意されている。民間の機関でそういう施設まで持つ事は、まずできないだろうと思うんです。一定のスペースの中、例えば大きくても体育館というスペースの中で、決められたメニューでやってるわけですから、余計ストレスがたまるという方々が多いわけですね。そういう方々が結局そこをあきらめて内尾センターに来られているという事だと思います。さらに患者さんのことをまず最優先に考えながら自由にいろんな事をしてもらおうというのが方針となっているようですし、これも非常にいい事じゃないかと思っています。  

さらに援護寮が設置されている。さらにホステル機能を持っているという点ですね。厚生労働省がショートステイの事業を、昨年度から精神保健の関係でも市町村が行ってもよいという事になりましたが、これは介護なさる方の冠婚葬祭というのが理由なんですね。ここのホステル機能というのは、患者さんの都合で一時的に預かりますよ、これがいい所なんです。家庭で過ごしておられて、ちょっとおかしい、窮屈だなと思った時に、内尾センターに来られるという。その安心のために、結局その機能を利用しなくてもずっと家庭で過ごすことができるという方も増えていらっしゃる。これは本当にいい事じゃないでしょうか。このような機能を使って、職員一丸となって患者さん本位に取り組みを進めてきた。これは民間では対応できない部分が非常に多いんじゃないかと私は思っています。さらにもう一つ大事なのは、プレケア―予防に力を入れているという事なんですね。重症化を防ぐ、あるいは医療機関のお世話になることを防ぐ、その前にリハビリなどを行って回復させていくという取り組みを、力を入れていらっしゃるようです。医療機関では、医療機関にかかった上で社会復帰の施設ということになりますので、こういう予防策というのもなかなか後回しになるんじゃないかなという事を危惧するわけです。もちろん、先進的な所はそれを取り入れてやっておられる所は多くありますけれども、そういう実態になってしまわざるを得ないんじゃないかと。同時に、県の施設だからできた。先程ショートステイ、ホステルのお話を致しましたけれども、市町村でできるようにする、国が制度をつくる以前から県が積極的にその事を行ってきた、内尾センターが積極的に行ってきた。また、予防医療でも積極的に先進的な分野を取り入れて行っている。国の制度を先取りして行っているという事ですね。これもやはり、県の施設だからできたんじゃないかというふうに思うわけです。毎日新聞の記事に、センターの中島所長の言葉も紹介されていますけれども、こういう施設を本当に精神保健施設の拠点施設として位置付けて、今後のいろんな新しい課題にも対応できる施設に充実させていく、また、県北などの薄い地域にはさらに増設していくという、岡山県の精神保健施設の中核になるような施設として発展させるという事が必要じゃないかと。この事は要望致しまして、質問を終わらせて頂きます。ありがとうございました。




赤坂てる子県議の討論


日本共産党の赤坂てる子でございます。私は日本共産党県議団を代表し、議第110号および議第111号ならびにいくつかの請願・陳情につきまして、委員長報告に反対する立場で討論を行わせていただきます。



まず議第110号知事及び職員の給与の特例に関する条例についてです。  

労使で合意されましたが、県政のあり方に係る問題ですので一言のべます。わが党議員団は、議会冒頭で人事院勧告をふまえて提出された議第108号「岡山県職員給与条例等の一部を改正する条例」については賛成をしました。しかし、この議第110号は人勧に加えて給与をさらに削減するものであり人勧制度を否定するものであり、職員と家族に大変な負担をおしつけるものであり納得できません。さらに民間企業の中には賃金水準の悪化に連動する動きが出ているなど、勤労者の生活悪化と景気悪化の悪循環をもたらすものです。本来、行財政改革のあり方として、チボリや苫田ダム・広域水道企業団、吉備高原都市、足守川パイプライン化事業など、不要不急の無駄遣いにメスを入れることです。安易に職員に押し付けることは慎まなければなりません。よってこの議案にはんたいするものです。



つぎに議第111号「森林の保全に係る県民税の特例に関する条例」について。  

森林は県土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止、地球環境にやさしい資源であり、将来にわたって守り育てるべき県民共有の財産であり、日本共産党県議団は、森林保全の重要性は当然との立場です。  

わが党は現在の森林の荒廃、林業の危機をもたらした要因は歴代自民党政府がすすめてきた施策にあり、基本的には政策の転換なしに森林・林業の再生はありえないと考えます。とくに岡山県においては、森林面積は県土の70%を占めており、この重要性からみても、これまでの岡山県の森林行政の遅れがあることを指摘せざるを得ません。こうした、森林の果たす重要な役割を鑑みるとき、本腰を入れた対策が必要です。  

私たちは、森林保全税に対して、まったく否定するという立場をとるものではありません。現在の危機を克服するために地方から施策を発信していくことは必要なことです。しかし、今回提案された県の条例案に対してはいくつかの問題点を指摘しなければなりません。  

第一に、この施策が真に効果をもたらすためには、導入前に時間をかけた議論が必要です。全国に先んじて森林環境税を導入した高知県も県民税に超過課税方式を採用しましたが、超過課税では意識が薄れることが報告されています。第二に、現在の不況下で県民に新たな負担をかけるものであり、すべての県民に薄く広く負担を求めるといいますが、県民税均等割の方たちは県民税1000円が50%アップの1500円となるなど、低所得者にとっての増税感は大変です。以上の理由によりこの議案には反対の立場をとるものです。



陳情・請願についてです。まず、「有事関連法の発動と自衛隊の海外派兵に反対する意見書提出を求めることについて」の陳情第28号の採択を求めます。日本政府は1000人を超える自衛隊員のイラク派兵を強行しようとしています。これは、イラク国民にとっても、日本国民にとってもとりかえしのつかない災いをもたらす最悪の選択です。この暴挙を絶対に許すわけにはいきません。このままイラク派兵を強行するなら日本の軍隊が戦後初めて他国の領土で他国民を殺害するという恐ろしい道に日本を引き込むことになります。イラク問題の道理ある打開の方向は明瞭です。国際社会の大多数も願っている方向、一日も早く米英軍主導の占領支配をやめ、国連中心の枠組みによる人道支援に切り替えること、イラク国民に速やかに主権を返還し、米英軍を撤退させることです。いま日本は、歴史の重大な岐路に立っています。恥ずべき戦争と占領への本格的加担の道を選ぶのか、憲法9条を生かした平和の道を選択するのかが問われています。 陳情は採択すべきです。  

関連して民主・県民クラブ発議の意見書案についてです。この意見書案は自衛隊派兵の海外派兵を条件付で認めるものであり、憲法9条の理念を踏みにじるものです。イラクの平和的復興に逆行するものです。賛成できません。  



さて、第3次行財政改革大綱で廃止の検討の対象となっている県立内尾センターに関して、内尾センター家族会から出された陳情第33号について、私は採択を強く求めます。 その理由の1つ目は、そもそも行財政改革の対象にしてはならないものであるということです。県民の命と健康にかかわる重要な分野を廃止の検討対象にするなどというのはもってのほかです。県の精神保健福祉政策の基本方針にてらしても、内尾センターを廃止の対象とすることは認めるわけにはいきません。2つは、家族会も指摘しているように、意見具申が出される前に患者さんや家族の方々の意見もきかず、何も知らせず、患者さんを不安におとしいれています。3つ目は、本会議の一般質問で森脇議員が指摘しましたが、内尾センターは民間施設では対応できない様々な課題にとりくんでいることです。このような機能は県の責任できちんと残し、さらに充実させ、岡山県の精神保健福祉の中核的な役割を発揮させることこそ今求められているのではないでしょうか。この陳情の採択を重ねて求めるものです。

子どものすこやかな成長を願う県民の声は切実さを増しています。30人学級の実現など行き届いた教育を求める請願第9号および私学助成の抜本的充実を求める請願第8号、並びに障害児教育を充実させるための条件整備を求める陳情第30号の採択を強くもとめます。  

これまでこれらの請願は1989年より毎年、何十万もの県民の署名とともに県議会にとどけられ、ここ数年を見てもおおむね一部採択、継続審査とされてきたものです。ところが今回、自民党県議団は教育条件の充実をという県民の願いに背をむける一方で教育基本法の早期改正(改悪)の意見書を発議しました。言語道断の暴挙でありこの意見書の撤回を求めます。  

第一に同趣旨の意見書はすでに2月議会において、自民党単独で強行したばかりです。一年もたたないのに2回も意見書採択を強行し、教育基本法改悪への全国の旗振りをしようとする異常な態度だといわなければなりません。 第二に意見書案では、子どもや教育を巡る深刻な事態の原因は示すこともできず、もっぱら教育基本法「改正」に固執し、「国を愛する心」や「公共心」「公徳心」を強調するものとなっています。この意見書が12月9日の政府によるイラクへの自衛隊派兵基本計画の閣議決定強行という動きと一体のものとして提出されていることを考えるとき、ますますその危険性を指摘せざるを得ません。意見書案は不採択とし、県民からの切実な要求であるこれらの陳情・請願こそ採択すべきです。

以上で討論を終わります。




       議案に対する態度                                                            

○賛成、×反対 各会派の態度
共産 自民 民主 公明 賛否
議第97号 平成15年度岡山県一般会計補正予算(第3号)
議第98号 平成15年度岡山県中小企業支援資金貸付金特別会計補正予算(第1号)
議第99号 平成15年度岡山県公共用地等取得事業特別会計補正予算(第1号)
議第100号 平成15年度岡山県流域下水道事業特別会計補正予算(第1号)
議第101号 平成15年度岡山県公債管理特別会計補正予算(第1号)
議第102号 当せん金付証票の発売について
議第103号 工事請負契約の締結について(岡山県西部アグリスポーツ公園(仮称)陸上競技場整備工事) ×
議第104号 工事請負契約の締結について(農業用河川工作物応急対策事業小阪部川地区小坂部川ダム洪水吐ゲート改修工事)
議第105号 物品の取得について(岡山県立図書館(仮称)閲覧室等に設置する家具1式)
議第106号 県営土地改良事業に対する市町村負担金について
議第107号 平成14年度岡山県歳出歳入歳出決算の認定について
議第108号 岡山県職員給与条例等の一部を改正する条例
議第109号 非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例
議第110号 知事等及び職員の給与の特例に関する条例 ×
議第111号 森林の保全に係る県民税の特例に関する条例 ×
議第112号 電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律施行条例
議第113号 墓地等の経営の許可等に関する条例の一部を改正する条例
議第114号 岡山県希少野生動植物保護条例
議第115号 岡山県保健福祉関係手数料徴収条例等の一部を改正する条例
議第116号 岡山県商工労働関係手数料徴収条例の一部を改正する条例
議第117号 岡山県立高等学校設置条例の一部を改正する条例 ×
議員発議
国連中心の平和的な復興支援体制が整うまではイラクに自衛隊を派遣しないことを求める意見書案  (発議:民主・県民クラブ) × × × × ×
教育基本法の早期改正を求める意見書案  (発議:自民党) × × ×

        請願・陳情に対する態度

○採択、△継続、×不採択 各会派の態度
受理
番号
委員会 提出者 要旨 紹介議員 共産 自民 民主 公明 採否
継続 請願
第5号
総務 国公総連 ILO勧告の受け入れと、民主的な公務員制度改革の実施を求める意見書の提出について 草苅
継続 陳情
第2号
総務 県労会議 清潔で公正・公平な住民奉仕を貫く公務員制度の確立を求める意見書の提出について
継続 陳情
第3号
総務 県労会議 市町村合併に関する意見書の提出について
継続 陳情
第16号
総務 岡山弁護士会 民事訴訟における弁護士報酬敗訴者負担制度導入方針の見直しを求める意見書の採択について
新規 請願
第7-1号
総務 自治労岡山県本部 安心して暮らせる年金制度の確立をもとめることについて 草苅
新規 請願
第8号
総務 岡山県私学助成をすすめる会 「児童の権利条約」の趣旨に沿って、父母負担の公私格差是正など私学助成政策の抜本的拡充をもとめることについて 三原、武田、森脇、赤坂 × × ×
新規 請願
第9-1号
総務 高校・障害児教育をよくする岡山県民の会 行き届いた教育を求めることについて 三原、武田、森脇、赤坂 × × ×
新規 陳情
第28号
総務 岡山県労働組合会議 有事関連法の発動と自衛隊の海外派兵に反対する意見書提出を求めることについて × × × × ×
新規 陳情第29-1号 総務 岡山県労働組合会議 年金改悪反対、大増税の中止を求めることについて × × × × ×
新規 陳情
第34号
総務 野田隆三郎 北朝鮮に経済制裁を行わないよう求めることについて × × × × ×
継続 陳情
第5号
生・保 岡山つぼみの会 小児期発症インスリン依存型糖尿病医療費援助の対象年齢延長について
継続 陳情
第11号
生・保 NPO岡山県腎臓病協議会 腎疾患総合対策を求めることについて
継続 陳情
第13号
生・保 全医労岡山地区協議会 国立病院の独立行政法人化に当たり、賃金職員の雇用継承と医療・看護体制の拡充、国立ハンセン病施設の充実、拡充を求めることについて × × ×
継続 陳情
第19号
生・保 全国膠原病友の会岡山県支部 難病対策見直しについて
新規 請願
第7-2号
生・保 自治労岡山県本部 安心して暮らせる年金制度の確立をもとめることについて 草苅
新規 請願
第10号
生・保 岡山県生活と健康を守る会連合会 単県医療費公費負担制度の充実を求めることについて 森脇 × × × × ×
新規 陳情第29-2号 生・保 岡山県労働組合会議 年金改悪反対、大増税の中止を求めることについて × × × × ×
新規 陳情
第32号
生・保 障害者の生活と権利を守る岡山県連絡協議会 すべての障害者が自立できる生活を求めることについて × × × ×
新規 陳情
第33号
生・保 岡山県立内尾センター家族会 岡山県行財政改革大綱における岡山県立内尾センターの廃止に関することについて × × ×
新規 陳情
第35号
生・保 木下 富夫 公的年金の未加入期間を国民年金でつなぐ場合の期間の延長に関することについて
継続 陳情
第14号
商・労・警 岡山県貸金業協会 貸金業者の登録及び登録更新申請手数料について × × × × × ×
継続 請願
第4号
農水 食とみどり・水を守る岡山県労農会議 WHO農業交渉に対する意見書の提出について 草刈
新規 陳情
第31号
農水 土居 富子 岡山県県営食肉市場におけるセクシャルハラスメント問題について × × × × ×
新規 陳情
第26号
土木 岡山県建設業協会 平成16年度建設関係予算確保等を求めることについて ×
新規 陳情
第27号
土木 日本造園建設業協会岡山県支部他 全国都市緑化フェア」誘致を求めることについて
継続 請願
第1号
文教 英田郡町村会 英田地域新高等学校を通学経路、地域環境、学習環境が最適な場所に建築することを求めることについて 市村
新規 請願第9-2号 文教 高校・障害児教育をよくする岡山県民の会 行き届いた教育を求めることについて 三原、武田、森脇、赤坂 × × ×
新規 陳情
第24号
文教 岡山県国公立幼稚園PTA連絡協議会 幼稚園教育振興に関することについて
新規 陳情
第25号
文教 美作町商工会 岡山県美作ラグビー・サッカー場人工芝コート設置を求めることについて
新規 陳情
第30号
文教 岡山県高等学校教職員組合 障害児教育を充実させるための条件整備を求めることについて × × × × ×
継続 陳情
第20号
議運 市民オンブズマンおかやま 岡山県議会の委員会の一般傍聴を求めることについて